グルメ
お酒
2020/5/31 19:30

「これからのオンライン飲みの話をしよう」とビールメーカーに振ったら使えるネタの宝庫だった

新たな飲みニケーションの形として定着したオンライン(リモート)飲み会。ただ「もう飽きてきた」「ネタ切れで困ってる」という声もちらほら聞きます。

 

では、一歩進んだ楽しみ方やコツってないのでしょうか? そんな話をキリンの広報さんと電話の際に冗談まじりでしていたら、「ちょっと社内で聞いてみますよ!」という前のめりな答えが。そして後日、「強力なメンバーを集めたので、ご一緒しませんか?」とのお誘い。これはやるしかないでしょう。ということで、筆者はGetNavi webチームとして参加。山田編集長なども巻き込んでオンライン飲み会をやることに。レポートしていきます。

 

酒×つまみのプレゼンが想像以上に白熱

メンバーは計6名。GetNavi webチームは筆者、山田佑樹編集長、GetNaviのお酒担当・鈴木翔子。そしてキリンからはブルワリーツアー事業部の草野裕美さん、コーポレートコミュニケーション部の松尾太郎さん、広報の菅原光湖さんが参加。

 

↑まずは乾杯と自己紹介。今回、助っ人として参加してくれたのが、ビールの工場見学で有料セミナーの講師をしている草野さんと、キリンのオウンドメディアやSNSなどを担当している松尾さん

 

普通は各々が飲みたいお酒を自由に準備しますが、一体感を高めるコツのひとつが共通のお酒を用意すること。今回は全員がビール好きであり、草野さんがサポートしてくるということでビール類をテーマにしましたが、缶チューハイやワインでもOK。

 

そのうえで草野さんが事前に出してくれたお題は2案。1つめは、コンビニで買えるスタンダードなビールや新ジャンルと、それに合わせたおつまみのプレゼン。ポイントを草野さんに聞いてみました。

 

「なるべく外出は控えたい状況でビールや食べ物を揃えるとなると、コンビニが手軽です。共通のビールであれば味をイメージしやすいですし、推しのおつまみ紹介って、やってみると想像以上に盛り上がるんです!」(草野さん)

 

トップバッターは山田編集長。飛び出したのはなんと、家庭的な居酒屋メニューとの組み合わせ。

 

↑注目は、なめたけおろし。山田編集長はこれに本麒麟を合わせました

 

「コンビニの出来合いじゃなく、お通し的な感じでなめたけおろしをサッと作ってみました。さっぱりしたこの味には、うまみのしっかりした本麒麟が合うかなーと」(山田)

 

「素晴らしい! 大根おろしは、消化を助けたり、むくみを防止するカリウムが含まれるので、ビールのおつまみとしてはスゴくいいですよ。オンライン飲み会でも、ひと工夫をするとグレードがグッと上がりますよね。調理が簡単ですし、これはマネしたい家飲みおつまみです」(草野さん)

 

次は松尾さん。もともとの好物にアレンジを加え、その料理に合うビールという観点で選んだ組み合わせを披露してくれました。

 

↑松尾さんの好物は、お皿に盛られたパストラミビーフ。これに一番搾りを合わせました

 

「パストラミにレモンを搾って酸味をプラス。あと、もともと胡椒で味付けはされていますが、さらに追い胡椒をするのが好きなんです。ピリっとした肉の味わいに、うまみが上質で爽快な一番搾りがよく合うんですよ」(松尾さん)

 

「ひと手間アレンジも、ビールのチョイスもさすがですね。一番搾りは柑橘系のホップを使用していますので、レモンのエキスはとてもいいアクセントだと思いました」(草野さん)

 

菅原さんは、コンビニでそろえられるおつまみを3品用意。洒落た器に盛り付けてあり、これだけ見れば、居酒屋で提供される前菜と遜色ない出来栄えです。

 

↑暗めの照明も相まって、なんだか大人な雰囲気

 

「スターターとして新ショウガ、残りふたつはポテサラ×らっきょう、サラダチキン(タンドリーチキン)×ごぼうサラダです。今日用意したどのビールにも合うよう、刺激や酸味のある食材、食感を意識してみました」(菅原さん)

 

「スターターとして選ばれているショウガには、体の温度を維持する成分が含まれているので、冷たい飲み物のビールとのおつまみとしては素敵なチョイス。女性には特に嬉しいですよね。味わいの点でも、適度なショウガの刺激や甘酢の爽やかな酸味が、ビールの苦み、コク、うまみとマッチします。私もマネしてこれからは新ショウガ食べよと思いました!」(草野さん)

 

そして筆者は「のどごし<超爽快>」に、コンビニ総菜のヨダレ鶏をマッチング。こののどごしは新作で、ギャラクシーホップの柑橘ライクな苦味が特徴。そこに花椒(ホワジャオ)のタレが効いたヨダレ鶏との組み合わせです。ただし、このタレのシビれはもうちょっと強い方が自分好みでした。

 

↑「のどごし<超爽快>」は、ミニストップやイオン系スーパーで限定販売されています

 

「やりますね! ヨダレ鶏の辛さは刺激のおいしさです。のどごし超爽快も、のどごしの爽やかさと刺激にこだわったビールですので、刺激×刺激でよいペアリングだと思います。予測していた味わいと料理が違った場合は、家にあるラー油などをプラスしてみてもいいですね。また、同じく鶏を使った料理でバンバンジーでしたらゴマのコク深さがあるので、同じくコク深い一番搾りも合うと思います」(草野さん)

 

今回はふだんセミナー講師として活動する草野さんが、なぜ合うのかを詳しく教えてくれるのでさらに面白いのですが、解説がなくてもお酒好きであればプレゼンは盛り上がると思いました。

 

そして会は後半へ。2つめのお題は、クラフトビールとのペアリング。ちょっと贅沢なおつまみ、またはお取り寄せフードとの組み合わせをプレゼンしました。

 

オンライン飲みにはお取り寄せがあるとなおよし

草野さんに、2つめのお題のポイントを聞いてみると、そこにはオンラインだからこその面白さがあると言います。

 

「ビールもおつまみも、各人のこだわりがいっそう見え隠れしますよね。それに、近所では売ってなかったりしますから余計気になると。オンラインであればお取り寄せ先のリンクを簡単に共有できるので、飲み会後のコミュニケーションにも一役買ってくれます」(草野さん)

 

↑1本目はSVBの「496」(ヨンキューロク)。写真は左が松尾さん、右が草野さんによるもの。草野さんはペアリングのお手本例も送ってくれました

 

「496」は、麦の豊かなうまみ、爽快なキレ、濃密なホップの苦み、この3つをハイレベルな領域でバランスよく調和させたクラフトビール。これまでは通販や専門店でしか買えませんでしたが、いまだけは全国の一部量販店でも限定発売されています。

 

「『496』は華やかな香りに濃厚な味わい、しっかりした苦味が特徴です。料理も、スパイスを効かせたものや、脂身の多い肉などしっかりした味わいのものと合わせると絶妙なペアリングが楽しめます。私はアウトドアのパタゴニアのオーガニック食品コレクション『パタゴニア プロビジョンズ』のチリビーンを合わせました。こちらは肉を使っていないのですがコクとパンチのある味で、おつまみにもピッタリなんです」(草野さん)

 

するとここで、GetNaviの鈴木がプレゼン開始。

 

↑鈴木は、成城石井のタコスキットで作ったタコスを「496」の相棒に

 

「ブルックリンブルワリーの新店『B』の名物フード、タコスだったじゃないですか。それもあり、もともとタコス好きだったんですがクラフトビールにタコスっていいなと思って。ブルックリンブルワリーの『ベルエアサワー』とも合わせてみたんですが、こっちはアボカドをトッピングするとさらにおいしいです」(鈴木)

 

「ブルックリンベルエアサワー」は海外で人気急上昇中の、サワーエールというビアスタイルの代表格。今春から、全国の飲食店とキリンのオンラインショップ「DRINX」で限定発売が開始されました。

 

↑筆者は、店主がラムバサダーでありTVなどでよく紹介される人気中華店「味坊」のラム肉餃子と「ブルックリンベルエアサワー」を合わせました。準備にあせって少々焦がしました(調理が必要な料理は飲み会に間に合うよう余裕をもって準備しましょう)が……

 

「なるほど! タコスも『496』にはベストチョイスだと思います。ベルエアサワーは酸味の効いた味わいなので、アボカドトッピングのクリーミーで濃厚なタコスとの相性はいいですね。ベルエアにライムやレモンを搾って、よりメキシカンな気分を楽しんでもいいかもしれません」(草野さん)

 

↑草野さんはベルエアサワーとスイーツのペアリングを提案。たとえばベリー系やチーズケーキがよく合うそうです

 

懇親会や会食にもオンライン飲みは使える

ひと通りプレゼンが終わった後は、各自が最近携わっているプロジェクトやマイブームなどの話に。筆者が個人的に興味深かったのが、松尾さんのチームで手掛けているオウンドメディアのこと。そのひとつ、キリンビールの公式noteアカウントについて聞いてみました。

 

「noteは4月で開設から1年を迎えました。“これからの乾杯”を一緒に考える場として、乾杯の時間を彩るヒントをお届けしたり、みなさんから集まった『乾杯の時間』をこの場で紹介したり、さまざまなコンテンツを配信しています。

 

最近のトピックは、食文化支援の取り組みをつなげる『#これからの乾杯を支える』です。乾杯が大好きな方々が集まる私たちのnoteを使って、飲食店やお酒の造り手、農家や漁師の方々と飲み手のみなさんをつなぐお手伝いができたらと思いました。ぜひご覧になっていただき、みなさんとこれからの乾杯が楽しみになるような場所を一緒につくっていけるとうれしいです」(松尾さん)

 

↑「#これからの乾杯を支える」はこのようなページ。要チェックです!

 

冒頭で、オンライン飲みは新たな飲みニケーションの形と言いましたが、仲間内だけでなく、仕事関係での懇親会やカジュアルな会食の場にも使えると思いました。全員が一人の話に集中できるのは、オンライン飲み会の利点。より共通の話題で盛り上がれるのではないかと思います。

 

また、幹事の立場の人がファシリテーターとなれば会の流れを潤滑に回せるはず。趣味や嗜好が伝わりやすいので、関係性がより深められるというメリットもあります。何より、対面でのあいさつや打ち合わせをするきっかけ作りになるでしょう。

 

新しい生活様式が公表されましたが、コミュニケーションの形はいっそう多様化していくでしょう。ぜひ次回のオンライン飲みで、プレゼンやペアリングを取り入れてみてください。