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2020/12/22 17:30

“店主ブッキング型”のラーメン店!? 行列ラーメンを月替わりで味わえると話題の「ラーメンWalkerキッチン」に潜入

11月6日にオープンし、業界で大きな話題となっているのが「ラーメンWalkerキッチン」です。前代未聞の唯一無二であり、何度も訪れたくなる魅力にあふれた同店。様々なメディアで報じられているなか、本サイトでは独自の切り口を絡めながら紹介したいと思います。

↑本誌「GetNavi」の連載「サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲」でも掲載(黒い服が田中さん)。本稿では店主のコメントもいただきました!

 

日本最高峰のラーメンを月替わりで味わえる

「ラーメンWalkerキッチン」は、様々なメディアを手掛けるKADOKAWA社が日本最大級のポップカルチャー発信拠点として開業した「ところざわサクラタウン」内に同時オープン。「ラーメンWalker」自体がKADOKAWAグループとしての一大コンテンツであり、だからこそ実現できた魅力が詰まっています。

↑11月6日のグランドオープン直前。予想通り、長蛇の列ができていました

 

大きな特徴は、“店主ブッキング型”のラーメン店であること。ライブハウスがバンドにオファーをするように、行列店のカリスマ職人をスーパーバイザーとしてブッキング。ほかではありえない、日本最高峰のラーメンが集結するステージとなっています。

↑スーパーバイザーは12人。「九段 斑鳩」坂井保臣店主、「五福星」早坂雅晶店主、「我武者羅」蓮沼司店主、「金色不如帰」山本敦之店主、「Japanese Soba Noodles 蔦」大西祐貴店主、「すごい煮干ラーメン凪」生田悟志大将、「ソラノイロ」宮崎千尋店主、「真鯛らーめん 麺魚」橋本友則店主、「中華そば ムタヒロ」牟田伸吾店主、「MENSHO」庄野智治店主、「麺や 七彩」阪田博昭店主、「饗 くろ㐂」黒木直人大将(順不同)

 

店内設備も革新的。スチームコンベクションオーブンや真空包装機など最新FoodTech機器を厨房内に常設し、さらには大型サイネージやプロジェクター、マイクシステムなども装備。メディアと連動したラーメン文化の発信基地として、ファンイベントやラーメン教室を始めとする様々なイベントにも対応します。

↑ロール型スクリーンの奥は窓ガラスを隔てたキッチンになっているなど、ユニークな仕掛けも

 

キッチンは広く、店主同士のコラボレーションなどがしやすい設計。客席も、厨房内の動きが見やすいビューシート、店主とコミュニケーションをとりやすいカウンター席、ゆったり食べられるテーブル席の3タイプがあり、思いおもいのラーメン体験を楽しむことができるのです。

↑内覧会当日。スープを作っているのが「麺や 七彩」の阪田博昭店主で、この日は共同代表の藤井吉彦店主も参加。ここぞとばかりに他のスーパーバイザーがビューシートに座り、その技を凝視していました

 

↑丼は“ラーメンの鬼”と呼ばれたレジェンド・佐野実さんが有田焼の窯元と共同開発した、ラーメンに最適な器を採用。奥様である、佐野しおりさんの協力によって実現したものです

 

ブッキングは約1カ月交代。2020年12月28日までは「麺や 七彩」の阪田博昭店主、大晦日(29、30日は休み)から2021年1月いっぱいは「真鯛らーめん 麺魚」の橋本友則店主、2月は「我武者羅」の蓮沼司店主がヘッドライナーを務めます。ということで、その一部を紹介していきましょう。

 

年内は限定手打ち麺。年初はめでたいラーメンに舌鼓

内覧会で提供された一杯は「麺や 七彩」の「打ち立て麺 喜多方ラーメン 醤油」。併せて、スーパーバイザー各店の特徴的な素材やトッピングなども同時提供され、きわめて贅沢なラーメンを味わうことができました。

↑阪田店主。ビューシートから「金色不如帰」の山本店主と「我武者羅」の蓮沼店主が見守っています

 

「麺や 七彩」の特徴は“こねない、練らない、寝かさない”という、一般的な製法とは真逆の、型破りな手打ち麺。この日の喜多方ラーメンは、埼玉の蔵元である弓削田醤油をかえし(タレ)のベースに、丸鶏や煮干しなどによるスープを合わせた一杯です。なおスープには珍しく、鹿の骨を使っているのも特徴。こちらは鳥獣被害対策で廃棄される鹿を使っていて、SDGs(持続可能な開発目標)の側面があるのもポイントです。

↑「打ち立て麺 喜多方ラーメン 醤油」(1200円)と、スーパーバイザー各店のマテリアルの数々

 

しかもこのラーメン、食べ進めるとともに柔らかな麺肌がスープを吸収し、麺自体の味わいもタイムリーに変化が。さらに麺の表面が溶けることでスープの深みに奥行きが加わり、止まらないウマさです。

↑打ち立ての麺には、醤油と同じく埼玉県産の小麦「ハナマンテン」を使用。ちゅるりんとした舌触り、ほわわんとした食感が独特で激ウマです

 

阪田店主は前述の通り、12月28日までのブッキング。「麺や 七彩」の本店で腕を振るう山崎雄介店長とともに、同店出身の人気店「松屋製麺所」の手打ち麺を使ったスペシャルラーメンなどを提供しています。

↑筆者は2015年に「松屋製麺所」を訪問。自然に恵まれた筑波山のふもとにあり、ラーメンの提供も麺やスープの販売もしています

 

↑阪田店主。内覧会後に意気込みを語ってもらいました

 

「ぶっ倒れるぐらいまで本気で一杯に向き合うことって、なかなかできないじゃないですか。そこを僕らはやってやろうと思ってて、そしたら絶好の場所と機会を与えていただきました! だから、マジで自分の力の限界に挑戦し、この期間中にやり抜きたいって思ってます」(阪田店主)

 

今後のスケジュールとして、「麺や 七彩」の次は錦糸町を拠点とする「真鯛らーめん 麺魚」の橋本店主が登場します。同店は、愛媛県宇和島産の生の真鯛をたっぷりと使った濃厚真鯛ラーメンや、鴨と水だけで仕上げた鴨100%スープのラーメンで、一大センセーションを巻き起こしている存在。

↑「真鯛らーめん 麺魚」の橋本店主。隣は「中華そば ムタヒロ」の牟田店主、その隣は「饗 くろ㐂」の黒木大将です

 

初日となる大晦日は18時に開店して深夜1時まで年越しの濃厚真鯛ラーメンを提供し、元旦は11時開店で濃厚真鯛ラーメンのほかに高級魚「くえ」を使った贅沢な一杯も提供予定。新春は、めでたい一杯で“麺初め”というのもオススメです!

↑濃厚煮干ラーメンの名店「すごい煮干ラーメン凪」を手掛ける奇才・生田悟志大将からもコメントをいただきました。大将は2021年3月以降にブッキング予定です

 

「創業当時にやってた、足で踏んで作る麺を出そうかなって思ったりしてます。僕らはまだ先なので、わかんないですけどね。とにかく、これまで支持いただいた感謝をラーメンで伝えられるよう、初心に立ち返って頑張りますよ!」(生田大将)

 

ほかにもたとえば、次世代の味も楽しめる人気店主監修の「チャレンジ店主」企画や、不定期で開催される人気店コラボラーメン企画など、見どころは盛りだくさん。2021年も「ラーメンWalkerキッチン」から目が離せません!

 

撮影/我妻慶一(「松屋製麺所」以外)

 

【SHOP DATA】

ラーメンWalkerキッチン

住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン2階 205

アクセス:JR武蔵野線「東所沢駅」徒歩10分

営業時間:11:00〜20:00 ※売り切れ次第終了
定休日:不定休

 

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