近年はコンビニでもよく見かけるようになった中国茶。その種類はきわめて多彩で、味や香りはもちろん、茶葉の形やお茶の色味も千差万別。料理やお菓子とのマリアージュも楽しめるので、趣味として深堀りするにはもってこいの品なんです。
そんな中国茶の奥深い魅力を、プロの目利きにより選ばれた茶葉セットで楽しめるのが、今回紹介する6種飲み比べセット「趣華茶-syukacha-」です。

本稿では中国茶の魅力や本商品の茶葉6種を詳しく紹介。加えて、飲み方やペアリングのレポートも行います。
発酵によって味や香りの種類が多彩に広がる
まずは中国茶の基本からお伝えしましょう。中国茶には6大分類があり、「緑茶」「白茶」「黄茶」「青茶」「紅茶」「黒茶」となっています。そして、そのうち「黄茶」以外の5種をカバーしつつ、6大茶に匹敵する人気カテゴリーである「花茶」を追加した計6種類を飲み比べで楽しめるのが「趣華茶-syukacha-」。

発酵度合いは、不発酵で清々しい「緑茶」から、後発酵でふくよかな深みをもった「黒茶」まであり、「趣華茶-syukacha-」はそこに香り高い「花茶」を加えた6種類で展開されています。なお、同商品ではブレンド茶である「花茶」を除きシングルオリジン(単一産地/単一品種)で用意しているため、種類や産地の違いによる味や香りの違いといった個性をストレートに体感できます。

そんな「趣華茶-syukacha-」を監修したのは、中国に専用茶園(有機JAS認定)を有し、有機茶葉を中心に製造から販売している海東ブラザース。一流ホテルへの卸販売、有名ブランドのOEM、タニタ食堂とのコラボ商品開発(丸の内タニタ食堂×海東銘茶/販売中)などの実績があり、日本人向けの茶葉セレクトも得意としています。
今回のプロジェクトは、「『趣華茶-syukacha-』をきっかけに、ワインや日本酒のように趣味にしてほしい」という考えから生まれたそう。同社の中国政府公認の評茶師(中国茶ソムリエ)が選別した、中国茶の味や香り、特徴の違いを気軽に楽しんでもらい、好みの種類を見つけたら、どんどん別の茶葉にも興味を持ってほしい。その想いを反映したのが、6種の茶葉というわけです。
6種の茶葉の特徴と味わいをレポート
では「趣華茶-syukacha-」の6種類はそれぞれどんな特徴なのか。ひとつずつ紹介していきます。まずは「緑茶」から。
緑茶:西湖龍井(せいころんじん)茶
日本茶でもおなじみですが、中国の緑茶は釜で炒ることで加工され、日本の緑茶に比べると、コクよりもキレやさっぱり感が際立っているのが特徴です。

「四絶」(鮮やかな緑色、ふくよかな香り、さわやかな甘み、美しい形)をもつとされ、「中国十代銘茶」に挙げられる代表的な緑茶が「西湖龍井茶」。お湯を入れると栗や豆のようなコクのある独特の香りが広がり、個性も感じられるおいしさです。

飲んだ感想は、上品でやさしいタッチとリッチな香りが印象的。渋味はマイルドで清々しく、春の訪れのようなグリーンの爽やかさを感じました。繊細な和食によく合う味だと思います。
白茶:嶺南(れいなん)白茶
「嶺南白茶」は弱発酵茶と呼ばれる、発酵工程を少しだけ通したお茶のこと。6大茶のなかでも最もシンプルに作られており、「揉捻(じゅうねん)」という茶をもむ工程が入りません。

抽出すると色味は濃いめに出て、紅茶のような風味も。生育条件がスリランカのファーストフラッシュダージリンに似ており、そのため洋菓子にもよく合うのが特徴です。

タッチはまろやかで、ほのかな渋味とやさしい酸味が上品。あたたかみのあるハーブやスパイスのニュアンスもあり、余韻はすっきりしています。洋菓子のほか、和の生菓子にも合うと思いました。
青茶:武夷岩(ぶいがん)茶
「青茶」は、日本でも最もなじみ深い中国茶である「烏龍茶」をあらわす部分発酵茶のこと。こちらも前述した「西湖龍井茶」同様、「中国十代銘茶」に挙げられます。

「武夷岩茶」は通称黒烏龍茶とも呼ばれ、脂っこい食事の際に口の中や胃をさっぱりさせてくれる特徴を持っています。中華料理店でも愛される種類であり、日本人にもポピュラーであるといえるでしょう。

味わいも、想像以上に洗練された心地よさがあり、強い渋味やえぐみは皆無。一方で香りはフラワリーで、エレガントな芳香を放ちます。すっきりしたキレが特徴で、濃厚な料理のほか、お菓子もゴマ団子や月餅といったボディの強いタイプが合うと思います。
紅茶:祁門(キーマン)紅茶
お次は、世界的にも有名な「紅茶」。こちらは茶葉を100%発酵させる全発酵茶で、中国が起源とする説もあるほど、現地でもポピュラーです。もともとは輸出用に生産されていましたが、いまでは人気の高い茶葉となりました。「趣華茶-syukacha-」では「祁門紅茶」が採用されています。

茶葉の色は濃い赤黒で艶があり、お湯を注ぐとやさしく甘い香りが開きます。濁りが少ないクリアな茶の色は高品質の証で、飲む前からエレガントな気分に。

酸味をはらんだくっきり明確な渋味があり、華やかさも十分。オリエンタルなニュアンスは「祁門」ならではの香味でしょうか。余韻の長い贅沢な味わいで、洋菓子はカヌレやフィナンシェなどの焼き菓子がよく合いそう。中華菓子ならパイナップルケーキやエッグタルトがオススメです。
黒茶:金花プーアール茶
青茶や紅茶などの酸化による発酵とは異なり、温度と湿度の調整で生まれた麹菌の一種によって生成される後発酵茶が黒茶。アミノ酸が豊富で、野菜の育たない高山や栄養補給の難しい砂漠地帯で、栄養食として消費されてきました。「趣華茶-syukacha-」では「金花プーアール茶」が選ばれています。

品質や種類によって味や香りのクセが強いものも多く好みも分かれますが、この「金花プーアール茶」は有名な雲南省のプーアール茶よりもクセが少なく、飲みやすいのが特徴。スッキリとした味わいで、食事にも合います。

熱湯は、90~100℃の高温で抽出しましょう。ふくよかな渋味とほのかなハーバル感があり、コクやうまみもしっかり。すっきりクリアなキレは、口の中をさっぱりさせるウォッシュアウト効果も。こってり濃厚な料理でも、非常によく合います。
花茶:ジャスミン茶
ラストの「花茶」は、日本でもファンが多い「ジャスミン茶」。中国では主に北京で好まれている茶葉で、ベースとなる緑茶や白茶の茶葉に「イン」と呼ばれる香り付けの工程を経て完成します。

ベースとなる春摘みの緑茶に、摘み立ての新鮮なジャスミン花の香りを付与。その工程は生花1回あたり8時間、4回取り換えるため計32時間もの長さとなります。その圧倒的な香り高さは、飲む前から違いがわかるといわれるほどなのだとか。

エレガントな香りと、すっきりとしたやさしいうまみが心地よく、全体の味わいはマイルド。冷やしても飲みたくなる清々しさがあり、朝昼夜と時間を問わず飲みたい万能感をもったお茶だと思います。
寿司、スイーツ、ピザに合う茶葉でペアリング
上記では各茶葉でオススメのペアリングも一部解説しましたが、ここでは実際に料理と合わせて相性をレポートしたいと思います。試したのは、全6種のうち3品。まずは緑茶(西湖龍井茶)と江戸前寿司を合わせてみました。

寿司に緑茶というのは定番の組み合わせですが、中国緑茶の「西湖龍井茶」との相性も良好。渋味が爽やかなので、繊細な寿司だねとも実によく合います。
次は、白茶(嶺南白茶)と洋菓子とを組み合わせ。スフレチーズケーキを用意しました。

「嶺南白茶」は上品な渋味とやさしい酸味が特徴的で、ケーキの濃厚さをほどよく打ち消しつつ甘みに寄り添います。チーズのコクやミルキーさの奥にある酸味と絶妙に調和し、風味に紅茶のような華やかさがあるのもナイス。これは実にアリです。
3品目は濃厚なフードとのペアリングということで、スモーキーな具材のピザに黒茶(金花プーアール茶)を合わせてみました。

生地の香ばしさや、燻香漂う具材のパンチを、キレのある渋味とすっきりとした爽快感で中和しながらしっかりマッチ。ジューシーな肉汁やとろけるチーズのオイル感とも、非常によく合います。

クラウドファンディングサイト「ナナ福神」に出品される「趣華茶-syukacha-」は、上記で紹介した6種の茶葉が豪華なギフトケース入りで手に入ります。価格は、早期限定割で6384円(限定10セット)から。本来、この内容量ではなかなか販売できない価格に抑えられているのは、中国茶の魅力にハマって欲しいからというプロジェクト実行者の願いが込められているからだそう。加えて、各茶葉専用の解説書がセットになるということで、より中国茶について学べること間違いなし。
サイトではお得な早期限定割や茶器も付く限定セットもあるので、ぜひ「ナナ福神」をチェックしてこの機会に中国茶の魅力を最大限に楽しんでみてください。