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2016/11/12 19:00

BARで「ハイボール」は通じない? 今さら訊けないウイスキーの基礎知識 

ハイボール・ブームもひと段落しているが、「せっかくハイボールを覚えたからBARで呑みたい」と考えている方も多いだろう。しかし、BARでウイスキーをオーダーするなら、ちょっとした基礎ぐらいは頭に入れておきたいもの。これはもちろんビギナー向けのアドバイス。BARに通う方や、昭和のオジサンたちのように「呑めばわかる!」というポリシーの方は、この限りではないのでご放念を。

 

まずはウイスキーの産地とその名称ぐらいは、知っておきたいところだ。

 

1.アイリッシュ・ウイスキー=アイルランド

2.スコッチ・ウイスキー=スコットランド(イギリス)

3.バーボン・ウイスキー=アメリカ

4.カナディアン・ウイスキー=カナダ

5.ジャパニーズ・ウイスキー(国産)=日本

 

21世紀において上記は「五大ウイスキー」とされる。この他、ウェリッシュ・ウイスキー(イギリス・ウェールズ)、インド、ドイツ、タイそして台湾などでも生産されているが、初心者が巡り合うことは稀なので、ここでは語るまい。

 

そもそもお酒が「醸造酒」と「蒸留酒」に大別される点は問題ないだろうか。アルコールが生まれ発酵した状況で呑むのが醸造酒。日本酒、ワイン、ビールなどがそれにあたる。これに対して、発酵したものをさらに蒸留させたものが蒸留酒だ。ウイスキーはさらに樽詰めし熟成させる点は特徴としていいだろう。蒸留酒は原料により次の通り大別される。なんとなく面倒だが、BARで語られる基礎知識のために「そんなものなのか」と雰囲気だけでも知ってもらいたい。

 

穀類=ウイスキー、ジン、ウォッカ、焼酎

サトウキビ=ラム

竜舌蘭(アガベほか)=テキーラ

果物=ブランデー

 

ウイスキーに戻ろう。BARで「ハイボール」とだけ呟いても通じない可能性もある。そこは愉しい居酒屋ではない、様々なハイボールが揃った隠れ家だ。もちろん、優しいバーテンダーが揃う店なら「ハイボールですね、ウイスキーは、何にされますか」とにこやかに応えてくれるはず。しかし「ハイボール」とは、ベースのお酒を炭酸で割るカクテルの総称を指す。実際、英語圏では「ウイスキー&ソーダ」とオーダーしなければ、みなさんの馴染みの「ハイボール」は出てこない。もちろん「ハイカラ」と頼んでも、ハイボールと唐揚げは出て来ないのでご承知を。

 

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敷居の高いBARによっては「ハイボールはありません」と素っ気ない答えに出くわした…という客もいると聞く。では、どうやってオーダーすれば、あのブームで学んだハイボールが出て来るのか。先ほどの五大ウイスキーが必要になる。簡単に言えば「産地+ハイボール」と言えば、どこのBARでも通じるはずだ。「バーボンのハイボール」、「国産ウイスキーのハイボール」…などなど。ひとつ、スコッチは「ブレンデッドの」もしくは「モルトの」と使い分けが必要であることも念頭に置いておこう。

 

ここでは多くの部分を端折るが「ブレンデッド」は、各種蒸留所のウイスキーをブレンドしたウイスキー。「モルト」はウイスキー通が嗜む単一蒸留所のウイスキーと考えてもらえれば良い。そして、初心者は「ブレンデッドで」とリクエストをしたほうが無難。モルトの場合は、銘柄を指定するのが慣習だからだ。その薀蓄は後日に譲る。BARでハイボールをオーダーしたい場合、大枠の選択肢は以下のようなになる。

 

1.ブームとなった「角ハイ」からの派生。日本のウイスキーのハイボール(バックバーにボトルが置かれているので漢字も読める)。

2.ブレンデッド(スコッチ)のハイボール。「デュワーズ」などのメジャーな銘柄を覚えるチャンスだ。

3.バーボンのハイボール。それぞれ銘柄を訊ねられてもバーテンダーにおまかせし恥ずかしくなく、お勧めを訊ねても悪くない。

 

カナディアン、アイリッシュ、モルトのハイボールもオーダー可能だが、一般的にその際は「銘柄+ハイボール」で指定するケースが多く、その程度の知識は持っていて「当たり前」と取られる。ぜひ呑み進めるうちに銘柄を覚え、チャレンジしてもらいたい。もっとも昭和のオジサンは、呑みながら恥をかきつつ、それぞれ覚えていったもの。いまもBARに通う多くの方は、きっとそうだろう。ただ、ビギナーには簡単な知識のみでも、ぜひBARに足を運んで欲しい。好みのハイボールを見つけ「いつものヤツ」とBARでオーダーする姿をお待ちしている。

 

【著者プロフィール】

たまさぶろ

週刊誌、音楽雑誌編集者などを経て渡米。ニューヨーク大学などにてジャーナリズム、創作を学ぶ。CNN本社にてChief Director of Sportsを務める。帰国後、毎日新聞とマイクロソフトの協業ニュースサイト「MSN毎日インタラクティブ」をプロデュースし、日本で初めて既存メディアとウェブメディアの融合を成功させる。元MSNスポーツ・プロデューサー。著書『麗しきバーテンダーたち』がベストセラーに。米同時多発テロ事件以前のニューヨークを題材としたエッセイ『My Lost New York』が好評。

至福のBAR、時々スポーツ、のち戯言:http://bylines.news.yahoo.co.jp/tamasaburau/