グルメ
2020/10/2 21:00

今年で創業330年! お茶と海苔の「山本山」についてあなたはどれぐらい知ってますか?

板海苔以外の、ペースト、シロップなどへの挑戦

ーー現在もお茶・海苔を使った様々な商品がありますが、どのようにして商品化が決まるのでしょうか。

 

小杉 商品化する際には、必ず試作品を作り、弊社の社長(10代目)が試飲・試食をしてOKが出ないと実現には至らないです。特に「味」については、「絶対に美味しいもの」という自信がないと商品化には至りません。

 

一方で、すでに商品化しているお茶・海苔については、新しい試みにも取り組んでいます。海苔であれば、「板海苔」としてだけじゃなく、「海苔ペースト」にしたり、かき氷にかける「海苔シロップ」に転じたりして、「山本山 ふじヱ茶房」のメニューに取り入れたりしています。

↑「山本山 ふじヱ茶房」で提供されている海苔を使ったかき氷。夏季限定ですが、海苔シロップをかけた写真の「抹茶」は甘く奥深い味わい。定価1500円(単品、税込)(写真提供:山本山)

 

↑同じく「山本山 ふじヱ茶房」で提供されている自家製の海苔ペーストを使った海苔めん「あさくさ」。シンプルでありながら香ばしく奥深い味わいを楽しめます。定価1600円(単品、税込)(写真提供:山本山)

 

↑こちらも「山本山 ふじヱ茶房」の名物メニュー。有明海産の贅沢な板海苔をご飯の間に敷いて、ご飯の上にばら干し海苔を乗せたお重「にほんばし」。定価2000円(単品、税込)(写真提供:山本山)

 

↑こちらも「山本山 ふじヱ茶房」で提供されている新しい食の提案。旬の食材を「にぎり」に乗せ、海苔と一緒に味わうという海苔にぎり巻き「にほんばし」。定価2400円(単品、税込)(写真提供:山本山)

 

「山本山 ふじヱ茶房」で「宇治玉露」をいただきました!

↑①「山本山 ふじヱ茶房」のなかでも特に気になるお茶「宇治玉露」。定価2300円(税込)と、なかなかの良いお値段ですが、その中身とは……

 

↑②注文すると、日本茶インストラクターの資格を持つスタッフが丁寧に煎れてくれます。まず、天秤を使って茶葉の量をはかり、沸騰したお湯を、4回ほど丁寧に湯冷まします

 

↑③40度まで落としたところで、茶葉の入った急須へ注ぎ約3分蒸らし、一煎目が完成

 

↑④1杯わずか20ccですが、アミノ酸やカフェインが凝縮されており、かなり濃厚な味わい。まるでお出汁をいただいているような香ばしさが口の中に広がります

 

↑①~④までの行程を繰り返し、三煎目まで楽しむことができます。さらに残った茶葉は、ぽん酢をかけていただくこともできます。苦味やえぐみもなく、おひたしのようでもあり、これもまた新食感でした

 

ーー「山本山 ふじヱ茶房」でのメニューの展開もまた、「本物を使って、新しい物を提供し続ける」ということの一環ですね。

 

小杉 例えばデジタルデバイスやファッションですと、シーズンごとに新商品が出てきて新しい体験を提案することが多いと思います。お茶・海苔は天然の素材ですから、そんなに頻繁に新しい展開はできません。でも、だからこそ諦めずに考え続け、より良く新しい体験をご提案していければ良いなと思っています。こういった試みは、330年以降の未来にも続けていきます。

↑親身にお話をしてくださった小杉さん(ありがとうございました!)

 

日本人に美味しいお茶を広め、さらに、海苔の楽しみ方を提案した山本山。話をお聞きし330年の歴史の重さを感じると同時に、常に実践されているという「より多くの人に美味しいものを提供する」「新しいものを提供し続ける」という試みにも感動と興味を持ちました。これから先の山本山の展開にも、要注目です!

 

■山本山 ふじヱ茶房

東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング1階

TEL:03-3271-3273

※10月〜当面の間の営業時間:午前11時~午後7時(午後6時ラストオーダー)

 

撮影/我妻慶一

 

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