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お酒
2019/11/5 19:05

「わかりづらい」から日本酒の名前を「時刻」にしたよ! 「とにかく振り切った」全6種をきき酒師が飲みに行く

味の個性が強調され、狙い通りのわかりやすさがある

料理は、2人の一流シェフが考案。2人のシェフとは、四谷三丁目「東京割烹 てるなり」の村田明彦さんと、麻布十番「ラパルタメント ディ ナオキ」の横江直紀さんです。今回、期間限定で両店が「HINEMOS」とのペアリングフェアを開催する関係で、その一部を披露してくれました。

↑和帽子をかぶっているのが村田明彦シェフ(写真左奥)、黒いコックコートを着ているのが横江直紀シェフ(写真右手前)。両名とも超人気店を手掛けるスゴ腕です

 

「SHICHIJI」は柑橘を思わせる爽やかさ、「HACHIJI」はまろやかさが印象的

会では多彩な料理との相性を重視するため時間軸に沿った順番ではなかったのですが、本稿では現行製品の早い時間から順にご紹介。まずは午後7時に向けた「SHICHIJI」から。こちらは「ラパルタメント ディ ナオキ」の「白レバーのコンフィ ーモストコットの香り 一口タルト仕立て」とともに味わいました。以降、ペアリングに関してGetNavi webの編集者で利き酒師でもある小林史於がコメントします。ご参考までに。

↑GetNavi webの小林史於。興奮すると意味不明なことを口走ることも。なお、今回の一番のお気に入りは「JUJI」だそうです

 

↑「SHICHIJI」は精米歩合70%でアルコール分が5度の純米スパークリング。ボトルは2400円/500ml(以下すべて500ml・価格は税抜)です

 

「心地よいスパークリングの刺激と、グレープフルーツなど柑橘を思わせる爽やかさが印象的。レバーのねっとり感やエグみを洗い流して、最後にコクとタルトの香ばしさを残す…この、おいしいところだけを引き出す絶妙なあんばいがいいですね」(小林)

 

次は午後8時に提案する「HACHIJI」と、「東京割烹 てるなり」の「〆鯖 キムチカクテキあられ 大葉酢のソース」。「HACHIJI」の味にマッコリのイメージを重ねたシェフが、韓国料理をイメージしてキムチを用いたそうです。

↑「HACHIJI」は精米歩合70%でアルコール分が7度の白濁酒。ボトルは2800円です

 

「甘酒を思わせるふくよかなうまみ、そして微妙な苦味がいいですね。ヨーグルトのようなニュアンスもあって、キムチや〆鯖の酸味と引き合うんだなぁ。口の中で溶け合って、これはもう、『まろやか三銃士』だ!」(小林)

 

洗練の純米大吟醸「KUJI」と濃厚な甘口「JUJI」を味わう

午後9時に寄り添う「KUJI」は、「ラパルタメント ディ ナオキ」の「栗とゴルゴンゾーラチーズの焼きリゾット」とともに。こちらは同酒を温めた「追いHINEMOS」でお茶漬け風に味わう提案が斬新です。

↑「KUJI」を焼きリゾットにかけるという斬新な食べ方を提案。「KUJI」は精米歩合40%でアルコール分が15度の純米大吟醸。ボトルは6800円と、プレミアムな一本です

 

「華やかな香りではありますが、よりソフィスティケイテッド(洗練)されていて、食事にもよく合う繊細な味わい。あえて純米大吟醸らしさを抑えた純米大吟醸ですね。コク深く、エキゾチックな味わいの焼きリゾットとよく合います」(小林)

 

午後10時をイメージした「JUJI」に合わせたのは、「東京割烹 てるなり」による「フォアグラ大根 コンソメ飴と蕎麦の実」。同酒が甘味豊かな貴腐ワインを連想させる印象だったということで、濃厚なフォアグラと香ばしく焼き目を付けた大根をベースに料理を構成したそうです。

↑「JUJI」は精米歩合70%でアルコール分が15度の“デザートライスワイン”。ボトルは3200円

 

「ああ、なんと清々しい香味……JUJIを飲んだとたん、頭の中に森のイメージが飛び込んできました。まるで、朝露に濡れた朝の森林のような……。味わいは、はっきりと突き抜けた甘さが印象的です。なめらかで濃厚ではありますが、それでいて余韻は爽やかかつ軽やか。こちらもフォアグラ大根とそばの実の香ばしさとコク、苦味をしっかりを受け止めています。これは至福…」(小林)

 

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