グルメ
2018/4/13 17:00

熊本の魂、「黒糖ドーナツ棒」は不滅です! 70周年を迎え震災復興とともに歩むフジバンビ

「熊本ではドーナツは丸くないのが当たり前!」。その理由は、熊本県民なら知らない人はいない「黒糖ドーナツ棒」の存在にあります。昭和61年の発売以来、ご年配から子どもまで世代と年齢を問わず愛されてきました。「全国菓子大博覧会」をはじめ数々の受賞歴を誇り、郵便局ふるさと小包全国版では人気商品ランキングお菓子部門11期連続販売数量1位を記録。そんな熊本銘菓を生み出した製菓メーカー「フジバンビ」が、今年で創業70周年を迎えました。倒産の危機を救った「黒糖ドーナツ棒」の誕生秘話と、そのおいしさの秘密に迫ります。

提供:フジバンビ

 

黒糖ドーナツ棒は、おいしくて身体に優しい

「黒糖ドーナツ棒」が愛され続ける理由。それは単純明快、おいしいからです。黒糖ドーナツ棒は、開発段階から国内産原材料にこだわると決めていました。ヒット商品の生みの親である吉田高成社長は最高の原材料との出会いを求め、全国各地を奔走。沖縄産黒糖、国内産小麦粉、新鮮な油を確保します。黒糖ならではの、からだにやさしい甘さ。表面はサクッとして、中はしっとりとした独特の食感。ドーナツなのに油っぽくないのも、原材料由来の特徴です。

 

「当初は『こんな形はドーナツじゃない!』と言われた棒状のドーナツですが、いまでは『食べやすくてちょうどいい』とご好評いただいています。類似品が出回ることもございますが、味と食感までコピーすることはできません。黒糖ドーナツ棒のおいしさの秘密は、こだわりの原材料、そして独自の生産設備にあると思っています」(吉田社長)

 

↑フジバンビの代名詞といえる「黒糖ドーナツ棒」は吉田社長の情熱が生み出しました

 

黒糖ドーナツ棒に使う黒糖は、100%沖縄産。沖縄でサトウキビの絞り汁を煮詰めて固めた、純粋な黒糖のみを使用しています。太陽の光と大地からの恵みを受けて育ったサトウキビには、カルシウム、リン、鉄、カリウムといった天然ミネラルやビタミンが豊富。沖縄や奄美地方の人々の健康の秘訣は黒糖にあるとも言われています。沖縄黒糖との出会いがなければ、原材料にこだわった“からだにやさしい日本のドーナツ”の誕生はありませんでした。

 

↑徹底したこだわりから生まれた黒糖ドーナツ棒は、熊本の銘菓としてすっかりお馴染みです

 

黒糖ドーナツ棒の誕生秘話

昭和45年に発生した火災により、フジバンビの熊本工場は3分の2が全焼。その2年後に起きたカネミ油症事件の風評被害により、売上は激減し、会社は存続の危機に陥ります。そんな矢先、吉田社長はスキーで靭帯を断裂し、入院生活を余儀なくされます。当時社長だった藤原会長から与えられたのは「世の中にないお菓子を考えて戻ってこい!」という無理難題。

 

悩み続けるなか閃いたのが、ありがちな「丸」ではない、棒状のドーナツでした。吉田社長は松葉づえをつきながら病院を抜け出し、そのまま工場に籠り、トライ&エラーを繰り返しながら開発に没頭します。こうして出来上がったのが、世の中にないお菓子「黒糖ドーナツ棒」でした。

 

愛されるお菓子を作り続けて70年

「黒糖ドーナツ棒」の大ヒットにより、熊本を代表する企業へと成長したフジバンビ。今年で創業70周年を迎え、3月19日にはホテル日航熊本で盛大な記念祝賀会が開かれました。会に先立って行われた記念講演会では、德川宗家19代目にあたる德川家広氏(公益財団法人德川記念財団理事)が壇上に上がり、「日本の食文化と德川家の歴史について」をテーマに講演。関ケ原の合戦前後の戦国武将たちの思惑を独特の視点で考察しながら、德川家康が築いた江戸文化を「過去にこだわらない、せっかちな人たちの文化」と論じます。そこから生まれた食文化が、当時のファストフードであった蕎麦、寿司、天ぷら。

 

さらには、江戸時代に国産化が進んだ「砂糖」がもたらした“心の平和”についても、興味深い話題を展開します。誰もが心穏やかに過ごせる世の中こそ江戸の概念であり、当時は貴重であった甘いものを普及させることで幕府は平和を願ったと言います。つまり、甘いお菓子は心の平和を生むということ――。フジバンビが取り組んできた70年間の功績を、そう称える講演でした。

 

↑「日本の食文化と德川家の歴史について」をテーマに講演する公益財団法人德川記念財団理事の德川家広氏

 

続く記念祝賀会には、約600名が列席。熊本県副知事や熊本市市長をはじめ、地元企業の社長など政財界からも数多くの方々がお祝いに駆けつけました。2009年からスポンサー契約をしているINAC神戸レオネッサの選手・監督・コーチからのメッセージ、黒糖の故郷である沖縄と熊本を繋ぐ音楽コンサート「琉球の風」に出演するネーネーズのライブも行われ、祝賀会に華を添えました。

 

↑フジバンビがスポンサー契約をしているINAC神戸レオネッサからビデオメッセージが

 

↑ネーネーズの唄声が華を添えます

 

来賓の祝辞で登壇された方々の言葉で印象的だったのは、フジバンビがお菓子を通じて地域を支えてきたこと、そして震災復興のために尽力してきたことへの賛辞。熊本県民の心の拠りどころである熊本城の現状を見たら分かるように、復興にはまだまだ時間がかかります。祝賀会の中で、吉田社長は今後も継続して復興支援をしていくことを表明しました。

 

「平成28年4月に熊本と大分を襲った大地震は、多くの悲しみを生みました。震災以降、わたくしどもは地域貢献の気持ちを改めて強く心に刻むことになります。震災復興のための微力ながらの支援、次世代を担う子供たちのサポートなど、社会奉仕の心を持って活動していくことで、皆さまから愛される企業であり続けたいと願っております。また、昨年からは海外での商品展開も始まりました。国内自社店舗に関してましては東京進出を目標に、熊本を代表する商品のひとつとして『黒糖ドーナッツ棒』のファン拡大に努めて参ります」(吉田社長)

 

↑今後も震災復興とともに歩んで行くことを表明する吉田社長

 

↑フジバンビ代表取締役会長の藤原守雄氏。「お菓子作りしか知らない人間が会社をはじめて、気が付いたら70年も経っていました。本当に有り難いことです。これからもお客様第一主義を貫き、従業員を大事に、地域のみなさまに愛される会社でありたいと思っています」と語っていただきました

 

フジバンビ スイーツファクトリーがスタート

創業70周年事業として、フジバンビは新ブランド「フジバンビ スイーツファクトリー」を立ち上げました。熊本県産米粉・玄米粉を使用した「くまモンのベイクドドーナツ」は、すでに多くの反響を獲得しています。また、熊本県産イチゴの新品種「ゆうべに」専用のブランド「VOYAGE BERRY 旅するイチゴ」を立ち上げ、新たなファンを獲得すると同時に、このイチゴスイーツ事業を通じて「ゆうべにイチゴ」の知名度を全国区に拡大していくことを考えています。創業70周年の節目に新ブランド体制を構築し、これからもフジバンビはお菓子に夢をのせて躍進していくことでしょう。

 

↑大人気の「くまモンのベイクドドーナツ」。おいしさはもちろんのこと、原材料にもこだわりました

 

↑2015年に誕生した熊本県産イチゴの新品種、「ゆうべに」を使用した「VOYAGE BERRY 旅するイチゴ」

 

[創業70周年記念祝賀会来賓の声]

 

鶴屋百貨店 代表取締役社長

久我彰登氏

↑「フジバンビさんはもともと兵庫県で創業された会社ですが、熊本を拠点に成長された会社です。鶴屋百貨店としましては、今後もフジバンビさんと一緒に発展していきたいと願っております」

 

日本郵便 代表取締役副社長

福田聖輝氏

↑「私も熊本県出身ですので、熊本の食べ物が全国に広がっていくことは、非常に嬉しいことです。これからもわたくしども日本郵便のネットワークから、フジバンビさんの商品を全国のみなさまにお届けさせていただきたいと思っています」

 

熊本県副知事

田嶋徹氏

↑「熊本発の黒糖ドーナツ棒は、全国屈指のお菓子になりました。熊本県としましても、新たなフロンティアを求めていきます。黒糖ドーナツ棒、フジバンビさんとともに、くまモンも世界へ進出していきたいと思っています」

 

熊本県商工観光労働部観 光経済交流局長

原山明博氏

↑「来年は『TGC KUMAMOTO』、JRグループ6社の大型観光企画『デスティネーションキャンペーン』、ラグビーワールドカップが熊本で開催されます。2019年は熊本にとってビッグイヤー。ぜひフジバンビさんの商品で熊本を盛り上げていただき、国内外のみなさんに足を運んでいただきたいですね」

 

ホテル日航熊本 代表取締役社長

川﨑博氏

↑「これまでにも増して、地域の発展のため、スポーツの振興のため、何よりおいしいものでみんなを笑顔にする活躍をフジバンビさんには期待したいです」