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2020/3/21 17:30

首位の「金麦」が攻めすぎだーー2020年は「四季で味が違う」そのワケは?美味しさは?

ビール類のなかで昨今注目されているカテゴリーが新ジャンル(第3のビール)。背景には、価格の安さや昔に比べておいしさが向上したことなどが挙げられますが、2019年の販売数量で首位となったブランドがサントリーの「金麦」です。

 

昨年2月に「金麦〈ゴールド・ラガー〉」を新発売し、定番の青い「金麦」とヘルシーな「金麦〈糖質75%オフ〉」も中味を進化させ、3本柱でニーズをつかんだ同ブランド。しかも今年はさらに攻めた打ち出し方を提案するとのことで、発表会に行ってきました。

 

↑今春の広告のひとつ。醸造家が登場しているところもこだわりのポイントでしょう

 

 

ワンランク上のプレミアムビールの知見が生かされている

今年の「金麦」最大の特徴は、季節に合った味わいを届けること。この手法、個人的に「なるほど!」と思ったところが2つあります。ひとつは、同アプローチはサントリーのお茶「伊右衛門」で採用されているから。

 

↑以前取材した、伊右衛門の味作りを担う「京都福寿園」にて。そのこだわりはハンパなく、旬の茶葉を使って季節に合わせたチューニングをしています

 

もうひとつは、「金麦」が食事とのペアリングを重視した新ジャンルであるからです。冬に「チキンラーメン」とコラボした「チ金麦鍋」(ちきんむぎなべ)を提案しているプロモーションをお店などで見た人も多いでしょう。

 

日本には四季があり、季節によって食べる料理も変わります。であれば、合わせるビールも季節にあった味わいであるべき、という考え方ですね。ペアリングを重視するブランドであれば、ある意味当然のことかもしれません。発表会では春夏秋冬4つの「金麦」試飲体験もできるということで、飲ませてもらいました。まずは春から。

 

↑春に合わせた味とパッケージの「金麦」。1月中旬製造ぶんから切り替わっています

 

麦の豊かなうまみと上品な苦味、清涼感のあるのどごしが印象的。しっかりとしたボディがありながら、主張しすぎず飲み飽きないバランスです。この適度なメリハリが、食事に寄り添う「金麦」らしさなのかな、と思いました。

 

2020年版の全体の進化を聞くと、大きな特徴は国産麦芽にあるとのこと。「金麦」においては初の試みで、主に栃木と群馬県産の大麦品種を用い、栃木の工場で製麦(発芽)したものを、これまで使用してきた独自の「旨味麦芽」にブレンドし、より研ぎ澄まされた麦のうまさを実現させているそうです。

 

↑商品開発研究部 金麦醸造家の齋藤和輝さん。広告にも登場している醸造家が、会場でいろいろ教えてくれました

 

しかもこの国産麦芽を使った製法には、「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」の知見が生かされているそうです。より具体的な部分にも迫りました。

 

「企業秘密でもあり、詳しくはお話しできないのですが、ベースには『金麦』の麦のうまみをさらに引き上げたいという思いがありました。そこで用いたのがマスターズドリームの知見です。製法上『こうしたらこうなる』という開発過程で得た製法があり、その一部を、製麦条件を生かしながら金麦で採用しています」(齋藤さん)

 

 

 

季節に合わせて「変える」ではなく「ととのえる」

四季に合わせた味作りのことについても聞いてみました。すると、「味を変える」という考え方とは少し違うとの答えが。いったいどういうことでしょう?

 

「春夏秋冬で明確に味の違いを出す、というよりは、お客様の味覚の感じ方についていくという考え方です。たとえば、秋になると夏に比べて味が濃い料理を食べたくなりますよね。積極的に変えるというより、微妙に調整をする『ととのえる』という合わせ方です。明確には気づかれないくらいのわずかな変化かもしれませんが、春は軽やかに、夏は爽やかに、といった余韻を感じていただけるように仕上げました」(齋藤さん)

 

↑「ととのえる」のイメージ

 

ということで、改めて春以外の「金麦」も飲み比べてみました。確かに、この違いは意識して飲んでみてかすかに感じるレベル。それぞれが打ち出している特徴を、発売予定時期とともにまとめてみました。

 

↑爽やかさが特徴の、夏の「金麦」。5月初旬から店頭に並ぶ予定とのこと

 

↑まろやかさが特徴の、秋の「金麦」。8月ごろの店頭発売を予定

 

↑豊かな味わいが特徴の、冬の「金麦」。11月ごろの店頭発売が予定されています

 

なお、発表会では定番の「金麦」で飲み比べましたが、四季の提案は「金麦〈ゴールド・ラガー〉」と「金麦〈糖質75%オフ〉」でも同様に実施されます。

 

↑より力強い麦のうまみを感じたい人も、ヘルシー志向な人も、ぜひ春の味をお試しあれ

 

また、切り替え時期に欠品するようなことがないよう、季節を冠していない「金麦」もあるとのこと。そのタイミングでお店の棚をチェックしていけば、読者のみなさんも飲み比べができるはず。まずは春の金麦で、軽やかなおいしさを体験してみてください。

 

 

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