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2020/7/22 20:20

飲食店への恩返しです! 「獺祭」が街飲みを応援する「特別な日本酒」をリリース

昨今の日本酒トレンドを語るうえで外せない銘柄のひとつが、山口県・旭酒造の「獺祭」(だっさい)です。特に海外展開に関してはパイオニアといえるブランドで、世界のSAKEブームをけん引する一本といっても過言ではありません。

 

そんな「獺祭」が、国内向けに画期的な取り組みを発表しました。それは特別に醸した夏酒を、飲食店限定で提供するというもの。ブランドの概要から企画の詳細、味のレポートなどをお伝えしたいと思います。

↑全国の飲食店限定で提供される「獺祭 純米大吟醸 夏仕込みしぼりたて」。価格はお店ごとに変わります。発表会の会場となった銀座の「夢酒みずき」ではグラス一杯770円で提供されています

 

山田錦を使った純米大吟醸「獺祭」のみを醸す

まずは改めて「獺祭」とはどんな日本酒なのか、という解説から。蔵元の旭酒造で最も特徴的なのは、醸す銘柄は「獺祭」のみで、すべての日本酒が「純米大吟醸酒」ということ。一般的に旭酒造ほど規模の大きい蔵元は、様々な銘柄をもち、醸造アルコールを添加するタイプや、精米歩合(米を磨く割合)の低いタイプなど多彩なバリエーションで商品を展開します。しかし、「獺祭」はあえて純米酒(米、米麹、水だけで造った酒)かつ大吟醸(精米歩合50%以下の米を使い、低温でじっくりと時間をかけて発酵させる酒)に狙いを絞って造っているということです。

↑蔵を代表する一本が「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」(5390円/720ml)。精米歩合23%(米の77%を削った状態)で、華やかな上立ち香と口に含んだときのはちみつのような甘み、きれいなキレと長い余韻が特徴です

 

使用する酒米が「山田錦」のみということもポイントです。この「山田錦」は粒と心白(米の芯となる白い部分)が大きくて精米しやすく、吸水率が高くてこうじ菌が活性化しやすいうえ、雑味の元となるタンパク質が少ない、といった日本酒造りに適した要素をたくさん持っていることから“酒米の王様”と呼ばれています。この山田錦を使うことは、シンプルに良質な酒を造るという「獺祭」のブランドコンセプトにも通じるものです。

↑コロナ禍で酒米の生産者である農家さんの出荷にも影響をおよぼしており、その応援のために「獺祭の酒米 山田錦」375円/450gも発売中。こちらは一般発売されていて、筆者は「いまでや銀座」で購入

 

街が活気を取り戻すために特別な酒で応援したい

そんな「獺祭」が、「飲食店を盛り上げたい」という想いで特別に醸したのが新作の限定酒「獺祭 純米大吟醸 夏仕込みしぼりたて」です。発表会では、旭酒造の桜井一宏社長がアツい心の内を語りました。

↑旭酒造の桜井一宏社長

 

「現在、街を歩いてみると活気があまりない状況だと思います。これは、皆様一人ひとりが距離を取るなどして頑張っていらっしゃるからだということはわかります。ただ、ちょっと寂しいなと。そんな街のにぎわいを応援したいと思ったのが開発のきっかけです。また、私どもとしてはやっぱり飲食店さんに恩返しをしたい。活気といってもどんちゃん騒ぐのではなく、皆様が感染しないように努力をしたうえで一歩を踏み出し、お店で元気や笑顔を共有していただけたら。そんなお手伝いをしたいと思っています」(桜井社長)

 

お酒の味わいのコンセプトは、夏らしい爽快な味わいを、搾りたてて届けるというもの。しかも作り置きはしない完全受注生産で、とにかく鮮度にこだわったチャレンジングな生酒です。

↑受注と出荷のスケジュール例。毎週木曜日にその週の受注を締め切り、翌週の火曜日に酒販店へ出荷。東京であれば翌日水曜日の午後には届く流れとのことです。最終出荷は9月22日を予定

 

味わいはフレッシュで甘やか。ジューシーでボディも十分

一般的に、日本酒は火入れを行うことで酵母のはたらき(発酵)を止め、長期間安定保存できるようにしています。しかし、「獺祭 純米大吟醸 夏仕込みしぼりたて」は、火入れ(加熱)をせずに造った生酒。フレッシュながら味の劣化が早いという特性があります。

 

「もぎたての果物やとれたての野菜のように、一番新鮮な日本酒をお届けしたいと思いました。ふだんは蔵人しか飲めない、フレッシュなおいしさです。希少な味わいを体験することで元気に、笑顔になっていただき、そして人生のゆとりを感じていただきたいですね」(桜井社長)

↑フルーティな香味が魅力的な「獺祭」は、ワイングラスで飲むのがオススメ

 

さて、実際にそのお味はどのようなものなのか? さっそく頂いてみると、精米歩合45%の純米大吟醸だけあって、果実味あふれる華やかな香りが印象的。味わいはジューシーで甘やか。フレッシュかつ米のうまみもしっかりあって、生酒ならではのエネルギッシュな生命力を感じます。

↑発表会ではペアリングも体験

 

試食した料理は、どれも夏らしい和食。はもの白焼きと、山口・下関産のとらふぐを使った冷やし雑炊です。どちらも、魚介のうまみが前面に出た力強い味で、生酒のみずみずしくエネルギッシュな味わいと調和していました。

 

桜井社長にほかのペアリング例を聞くと、アスパラガスをはじめとした夏野菜のほか、しょうゆが効いた料理や照り焼き、煮込みなどにも合うそうです。なお、今回お酒を提供する店は和食だけでなくイタリアンやビストロなどもあり、そのようなお店では「白ワインのような楽しみ方で味わってください」とのことでした。

 

筆者が発表会に参加して強く感じたのは、「やっぱりプロが作ったできたての料理は超ウマい!」ということ。そして、「おいしい料理と酒は互いに引き立て合う」ということです。みなさんもぜひ、その魅力を体感するために、公式サイトの「飲める店一覧」を参考にして、お店を訪れてみてください!

公式サイトには、「飲める店一覧」も掲載されています。対象は全国なのでぜひチェックを

 

なお、本企画を後押しする取り組みとして、9月30日までの期間にSNSで「獺祭」が毎週当たるキャンペーンも展開中。「獺祭 純米大吟醸 夏仕込みしぼりたて」をお店で飲み、写真に「#街飲み獺祭」を付けてSNSに投稿すると「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」の四合瓶が毎週23名に当たるというものです。こちらもぜひチェックしてみてください!

 

【今回訪れたお店】

夢酒みずき

住所:東京都中央区銀座6-7-6 ラペビルB1

アクセス:東京メトロ「銀座駅」B5出口徒歩3分

営業時間:(当面の間、営業時間を変更)月~金17:00~22:00(フードL.O.21:00/ドリンクL.O.21:30)、土16:00~22:00(フードL.O.21:00/ドリンクL.O.21:30)
定休日:日祝

 

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