グルメ
お酒
2021/9/25 19:30

輸出量2%の希少ワインが日本へ!「スイスワイン」の知る人ぞ知る魅力と幻の銘柄とは?

5. スイス東部 − 世界でもっとも豊かな街で楽しまれるワイン 

チューリッヒは、「世界でもっとも暮らしやすい都市」として名前のあがる街、世界でもっとも富める国スイス最大の都市であり、経済の中心地でもあります。そんな街で楽しまれているのは、周辺のドイツ語文化圏アールガウやトゥルガウ、シャフハウゼンといった地元のワイン。日本人にとってスイスワインというと、西部フランス語圏のワインのイメージが強く、ドイツ、オーストリア寄りの産地で造られるワインはより目にする機会の少ないものなのかもしれません。

 

主なブドウ品種はシュペート・ブルグンダー=ピノ・ノワールをはじめピノ・グリやピノ・ブラン、シャルドネ、ミュラートゥルガウなど、ドイツやオーストリアでも広く栽培されている品種との共通性を多く見出すことができます。ちなみにドイツやアルトアディジェ、日本でも栽培されるミュラートゥルガウは19世紀にトゥルガウでリースリングとマドレーヌ・ロワイヤルの交配によって産まれました。

 

日照時間に恵まれた畑が多く、17世紀にフランスから伝えられたといわれるピノ・ノワールは、フランスやドイツに比べより完熟感に富んだワインになります。写真の「ニュメロ・トロワ(No3)」も、トゥルガウで造られるピノ・ノワールの赤ワインなのですが、スイスのフランス語圏とはまた違ったキャラクターで、日本に輸入されている数少ない銘柄のひとつ。幻のスイスワインのなかでも特に希少な東部のワイン、ピノ・ノワール好きな方は、ぜひ探してみてください。

 

Schlossgut Bachtobel(シュロスグット・バシュトベル)
「No3, 2016(ニュメロ・トロワ2016)」
7400円

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5