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2019/5/21 21:33

読書はウイスキーの「つまみ」になる! 生粋の本好きが選ぶ一冊とその理由

超定番ウイスキーのひとつ「ブラックニッカ」。その魅力をベースに、モルトの濃さやスモーキーさを豊かにしたのが「ブラックニッカ ディープブレンド」。そのうえで、さらに特徴を際立たせた限定商品が5月28日に発売されます。

 

「コンビニウイスキー」をソーダ割りで飲み比べ! 味わいと香りでマッピングしてみた!

↑右のボトルが限定の新作「ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ」700ml/2160円。左が通常の「ブラックニッカ ディープブレンド」700ml/1620円

 

しかも今回は、飲用シーンの提案がユニークなのも特徴。“自宅でのくつろぎ時間にウイスキーをロックで楽しむ”というものです。そんなくつろぎ時間のひとつに読書があるということで、書評雑誌「ダ・ヴィンチ」の関口靖彦編集長をはじめ、本にたずさわる識者を交えた発表会イベントが開催されました。各人の選書とその理由を中心にレポートしていきます。

 

本のエキスパートが選んだのはこの3冊!

関口さんが進行役となり、書評家・作家の杉江松恋さん、丸の内リーディングスタイルの書店員・宇野めぐむさんがトークセッションに参加。そしてニッカウイスキーの首席ブレンダー・二瓶 進さんが、ウイスキーの解説役として登壇しました。

 

↑左から、関口さん、杉江さん、宇野さん、二瓶さん

 

テーマは「ウイスキーに合わせたい本」ということで、最初に紹介するのは杉江さんのセレクト。杉江さんは「ナイトクルーズと聞いて、『それならこれしかないでしょう!』と思って選びました」という渾身の一冊。

 

その1:杉江松恋さん選書「極夜行」(著者:角幡唯介)

「昨年、大佛(おさらぎ)次郎賞に選ばれた名作ですね。夜が長く続く北極圏のグリーンランドに滞在して、4か月の終わらない夜を体験するというノンフィクション。その世界のなかで、本当の自分を見つめ直すんですね。私たちは、なかなかそうやって自分自身と対話することができませんが、その手段っていうのが、たとえばウイスキーを飲む時間じゃないかなって。ぜひ『極夜行』とウイスキーで、同じような長い夜を過ごしていただきたいと思います」(杉江さん)

その2:関口さん選書「2週間の休暇」(著者:フジモトマサル)

「こちらはマンガなのですが、非常に落ち着いたタッチで、絵本に近いかもしれません。主人公の女性がふと目覚めると団地の一室にいて、しかも記憶がない。という設定なんですが、自分以外は鳥になっていて、でも会話はできて、という穏やかな夢のような世界観です。タイトルに休暇とあるように、主人公は最終的に日常へ戻っていくんですけど、私たちってなかなか仕事や家のことがあって日常を忘れるって難しい。そんな気分をほぐしてくれる一冊です。忙しい方の、夜のオフ時間にオススメしたいですね」(関口さん)

 

その3:宇野さん選書「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(著者:村上春樹)

「私はお酒がとっても好きなんですが、それならということで、同僚に教えてもらったのがこの本です。内容は、村上春樹さんがウイスキーの聖地であるスコットランドやアイルランドを旅するストーリー。どこでどんな人が作っているのかというシーンや、パブやバーで飲む場面など、ウイスキーにまつわる魅力にあふれています。また、写真がたくさん用いられているので鮮明に情景を想像でき、まるで旅をしている気分に。ウイスキーを飲みながら読むと、よりおいしく楽しめると思います」(宇野さん)

燻香と樽香のリラックス効果で読書が進む!

ブレンダーの二瓶さんは、今回の企画に伴い「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」を読んだそう。日々ウイスキーに携わる立場から、よりこの本をおいしく楽しむ秘訣を教えてくれました。

 

「村上さんは、スコットランドのなかでも個性的なウイスキーを生み出す、アイラ島を訪れています。その魅力は、ピートという泥炭によるスモーキーフレーバー。『ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ』には、新樽で10年以上熟成させた北海道・余市のヘビーピートモルトを一部に使用しているんですね。この燻香は共通点といえるでしょう。ただ、ブラックニッカブランドのテーマは、毎日飲めるおいしさ。ピートは個性が強めでもあるので、ブランドの“らしさ”を失わないように調和させています。なので、読みながら楽しむ際は、ぜひ味わいの奥にあるやわらかなピート香を感じとっていただけたら」(二瓶さん)

 

↑ピートに由来する海の香りに触れるなら、ストレートかロック。燻香をはっきりと感じるなら1:2の濃厚なハイボールがオススメとか

 

加えて、二瓶さんは改めて「ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ」の商品特徴も教えてくれました。

 

「通年の『ブラックニッカ ディープブレンド』は、特に樽の甘さがしっかりしていて、くつろぎの時間に合うウイスキー。ナイトクルーズも、その延長線上にある味わいですね。そのうえで、宮城峡のバーボン樽熟成のカフェグレーンを使った、樽の甘さがより際立っています。この樽香ってリラックスさせてくれる効果があると思うんですね。ですので、本との相性も、すごくいいと思います」(二瓶さん)

 

↑会場となった、東京駅近くのKITTE4階「マルノウチリーディングスタイル」。5月28日から6月30日まで、特設コーナーとして書評家紹介の本が販売されています

 

新商品は5月28日に発売されますが、もし立ち寄れるなら「マルノウチリーディングスタイル」へ。そこには、識者がイベントで紹介しきれなかった本や、三宅香帆さんをはじめとする登壇者以外の書評家の選書も。筆者も改めて、各レコメンドを参考に買ってみたいと思います。

 

【SHOP DATA】
マルノウチリーディングスタイル
住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワーKITTE 4F
アクセス:JRほか「東京駅」徒歩1分
営業時間:月~土11:00~21:00、日祝11:00~20:00
定休日:なし