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2018/4/18 17:04

何が違うの、スマートウォッチ!初心者が選ぶべき4選を徹底比較

「スマートウォッチ」という言葉は皆さんご存知でしょうが、どんな商品があるかは分からないという人も多いのでは? 今回はディスプレイをタッチして操作する4種類の代表的なモデルをご紹介。各機の概要と、健康管理という側面にフォーカスして、それぞれの特徴を解説します。

 

おなじみのApple Watch Series 3の実力は?

Apple Watchは、Appleが販売するスマートウォッチ。「watchOS」を採用しており、iPhoneとペアリングして利用します。2014年に初代「Apple Watch」が発表されてから3年以上が経過。いまでは、第3世代に相当する「Apple Watch Series 3」が最新モデルとなります。

 

↑「Apple Watch Series 3」の38mm・Nike+モデル。

 

 

同製品には、LTE通信が可能なモデルも選択でき、iPhoneを大手通信会社で契約している場合、専用のオプションプランを契約すれば、Apple Watch単体でモバイル通信を利用可能。iPhoneの電源を切った状態でも、あるいは屋内にiPhoneを置いて外出してしまった場面でも、ウォッチから電話を掛けられます。Apple Musicのストリーミング再生も可能です。Siriを用いた音声操作もできます。

 

↑Nike+モデルのバンドは通気性に優れており、丸一日装着していても蒸れにくい。ランニングなど、汗をかくワークアウトで活躍する

 

↑背面には光学式の心拍センサーを搭載。リアルタイムに心拍数をチェックできる

 

ケースは38mmと42mmの2種類。ケースおよびバンドも複数の組み合わせを展開しており、素材・種類によって価格が異なります。

 

↑アプリ一覧の画面

 

防水・防塵性能を備えるので、腕時計OKのプールや海水浴場でも使用可能。屋外のランニング中に雨が降ってきても故障を心配せずに使用し続けられます。そのほか、Apple Payが利用できることもメリット。Suicaを登録して、公共交通機関の利用やコンビニの決済に利用できるので、ちょっとした外出やワークアウトの際に、サイフを持ち歩く必要がなくなります。

 

↑ワークアウトの際の画面。ディスプレイサイズはコンパクトながら、文字表示がはっきりと見えるので、視認性もよい。GPSで経路のログも残る

 

運動の測定については、「アクティビティ」と「ワークアウト」の2種類のアプリを標準搭載。前者は日常生活で、どのくらいのカロリーを消費したのかモニターできます。後者はランニングなどの運動中のデータを測定できるアプリです。

 

↑Nike+モデル(38mmケース)では、総重量が50g台前半となる。マラソンなどの長距離を走る場合でも、使い勝手はよい

 

【Apple Watch Series 3(Nike+)の5項目評価】

使いやすさ:       ★★★★★

拡張性:              ★★★★★

電池持ち:           ★★★★

見やすさ:           ★★★★

運動利用:           ★★★★★

 

【ここが良い】

  • iPhoneとの連携がしやすい&初期設定が分かりやすい
  • 軽くてかつ文字盤も見やすいので運動利用に最適
  • 運動しながらApple Musicを単体でストリーミング再生できる

 

【ここはやや注意】

  • Androidでは利用できない
  • LTEモデルは固定費が発生する
  • 画面がずっと点灯しているわけではない

 

AndroidユーザーならWear OS by Googleを検討しよう

一方、Android搭載のスマホを使っている場合には、「Wear OS by Google(旧Android Wear)」というOSを搭載したスマートウォッチを検討するとよいでしょう。多くのブランドからこうしたデバイスが登場しているので、一概にどれが良いかは判断しかねますが、自身の好きなデザインやブランドで選択するのがよいと思います。ネットで購入する場合には、Wear OS by Googleをサポートしている比較的新しい機種を選びましょう。

 

初期設定時には、Wear OS by Googleアプリからペアリングを行います。実はiOS版の同アプリも存在するので、iPhoneでも利用可能。ただし、このアプリを常に起動していないと接続が途切れますし、利用できる機能は限定されます。

 

↑「Diesel On」。ディスプレイが常に点灯しており、使用時以外にはアンビエント表示に切り替わる。時針らしいデザインというメリットがあるが、バッテリー消費量は多い

 

また、完全に円形のディスプレイを搭載しているモデルがオススメです。比較的古いモデルでは、ディスプレイが円形でも下端に切れ込みが入っていて、デザイン的に美しくありません。

 

本記事では、例として「ディーゼル」ブランドのスマートウォッチ「Diesel On」を取り上げます。

 

↑同モデルのバンドは革製で運動利用には適さない。ケースは防水対応だが、バンドはあまり濡らしたくない

 

 

↑同機のケースには心拍計が付いていない。リアルタイムに心拍数を計測したい場合には、心拍計が搭載された別ブランドのWear OS by Googleを選択したほうがよい

 

同機は、先述のWear OS by Googleを搭載。ディスプレイは完全に丸く、サイドにはリューズのほかに2つのボタンがあります。Wear OS by Googleのスマートウォッチは基本的な構成がほぼ一緒ですが、こうしたボタンの有無は機種によって異なるので、チェックしたいポイントです。

 

また、「OK Google」で音声操作が行えたり、手首をひねって操作するジェスチャー操作も利用できるのも特徴です。

 

↑「Step Goals」アプリから、1日の目標歩数を設定できる(200~30000歩)

 

 

↑Wear OS by Googleでは、筋力トレーニングの回数測定ができる

 

運動利用に関して、Wear OS by Googleでは、「Fitエクササイズ」というアプリが基本となります。ランニングやウォーキングの測定のほか、筋力トレーニングを測定できるのがポイントです。例えば、ベンチプレスやラットプルダウンなどを行った際に、腕の動きを検出して、候補の種目を提示。レップ数も自動で入力してくれます。重さは手動で入力する必要があります。

 

↑ただし、同機は重量が100g近いため、運動利用には向かない

 

 

【Diesel Onの5項目評価】

使いやすさ:       ★★★★

拡張性:              ★★★★★

電池持ち:           ★★★

見やすさ:           ★★★★★

運動利用:           ★

 

【ここが良い】

  • AndroidでもiPhoneでも利用できる
  • アナログ腕時計に引けをとらないケースの重厚感
  • 非使用時にもディスプレイが省電力で点灯する

 

【ここはやや注意】

  • 重い&心拍計非搭載なので本格的な運動には不向き
  • ディスプレイ常時点灯のためバッテリー消費は早い
  • Wear OS by Googleの初期設定は、初心者にはやや難しい

 

 

 

Galaxyユーザーなら迷わず「Gear S」シリーズを選ぶべし

Androidのなかでも、サムスンのGalaxyシリーズを使っているなら、「Gear S」シリーズがオススメ。同シリーズは「Tizen(タイゼン)」をベースにしたウェアラブルOSを搭載しています。日本で入手できる現状の最新モデルは「Gear S3」で、「Frontier(樹脂バンド)」と「Classic(革バンド)」の2モデルを展開中。

 

ちなみに、Galaxy以外のAndroidや、iPhoneもペアリング可能。前者は「Gear Manager」、後者は「Gear S」アプリを通じて設定します。ただし、Galaxy以外では、一部の機能が利用できません。

 

↑「Gear S3 Frontier」のディスプレイサイズは約1.3インチ

 

最大の特徴は、ベゼルをくるくるっと回して操作できること。まるでダイバーズウォッチを触っているような感覚で、最小限の画面タッチで操作を行えます。ちなみに、右サイドにはバックキー(上)とホームキー(下)という物理ボタンも搭載。

 

↑ベゼルをくるくると回して操作できる。そのため、UIも円を意識したものになっている

 

 

↑Frontierのバンドは樹脂製。ただし、ちょっと脱着しづらい

 

 

↑背面には、光学式の心拍センサーが搭載されているが、LEDの数が少ないため精度は低め

 

 

運動に関しては、目標の歩数を設定できたり、ワークアウト時のデータを記録できたりするなど、基本をしっかり押さえている印象。

 

↑ランニング記録時の画面

 

 

↑心拍ゾーンの推移をグラフで確認できる

 

 

特徴的なのは、スマートウォッチ単体でもデータを後から見返しやすいということでしょう。なお、GPSもサポートするので、経路の情報も保存されます。

 

↑重量は軽くもなく、重すぎもせずといったところ。運動でも利用できるギリギリの範囲。ただし、マラソンなど、長距離走で使うには、不向きだ

 

 

【Gear S3 Frontierの5項目評価】

使いやすさ:       ★★★★★

拡張性:              ★★★

電池持ち:           ★★★★

見やすさ:           ★★★★★

運動利用:           ★★★★

 

【ここが良い】

  • ベゼルを回す操作感が良い
  • GPSや防水をサポートし、運動測定にも適する
  • ワイヤレス充電用のドッグが付属する

 

【ここはやや注意】

  • 樹脂バンドの着脱がスムーズにしづらい
  • 細かい機能をフル活用するにはGalaxyで使う必要がある
  • マラソンなどの長距離走で使うには少しずっしり感じることも

 

拡張性にこだわらないなら「Fitbit Ionic」もあり

 

最後に紹介するのは、ウェアラブル健康デバイスで有名な「Fitbit(フィットビット)」が展開するスマートウォッチです。従来は、ディスプレイのないアクセサリータイプのデバイスを中心に展開してきましたが、スマートウォッチ黎明期に話題となった「Pebble(ぺブル)」を買収。その技術を取り込み、タッチディスプレイを搭載するスマートウォッチを発売するに至りました。

 

「Fitbit Ionic(フィットビット・アイオニック)」は、そんな同社が発売した新モデル。OSには独自のFitbit OSを採用。カラーディスプレイを搭載していて、タッチ操作が可能です。また、防水性能を備えるほか、本体に音楽を保存しておきワイヤレスイヤホンから再生できるなど、同社のラインナップのなかでは、ハイエンドに相当する仕様となっています。

 

↑「Fitbit Ionic」(写真はスレートブルー&バーントオレンジ)は、スクエア型の角張ったディスプレイがユニーク。バンド表面には凹凸で模様が描かれ、樹脂製だがチープさを感じないデザインになっている

 

ケースの側面には、左側にひとつ、右側にふたつの物理ボタンを備えます。左側のボタンは、ホームボタンのように機能。右上のボタンは短く押すと当日のログを、長く押すと音楽プレイヤーを起動します。右下のボタンは短く押すとエクササイズアプリをクイック起動、長押しすると通知一覧を確認できます。

 

↑バンド(「クラシック」タイプ)は樹脂製で、形状を維持できる程度に堅い。先端にピンがついていて、固定する仕様になっている。内側は滑らかで肌ざわりも良いが、滑らかな表面は汗をかくと蒸れやすい。付け替えも可能

 

 

↑背面には心拍センサーを搭載。GPSも内蔵する

 

 

運動に関しては、「エクササイズ」と「Coach」アプリの2つがメインとなるでしょう。前者はランニングなどの7種目の測定が可能。後者では、3つのワークアウトプログラムを実行できます。

 

↑「Coach」アプリでは、短いアニメーションで運動の解説があり、その後運動するための時間が表示される

 

 

また、ランニングの動作を検知し、自動でランニングモードに移行する機能も備わっています。

 

↑軽量さは4モデルのうち随一。普段使いでも軽やかに使用できるだろう

 

 

ちなみに「Fitbit Pay」機能にも対応していますが、日本ではFitbit Payがまだ使えません。

 

【Fitbit Ionicの5項目評価】

使いやすさ:       ★★★★

拡張性:              ★★

電池持ち:           ★★★★★

見やすさ:           ★★★★★

運動利用:           ★★★★

 

【ここが良い】

  • スクエア型のユニークかつ見やすいディスプレイ
  • iPhoneでもAndroidでも利用可能
  • 質量が非常に軽い

 

【ここはやや注意】

  • ケースがステンレス製なので肌ざわりはやや冷たい
  • 提携しているアプリは限定的
  • 充電端子(マグネット式)があり充電に少し手間がかかる

 

春はスマートウォッチデビューに最適な季節です。使い慣れれば、どれも面白い端末ですので、自身の環境や目的、好みにあった機種があれば、ぜひ挑戦してみてください。

※本記事の内容は2018年3月時点にレビューした情報を元にしています。ソフトウェアの詳細はアップデートで更新される可能性がありますので、ご留意ください。