グルメ
お酒
2018/3/16 18:00

「カミュ」でブランデーの常識を覆す! 7名の実力派バーテンダーが集結したコンテストに潜入

熟成された深くて柔らかい味わいと豊かな香り。「カミュ」は、150年以上にわたって世界中で愛されてきた「ハイエンドブランデー」というべき世界最高峰のコニャックの1つです。ストレートもよし、ロックもよし。そしてカクテルベースにもよし。どのような飲み方にも寄り添ってくれる、懐の深いお酒です。

 

カミュのラインナップはいくつかありますが、近年注目度が上がってきているのがコニャック地方最西端のレ島でつくられているカミュ「イル・ド・レ」シリーズです。ストレートで飲むと引き締まった味わいで、ロックや水割りにすると甘みが引き立ってくる、シチュエーションによってさまざまな表情を見せてくれる1本です。

 

そして神戸では現在、イル・ド・レをベースとした「神戸フレンチハイボール」が大人気! 2017年の神戸開港150年を記念して開発された1杯で、華やかな風合いのなかにもぴりっとくる酸味と塩味がきいており、夏のリゾート地を思わせる味わいが魅力です。神戸全域約100店舗のバーやホテル、レストランで提供されており、イル・ド・レと強炭酸であるウィルキンソンの組み合わせが生んだ爽やかさが、カミュの新しいトレンドとなっています。

 

兵庫県内のバーテンダーが競いあう「カミュ神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティション」

 

2018年3月11日、神戸メリケンパークオリエンタルホテルにおいて、カミュ 神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティションが開催されました。次世代の神戸フレンチハイボールを見つけ出すコンペティションで、兵庫県内のバーテンダー7人がファイナル大会に参加。オリジナルの1杯を披露しあいました。

 

 

神戸フレンチハイボール・ツイストの基本ルールは2つ。イル・ド・レをベースとすること。そしてウィルキンソンタンサンを使うこと。評価ポイントは見ため、作りやすさ、香り・味わい、ブランドとコンセプトとなっており、ファイナリストに選ばれたバーテンダーがイメージする神戸らしさ、カミュらしさ、バースペースで楽しむハイボールらしさをどうアピールするかが重要視されました。

 

↑「カミュ イル ド・レ ダブルマチュアード」。実売価格は8046円

 

また神戸の美しい夜景を眺めながら楽しめる食後酒として、カミュボルドリーを用いた神戸アフターディナーカクテルの審査も同時に行われました。

 

↑「カミュ ボルドリーVSOP」。実売価格は8964円

 

落ち着きがありリラクゼーションともなる1杯は、神戸フレンチハイボールとはまた違った魅力を醸すもの。いったいどのようなカクテルが考案されたのでしょうか。ファイナリストごとの作品をご覧ください。

 

[BAR SLOPPY JOE] 生田理実:SLOPPY French Highball&le pont blanc

 

↑写真右がSLOPPY French Highball、左がle pont blanc

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]SLOPPY French Highball

イル・ド・レ ファインアイランド 70ml
ウィルキンソンタンサン 1本
オレンジピール

神戸フレンチハイボール・ツイストに出品されたSLOPPY French Highballは、190mlのウィルキンソンタンサンを1本まるごと使ったもの。オレンジピールで柑橘系の香りをトッピングして、ゴールドが煌めく海となりました。水面に立ち上がっていく炭酸の泡と、星型のオレンジピールが、夏の夜空を感じさせます。

 

[アフターディナーカクテル名]le pont blanc
カミュボルドリーVSOP 25ml
フランジェリコ 10ml
生クリーム 10ml
パインジュース 15ml
蜂蜜 2tsp
コーヒーパウダー・南天の葉

le pont blancは力強い印象があるコニャックのイメージを一変させ、うっとりとするような深みがある甘さを蜂蜜で演出。またコーヒーパウダーをスノー・スタイルであしらい、ビターなトーンも味わえます。飲んでいると次第に眠りへといざなってくれそう。

 

[KOBE GARAGE] 田中美也子:Jolie Highball&Cache cache

 

↑写真右がJolie Highball、左がCache cache

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Jolie Highball
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
ボルスラズベリー 10ml
ウィルキンソンソーダ 100ml
レモンピール

フルーティなカミュ イル・ド・レの個性を、レモンピール&ラズベリーリキュールで印象力UP。氷を使わないために、グラスの中で温度が変わるごとに風味が変化していきます。多めの炭酸を使っていますが、ゆっくりと楽しみたくなる1杯といえるでしょう。

 

[アフターディナーカクテル名]Cache cache
カミュボルドリーVSOP 45ml
ボルスドライオレンジ 15ml
オレンジスライス 1枚
スターアニス 1/2個
シナモンパウダー 1振り
ウィルキンソンソーダ 15ml
シナモンスティック

ポートタワーに見立てたシナモンスティックと、三日月を思わせるオレンジスライスで、神戸の夜景をグラスにで表現したCache cache。フレッシュだけどスパイシー。1口、1口とすすめるたびに、新しい香りに気づかせてくれます。

 

[SAVOY hommage] 森崎和哉:Vent de mer&Belle soiree

 

↑写真右がVent de mer、左がBelle soiree

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Vent de mer
イル・ド・レ ファインアイランド 45ml
神戸紅茶アールグレイ茶葉 2g
みょうが 1/4cut
フレッシュライム 1/8cut
砂糖 1tsp
ウィルキンソンタンサン 90ml

ミョウガのカクテルですか? と驚きましたが、これが合うんです。茶葉を使ったことでさらに重層的となった香り、ライムの効果でタイトに引き締まりつつも甘みが表にでてきている味わいに、ミョウガのエッセンスが爽快感ある炭酸とともに味わえます。

 

[アフターディナーカクテル名]Belle soiree
カミュボルドリーXO 30ml
グラハム・シックス・グレープス 10ml
シャンボールリキュール 10ml
グリオッティン 10ml
グリオッティン・チェリー

カミュボルドリーXOのエレガントさはそのまま、チェリーやピーチ、ベリーのリキュールというドレスであしらった1杯です。まろやかさのなかに果実味からくる甘さが身体の中に溶け込んでいくかのよう。リキュールに漬け込まれていたチェリーのアクセントも効いています。

 

[神戸メリケンパークオリエンタルホテル VIEW BAR] タバリヤ ロビン ラジュ:Port Tower Cocktail&Green Rose

 

↑右がPort Tower Cocktail、左がGreen Rose

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Port Tower Cocktail
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
アペロール 15ml
ボルスマラスキーノ 10ml
フレッシュレモンジュース 1tsp
ウィルキンソンソーダUP
レモンスライス

氷でまろやかさが出たカミュイル・ド・レの味わいに、リキュール&レモンスライスで柑橘類のシャープな味をMIX。ビター寄りのグラデーションが感じ取れます。またグラスの上には華やかな花壇のような香りが常に漂い、風味を味わい続けたくなりますね。

 

[アフターディナーカクテル名]Green Rose
カミュボルドリーVSOP 35ml
ボルスグリーンバナナ 15ml
ボルストリプルセック 10ml
フレッシュライムジュース 1stp
ライムピール

グリーンに彩られたショートグラスは、逆に見立てればまるで自然味あふれる山。実際に六甲山や摩耶山をイメージしたそうです。こちらもバラの香りを軸としたフローラルさが魅力。またオレンジリキュールの甘みとライムジュースの酸味のフレーバーが心を落ち着かせてくれるよう。

 

[Bar el CAMINO] 村本恭一:柚桜&Hedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)

 

↑写真右が柚桜、左がHedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]柚桜
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
ユズ・フルーツミックス 10ml
サクラ・シロップ 10ml
卵白 10ml
ウィルキンソンソーダ 適量
桜の花びら 数枚

香りゆたかで味の輪郭がしっかりとしているユズと、チェリーに、華やかさの象徴たるサクラ。さらにカミュイル・ド・レが持つ余韻の長さが、なめらかで、口のなかでゆっくりとひろがっていく卵白がまとめ上げてます。1つのスイーツとなった?と思わせてくれます。

 

[アフターディナーカクテル名]Hedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)
カミュボルドリーVSOP 40ml
エスプレッソコーヒー 60ml
ブルーベリージャム(カシス、ブルーベリー、ブラックベリー、ドライブベリー、はちみつ) 2tsp
ペイショーズビターズ 1dash
金粉

複数のベリーを用いたジャムで色付けしたダークな水面に浮かぶのは、神戸の夜景をイメージした金粉。そのコントラストに目を奪われますね。コニャック同様にテロワール(土地)が味わいの要となるエスプレッソの苦味が、ジャムとカミュボルドリーの甘みとのコントラストを作り上げています。

 

[Bar rug] 高橋卓志:glass no.078&Lover’s time

 

↑写真右がglass no.078、左がLover’s time

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]glass no.078
イル・ド・レ ファインアイランド 30ml
みりん 3ml
レモン果汁 5ml
ウィルキンソンタンサン 80ml
ローズマリー
生姜スライス

柔らかみをもたせつつもタンサンでキリっとさせる。筆圧の高いアウトラインがハイボールらしさを演出し、その上でカミュイル・ド・レの豊かな風味を活かしていることに気が付きます。それにしてもみりんを入れるというアイディアには脱帽です。

 

[アフターディナーカクテル名]Lover’s time
カミュボルドリーVSOP 30ml
ボルスドライオレンジ 10ml
ボルスピーチ 10ml
ボルスカカオブラウン 10ml
ボルスチェリーブランデー 5ml
レモン果汁 10ml
シロップ 5ml
卵白 1つぶん
くこの実
ローズマリー
炙ったオレンジ
シナモンスティック

熟成された桃とチェリーのトーンに、カカオに苦味が乗せられて、年季の入った地層を思わせます。また提供されるプレートはオレンジや砂門スティック、くこの実で彩られており、まるで深夜のパーティ会場のよう。カクテルは自由なんだ、というメッセージがこめられているように感じました。

 

[BAR 151] 森広貴:voyageur&mystique tea

 

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]voyageur
イル・ド・レ ダブルマチュアード 50ml
オーガニックブルーベリージャム 1stp
ウィルキンソンソーダ Full
レモンピール

カミュイル・ド・レのバリエーションの1つ、ダブルマチュアードを使ったハイボールです。ベリーの酸味とダブルマチュアードの塩気が生き生きとしたフレッシュさが気持ちいい。炭酸が弾ける都度、独特のスモーキーフレーバーが周囲に広がっていく様子も見事です。

 

[アフターディナーカクテル名]mystique tea
カミュボルドリーVSOP 45ml
ブルスブラウンカカオ 10ml
生クリーム 5ml
アッサム 15ml
シナモンスティック

ウイスキーボンボンならず、コニャックチョコといいましょうか! カミュボルドリーの甘さのポテンシャルもフルに活かした、1杯のチョコレートの完成です。炙ったシナモンスティックの香りがまた見事。しっかりとしたボディで飲みごたえもあります。

 

 

全ファイナリストのプレゼンテーションが終了し、審査の間は会場を変えてのパーティに。ここではファイナリストが作り上げた作品の数々をいただくことができました。

 

 

GetNavi web取材班も酔っ払わないように気をつけながら、少しずつ試飲にチャレンジ。バーやホテルのラウンジで飲めるハイボール、ということもあるのでしょう。そしてカミュの繊細な味わいを活かしたものであるからでしょう。その多くは香りと味わいの豊かさの地平を広げていくものでした。

 

そのなかでも取材班全員一致で「これは旨い!」と票が集まったのは、生田さんのSLOPPY French Highball。強炭酸を活かしたハイボールらしさがあり、ゴクゴクと飲んでみたくなる魅力が強烈でした。

 

カミュ神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティション、No.1バーテンダーは森崎さん!

↑トップ3発表を控えて一堂に会すファイナリストたち

 

カミュ神戸フレンチハイボール杯カクテルコンペティションも終りが近づいてきました。結果発表の時間がやってまいりました。栄えある1位となったのは、どなたでしょうか? ダカダカダカダカ(ドラムロール)…ダン!

 

 

SAVOY hommageの森崎さんです! 彼には「カミュを巡るコニャックの旅」がプレゼントされました! おめでとうございます!

 

「コニャックは勉強してきたのですが、改めて素晴らしさに気づかせてくれたことは本当に幸せなことだなと思います。カミュの畑や蒸留所に行かせていただけるので、現地の空気感を自分の中にしっかりととりこんで、それを神戸に持って帰ってきて、 カミュの魅力をお客様に精一杯伝えていきたいとおもいます」(森崎さん)

 

 

神戸にいったらぜひとも神戸フレンチハイボールを頼んでみたいもの。また自宅でも、こちらで紹介したレシピにチャレンジしてみるのもいいでしょう。みょうがやみりんなど、驚きの食材が1杯のカクテルの中で味と香りを花開かせていく様子も味わってみてくださいね。