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2018/1/31 11:50

【西田宗千佳連載】音声アシスタント戦争、GoogleはCESで勝負に出る

「週刊GetNavi」Vol.63-1

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↑Google Home

 

Googleが本気でCESに注力した理由

2018年1月9日から12日まで、米ラスベガスにて、毎年恒例のテクノロジーイベント「CES2018」が開催された。筆者も例年通り、年初からこのイベントの取材のために現地を訪れていた。

 

現地入りしてまず驚いた。ラスベガスの交通広告が「Hey Google」に占拠されているのだ。ラスベガスを走るモノレールまで「Hey Google」でラッピングされている。「Hey Google」とは、スマートスピーカーの「Google Home」などで使われている「Googleアシスタント」に、命令を呼びかける際に使うコマンドワードだ。これまで広告などでは「OK Google」や「ねぇGoogle」が使われてきたが、これから英語圏では「Hey Google」が基本となるようだ。

 

その後、CES会場に着いても、至るところに「Hey Google」とGoogleアシスタントのマークをモチーフにした看板があった。その看板は、ソニーのような大企業から、小さなネット連携スイッチを作るベンチャー企業まで、様々な場所にある。これは、Googleが各企業に対し、共同プロモーションを持ちかけているからだ。さらに、メイン会場の外にも、Googleは臨時の建物を作っており、GoogleアシスタントをはじめとしたGoogleのサービスと連携するハードウエアを多数展示。印象的なデモも行われていた。

 

そもそもCESはテクノロジーイベントだが、その中核はあくまでハードウエア。だから、Googleのようなネット企業は、これまで大きなアピールを行なってこなかった。しかし今年、GoogleはCESを占領するような勢いで、宣伝戦略・アピール戦術を繰り広げた。

 

その様子を見て、筆者は次のような思いを強くした。「あぁ、Googleは、音声アシスタントの領域で、Amazonに対して圧倒的な焦りを感じているのだな」と。

 

みなさんもご存知の通り、AmazonとGoogleは、スマートスピーカーの分野で戦いを繰り広げている。アメリカ市場では、2016年後半にAmazonが低価格な「Amazon Echo Dot」を発売して以降、スマートスピーカーが急速に普及。CESの主催者であるCTA(全米民生技術協会)の予測によれば、スマートスピーカーは2018年だけで4360万台が売れ、前年比で60%もの成長を果たす、とされている。現在、2社はスマートスピーカーの販売に加え、連携機器の獲得においても熾烈な競争に直面しているのだ。

 

だからこそGoogleは、膨大な宣伝費をつぎ込んでも、家電に注目が集まるイベントで、Googleアシスタントの存在感を強調したかったのだろう。

 

では、迎え撃つAmazonはどうするのか? 両社の戦いはどうなるのか? 気になる日本での状況にどんな影響があるのか? そうした部分は、次回のVol.63-2以降で解説する。

 

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