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お酒
2020/10/13 17:30

自宅をバーにできるカクテル発見! 女性トップバーテンダーが手掛けるカクテルベース「Mother’s Blossom」

昨今のコロナ禍で厳しいといわれる飲食業界ですが、特にBARは深刻な業態です。そのなかで、“プロのカクテルを自宅でも楽しめる”としてバーファン、洋酒ファンから好評を得ているのが「Bottled Cocktail」(ボトル カクテル)という新提案のお酒。

 

本稿はそのストーリーや特徴に触れながら、味わいや飲み方などもレポートしていきます。

 

↑商品名は「Mother’s Blossom」(マザーズブロッサム)。500mlでアルコールは17度。インターネットや一部酒販店で販売されています。価格は税抜4500円

 

北海道名産のハスカップが決め手のフローラルなカクテル

9月16日に新発売となった「Mother’s Blossom」は「Bottled Cocktail」の第二弾。一弾は、日本を代表するミクソロジストバーテンダーの南雲主宇三(なぐも しゅうぞう)さんが監修した「ブリティッシュネグローニ」で、業界では大きなニュースとなりました。

↑「ブリティッシュネグローニ」は今年6月5日に税抜4800円で発売されました

 

カクテルの魅力のひとつが個性。同じカクテルを作ってもバーテンダーによって味が変わるのが面白いところで、パッケージングされた同カクテルにも作り手のバックグラウンドや想いが凝縮されています。

 

そして今回紹介する「Mother’s Blossom」を手掛けたのは、個性的な経歴をもつ女性バーテンダーの小栗絵里加さん。小栗さんは毎年5月に行われる(2020年は中止)インターナショナルバーショー内の、女性バーテンダーによるカクテルコンペティション「なでしこカップ」の2017年開催時に優勝した実力派ですが、もともとは音大出身で20代前半まで芸能活動をしていた多才なバーテンダーです。

 

↑小栗絵里加さん。オンライン形式で行われた発表会では「Mother’s Blossom」を実演して作ってくれました

 

芸能活動のかたわらで始めたBARの仕事に魅了され、本格的にバーテンダーの道を歩んだ小栗さん。現在は赤坂見附の「Bar Algernon Sinfonia」(アルジャーノンシンフォニア)で、オーナーバーテンダーを務めています。

 

「Mother’s Blossom」は小栗さんの故郷である北海道名産のハスカップ果汁を使ったカクテルで、ネーミングからも連想できる通り、自身の母親へのプレゼントをイメージして作られています。材料は、美肌と長寿の秘薬と言われているハスカップ果汁のほか、“思いやり”の花言葉を持つエルダーフラワーリキュール、そして母の日のプレゼントには欠かせないカーネーションのルーツであるオランダ産のBobby’s gin(ボビーズジン)を使った華やかな香りと甘やかな酸味が特徴です。

 

↑ラベルの側面には小栗さんの想いがつづられています

 

また、ボトルのラベルデザインも小栗さんによるもの。一口飲んだら頭にパッと花が咲くような華やかなカクテルの味わいを連想してもらえるよう、女性のヘアスタイルをカーネーションの花びらで表現しているのだとか。

 

クラシックで例えるならベートーヴェンの「交響曲第7番」

ということで、ここからは試飲。まずは冷やしたものをストレートで飲んでみました。甘酸っぱさのなかに麗しいハーバルでスパイシーな香り、また余韻にはクリーミーなニュアンスもあって、確かにすごくフローラル。これだけでもBAR気分を体験できるハイクオリティな仕上がりです。

 

↑フルートグラスで飲みましたが、厚みと広がりのあるゴージャスな味わいに感動

 

家での簡単アレンジにオススメなのがソーダ割りやオンザロックということで、こちらも試してみることに。うん、冷やしてストレートもいいですが、オンザロックのほうが氷がとけて加水されるぶん、次第に香りが広がって華やかさがアップする気がします。

 

↑ロックグラスや、脚のないワイングラスで飲むといっそう雰囲気も出ます。さらにオレンジスライスを浮かべると、より本格的に

 

ソーダ割りは、ソーダ1:原液1でも3:1でもオススメとか。味わってみると、飲み口がライトになるとともに爽快感がグッと上がってカジュアルなテイストに。複雑味のあるフレーバーは、缶や瓶のRTDカクテルより本格感があって、気分もリッチになります。

 

↑ソーダ割り。アルコール度数が下がって飲みやすくなりますが、鮮烈な香りはそれでも豊かで実に美味

 

また、小栗さんがオススメするのがアイスクリームにかけるアレンジです。バニラのほか、ストロベリーアイスも相性がよいとのことで、筆者はバニラアイスでトライ。なるほど、甘酸っぱさとハーバルなフレーバーが相まって、少量でも大人なデザートに。これはぜひ試すべきだと思いました。

 

↑バニラアイスのミルキーなクリーム感と、カクテルの甘酸っぱさが見事に調和します

 

ペアリングのオススメは、クリーミーな味わいのフィンガーフードなど、とのこと。例えば濃厚なクリームチーズにはカクテルの甘酸っぱさがマッチして、バターをたっぷり使ったフィナンシェのような焼き菓子も相性抜群とのこと。試してみると、確かにドンピシャです。

 

↑チーズケーキも非常に合いました。小栗さん曰く、イチゴのマカロンなど、スイーツならベリー系もよく合うとのことでした

 

発表会後、音大出身の小栗さんに、クラシックの曲で例えると何が近いか聞いてみました。

 

「ベートーヴェンの『交響曲第7番』あたりでしょうか。実は母はチェロをやっていたのもあり、ともに大好きだった『のだめカンタービレ』のメインテーマでもあります。第一楽章で重要なベースができ上がり、第二楽章は静かで重みがありながらもやわらかなテーマであることから、サンジェルマンのエルダーフラワーを彷彿(ほうふつ)とさせます。

 

第三楽章で突如、にぎやかでエレガントな曲に変わり、第四楽章へつなげるための重要なターン、つまり重要なエキス!ということでハスカップです。第四楽章はなだれ込むように進むため、一気に残りの材料が入ってシェークするまでの流れ。そう思うと、カクテル自体が交響曲の流れに似ているのかもしれません!(笑)」(小栗さん)

 

↑お母さんとも音楽つながりだったとは。「Mother’s Blossom」は“アンサーソング”ならぬ、アンサーカクテルといえるでしょう

 

ここまでは筆者のお酒ライター視点でのレポートをお届けしましたが、本商品をGetNavi web編集部員が実際に自宅で来客に振る舞ったとのこと。そのインプレッションを最後にお届けしましょう。

 

「自宅でミニホームパーティをした際に、Mother’s Blossomを出してみましたが、作る前から注目度が高い。まず、ボトルデザインが非常に柔らかい印象なので『これは何ですか?お酒なんですか!!』という意外なリアクションを引き出せます。ホームパーティではこういった来客の目を惹くものがあると盛り上がりますが、まさにうってつけ。

 

カクテルを作ってみると、お酒の苦手な女性でも飲みやすくて“やさしい味がする”とのコメントが。薬草のような強い香りや味ではなく、すっきりとしたハーバル感があります。男性陣からも飲み疲れしてくるパーティ後半に出てくると、ほっとするような感覚を得られますと好評でした。

 

個人的には、在宅勤務での仕事終わりに飲みたい一杯。ビールやレモンサワーがガツンというのもいいのですが、オン・オフの切り替えがしにくい時代に、緩やかにオフモードに入っていけるお酒だと感じています」(GetNavi web編集部・山田)

 

【SHOP DATA】

Bar Algernon Sinfonia

住所:東京都港区赤坂3-10-6 雪華堂ビル 3F

営業時間:月~木・土17:30~24:00、金17:30~翌2:00
定休日:日祝

 

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