グルメ
2016/11/3 17:00

コンビニのレジ横にある唐揚げは、おっさんのためではなく女性のため!?

かつてコンビニは、単身男性客を中心に品揃えを考えてきた。利用客も単身男性が中心だったこともあるだろう。しかし、コンビニも女性客を無視してきたわけではない。幾度となく、女性客を取り込むべく中食メニューを変えてきたが、女性の利用が少なかったため、売れてこなかったのである。そのため、女性用に開発したメニューは発売されては消えていったのだ。

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そんなコンビニが女性客の取り込みに成功した最初の変革は、コンビニスイーツ登場だ。コンビニのデザートといえば、プリン・ヨーグルトを中心として、シュークリーム・エクレアといったものだったが、2009年ローソンがプレミアムロールケーキを発売してから一転、コンビニスイーツというカテゴリーが生まれた。

 

後に登場したコンビニコーヒーも女性客を増やした要因だ。コーヒー単体の販売に男女差はないが、コーヒーとデザートの組み合わせは、女性客をおおいに惹きつけた。女性客の取り込みに失敗し続けてきたコンビニの努力が報われたのであった。

 

勢いづいたコンビニは次に、惣菜の提案を女性に示した。それまで、昼食のプラス1品、オヤツの時間、夕食前の小腹満たしに提案していたファストフーズカテゴリーにおかずになる商品をラインナップしたのだ。

 

セブン・イレブンでは、「からあげ棒」という商品がある。竜田揚げが棒に刺さって売っているが、この状態では、おかずというよりファストフーズだ。からあげ棒をバラしたわけではないが、棒に刺して売るのではなく「若鶏のもも唐 」という形で、バラ売りを始めたのだ。ローソンでは、どこにでも売っているようなコロッケを「げんこつコロッケ」として、そのまま食卓へ並べられる商品を開発。ファミリーマートも「6種具材の春巻」を販売。各社、ファストフーズを単なる間食メニューから夕食の食卓に並べられる商品を品揃えしている。

 

揚げ物は家庭で作ると少し面倒なことがある。油汚れや夏場の暑さを考えれば、なるべく作りたくないメニューなのだ。スーパーの惣菜コーナーがそれまでフォローをしてきたのだが、上記記事内にもあるように、女性の社会進出や単身者の増加を背景に需要が大きく増えていったことを、コンビニは見逃さなかったのだ。

 

同時期に、オリジナル惣菜のパッケージ販売もはじめた。セブン・イレブンは「セブンプレミアム」として、サラダや惣菜、おかずまで品揃え。ローソンは「ローソンセレクト」と銘打っておかず系の強化を図っている。揚げ物以外のメニューは、このようなパッケージ販売が穴を埋めることになる。鯖の味噌煮を最初に食べた時は、本格的な味わいに驚いた。こんなことを書いたことがバレたら、1週間は飯抜きにされそうだが、我が愛する愚妻が作る鯖の味噌煮の数段上の味わいだ。

 

コンビニが女性客取り込みに成功したのは、ロールケーキというひとつのメニューが生んだ変化を見逃さずに、新たなるチャレンジを続けた結果といえるだろう。

 

【著者プロフィール】

川乃 もりや

コンビニ本部社員からコンビニオーナーを経験。現在、コンビニ関係の記事を書いているコンビニライター&アドバイザー。

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