グルメ
2018/5/28 21:00

4年で市場規模2倍! 「麦」のプロ、キリンが取り組む新しい麦のカタチ

麦茶といえば、夏に飲むというイメージが多いのではないでしょうか。そして、おそらく「どれを飲んでも同じ味」というイメージも少なくないでしょう。今回、そのイメージを払拭する新商品が発売されました。

 

 

それが「キリン 麦茶」です。ネーミングこそオーソドックスですが、内容はきわめて革新的。そして驚くことにもうひとつ、おなじみの「世界のKitchenから」シリーズより、麦を使ったカフェも新発売されます。発表会に行き、この2商品の実力を明らかにしてきました!

 

 

健康礼賛を背景に、時代は麦茶を求めている!

あまり実感がないかもしれませんが、実は麦茶のニーズは右肩上がり。2016年にはウーロン茶を超え、市場規模もこの4年間で2倍に伸びています。最大の理由は、現代の健康意識とのマッチング。カフェインゼロ、カロリーゼロの、自然でクセのない飲み物が「麦茶」。乳幼児に飲ませるためにも重宝されています。

 

そして、キリンといえば、国内ビールの旗手。ビールの原料といえば麦。そして同社は、大手のなかで最もクラフトビールに力を入れています。消費者の嗜好が多様化するなかで、「麦にもまだできることがある!」と、同社が持つ知見などを元にプロジェクトをスタート。ついに発売されたのが、今回の新生「麦茶」なのです。

↑素材や製法など、あらゆるものを一から見直しました

 

↑そして生まれたのが、こちらの「キリン 麦茶」。600mlで141円(税込)

 

製造工程で注目すべきポイントは、同社の言葉を借りれば「麦を、まるはだかに」したこと。原料に「はだか麦」と六条大麦の殻をむいた「むき麦」を使用することで、余計な雑味がなくなり、麦本来の甘みと香ばしさを際立たせているのです。

↑様々なタイプの麦を使い分けています

 

↑麦のタイプに合わせた、適切な活かし方にも配慮

 

↑色がブライトで、味も明るくすっきりしています!

 

 

実際に飲んでみると、やはりそのこだわりが感じられます。繊細なニュアンスで、雑味や嫌な香ばしさや苦みがなく、すっきりとした印象です。個人的には甘みよりも、雑味のなさが特徴的に思えました。

 

世界には麦を使った不思議な味のコーヒーがあった!

そしてもうひとつの新商品が、「キリン 世界のKitchenから 麦のカフェ CEBADA(セバダ)」。前述のようにカフェインレスが一定の支持を集めていて、コーヒー業界でも特別な技術で豆からカフェインを除去した「デカフェ」が台頭するなど、その状況は顕著に。そのなかでキリンの新作は、そもそもカフェインのない「麦」で抽出した1本です。

↑こちらがウワサの新商品「セバダ」です。600mlで152円(税込)

 

個人的には、ペットボトル入りのクラフト系コーヒーが市場のトレンドになりつつあるなか「そうきたか!」と思わせてくれたのが本商品です。発表会には「World Coffee Roasting Championship 2013」で優勝した、世界一の焙煎士・後藤直紀さんが登壇しました。

 

↑後藤直紀さん。パナソニックの「The Roast」の焙煎プロファイルを手がけるなどの活躍もしており、筆者は昨年「GetNavi」本誌でインタビューしたことも

 

後藤さんは味について貴重な意見を聞かせてくれました。「セバダは甘香ばしい風味が印象的。麦茶というよりも、ビールやウイスキーに近いモルティな甘みを感じます。一方の麦茶は、キレイでシンプルな、紅茶のようにふわっと香る不思議な甘みを感じますね」とコメント。どちらも、甘みが特徴的なようです。

 

↑セバダは深く焙煎した大麦を使っています

 

商品名の「セバダ」は、スペイン・レバンテ地方に伝わる「アグア・デ・セバダ」から。大麦の麦芽を深く焙煎して粉砕し、柑橘のピールと一緒に鍋で煮出して作った、“麦のコーヒー”といわれる飲み物です。

 

大麦と発芽させた大麦麦芽を使用し、コーヒー用の焙煎機で極限まで深煎りに。丁寧にドリップしてコクと香りを引き出しています。さらに柑橘素材を隠し味にプラスすることで、酸味と苦みによる奥行きのある味わいを実現。柑橘素材は、本場のセバダにも入っています。

 

↑飲んでみて実感、これはいままでになかった新しいテイスト!

 

麦茶かコーヒーか、といえばコーヒーのほうが近しいのではと思えるビター感と深み。非常に不思議で、いままで飲んだことのない面白い味わいです。苦いというほどのコーヒーらしさはないものの、強い香ばしさがあり、余韻には甘みも。コーヒーに比べるとやさしくて、すっきり。でも薄いという感じではないので、飲みごたえはあると思います。

 

↑飲み比べてみると、その違いはさらにはっきり。右上の「キリン 香ばし麦茶」は、すでに販売中のキリンの麦茶で、ストレートな香ばしさが特徴

 

 

新しい「キリン 麦茶」はすでに発売中なのでぜひチェックを! そして「セバダ」は、夏まっ盛りの7月24日に発売。こちらはまずはブラックのみということですが、動向によってはラテの発売もありえるとのこと。今後の展開に注目していきたいと思います。