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2020/4/27 21:00

iPad Pro用「Magic Keyboard」があるとできる10個のこと

新型iPad Proと同時に発表された「iPad Pro用Magic Keyboard」が、当初の予定を前倒して4月中旬に発売されました。本稿では、同製品を数日間実際に使い込んでみたので、同製品があれば可能になる10個のポイントから、その特徴をお伝えします。

 

1)テキストが入力しやすくなる

Magic Keyboardは、iPad Proの11インチモデル(第1・2世代)と12インチモデル(第3・4世代)に対応するキーボードアクセサリーです。Smart Connectorに対応し、iPad Proの背面をマグネットでカチッと固定することで、ペアリングなしで物理キーボード入力を行えるようになります。Macなど向けに同名のワイヤレスキーボードが売られていますが、それとは別物ですのでご注意をば。

↑筆者はキー配列を「US」で選択した

 

Magic Keyboardでは、キーの運びが1mmあるシザー構造を採用しており、実際に使ってみた印象としては、打鍵感がMacBookシリーズのそれにかなり近くなりました。例えるなら、従来のSmart Keyboardシリーズではキータッチが「パタパタ」という感覚でしたが、Magic Keyboardでは「カタカタ」と安定して打ち込める印象に——。文筆業で使用する場合も不安なく選択できると思います。

↑しっかりノートPC風のキーになっている。11インチモデルでは、端の「-/+/]」あたりのキーはかなり細い

 

筆者は、手持ちの11インチモデル(第1世代)にて使用しました。11インチ向けだと、左右端のキー幅が小さくなっているため、「-/+/]」あたりの入力が少しやりづらい点は留意しておきたいポイント。こうした問題のない12.9インチモデルの方が、キーボードでの入力作業では優れているでしょう。

 

2)暗所でもキーボード入力できる

Magic Keyboardでは、Smart Keyboardシリーズにはなかったバックライトを搭載しました。会議室でスライドを表示するときなど、暗所でも作業がしやすくなっています。

↑暗いところでは自動で光る

 

バックライトのオン・オフや強度は環境光によって自動で変化しますが、「ハードウェアキーボード設定」の項目から手動で調整することも可能です。

↑「一般」>「キーボード」>「ハードウェアキーボード」>「キーボードの輝度」で調整

 

ただ、動画を視聴する際などに、キーボードが光り続けているとちょっと設定で操作するのは面倒かも。一応Siriでも試してみましたが、執筆時点ではコントロールできませんでした。

 

3)携帯時に前面・背面を保護できる

ケースをパタっと折りたたむと、装着しているiPad Proのディスプレイ面と背面の両方を保護するケースになります。

↑パタンと畳むと保護ケースに。なお、11インチiPad Pro(第1世代) + Magic Keyboardの重さは1065g

 

ただし、従来のSmart Keyboard Folioと同様で、端末側面は剥き出しになっているため、誤って落下させてしまったようなときの保護性能はあまり期待できません。

↑相変わらず側面は剥き出し。その分、Apple Pencil(第2世代)は側面に固定できる

 

また、タブレット利用をするときに、Smart Keyboard Folioではくるっと裏返して装着したままタッチ操作ができましたが、Magic Keyboardではヒンジが動く角度に限界があり、こうした操作もできない点には要注意。

 

ちなみに、Magic Keyboardを閉じたときには、自動でiPad Proのマイクがオフになり、音声データの悪用を予防できるとのこと。

 

4)細かいテキスト指定が楽々行える

iPadOS 13.4のアップデートで対応したトラックパッド操作は、Magic Keyboardを使うためにあるといっても過言ではありません。Magic Keyboardを最新OSにアップデートしたiPad Proに装着すると、丸い小さなカーソルが表示されます。

↑文筆業や事務作業に使う上で、かなり嬉しいポイント

 

トラックパッドの操作では、タップやドラッグドロップなどの操作が可能。実際に使ってみて快適だったのは、テキストを指定する際にカーソルでぴったり合わせられることです。画面タップではなかなか難しくストレスフルだった工程ですが、トラックパッドだとスムーズにできました。

 

URLや単語のコピペ作業などが快適ですし、文筆業ならWordPressのCMSとかも操作しやすいですよ。

↑MacBook Pro(2018年モデル)のトラックパッドと比べるとちょっと狭い

 

5)表計算ソフトが使いやすい

同じくトラックパッドのユースケースとして、カーソル操作ができるようになったことで、表計算ソフトがかなり扱いやすくなりましたこともポイント。具体的には、セルやセルの四隅を選択する操作など、指先だと難しかった課題が解消されています。

↑セルを操作するならトラックパッドあり・なしで効率が全然違う、と筆者は思う

 

筆者は日常的にGoogleドライブやNumbersなどを多用するので、iPad Proでの操作感が良くなったのは嬉しいです。

6)アプリ切り替え操作が素早く行える

Magic Keyboardのトラックパッドは、複数の指での操作にも対応しています。例えば、3本指で左右にスワイプすると、起動中のアプリ画面を切り替えられます。また、3本指で上スワイプするとホームに戻る、上スワイプしてその場でキープするとマルチタスク画面が起動します。

↑画面を切り替えるときには3本指

 

↑画面スワイプ操作に相当するのが2本指

 

これまでは画面タッチでこうした操作を行う必要がありました。どうしても何回も手を持ち上げる必要があったので、きっと側から見たら不格好だったでしょう。しかし、Magic Keyboardがあれば、普通のノートPCのようにスマートに扱っている印象になるはず。操作性も操作しているときの見た目もまとめて改善されます。

 

7)Web会議の視点を目線に合わせやすい

従来のSmart Keyboard Folioなどでは、カバーにある溝の2パターンしか角度を選べませんでしたが、Magic KeyboardではAppleがフローティングカンチレバーと呼ぶ機構により、角度調整が自由度高く行えます。

↑奥に向かって倒せるのはここまで

 

ただし、重心の問題なのか、後ろにはあまり倒れてくれません。角度は最大130度まで。個人的にはもう少し画面を上向きにしたいことがあるのですが、このくらいの方が姿勢のことを考えると良いのかな……。

↑なので、90度の方がいままでになかった角度として注目したい

 

一方で、iPad Proの画面を垂直に立てられるので、Web会議などを利用する場合に、目線と同じ高さでカメラを構えるられるのは良いですね(台を工夫する必要はありますが)。

 

8)動画や記念撮影で三脚がわりに使える

同じく、端末の角度を垂直〜垂直近くまで微調整できることで、背面カメラを使うときに3脚のように利用することもできるでしょう。

↑第1世代の11インチモデルだとカメラ周りはこんな感じに。第2世代なら広角カメラも搭載されてるので、使い道は広がるかも

 

例えば、動画編集用の素材をiPad Proで直接撮影したいようなときには、別途3脚を用意せずに済んでしまうこともあるかもしれません。

 

9)充電しながら外部機器接続が同時に行える

Magic Keyboardのヒンジ部分左側には、USB Type-Cポートが備わっています。このポートに電源コードを接続すると、モバイルバッテリーなどで使われるパススルー充電によって、Smart Connectorを通じてiPad Proを充電可能に。iPad Pro本体の側面に備わっているUSB Type-Cポートが空いた状態になるので、ここに別のケーブルを挿せるわけです。

↑ここから充電できる

 

例えば、iPad Proを充電しながら外部モニターに映像を出力したり、SDカードリーダーやカメラなどと接続してデータを入出力したりすることが可能になります。

 

筆者としてはデスクにiPadがある状態で常に充電されることも便利だと感じました。カチャッとマグネットで固定すると常にiPad Proを充電してくれるクレードルのような存在ですね。

 

10)デスクの配線が美しくなる

同じくMagic KeyboardのUSB Type-Cポートのメリットについて。ここに充電ケーブルを接続して使用すると、iPad Proのコネクタに接続した場合と比べて配線が目立ちません。宙ぶらりんになったケーブルが目立たないという意味で、充電しながらデスクの上で据え置きで使う場合も、空間をすっきり綺麗に保てます。

↑充電しながら使うとき、どっちがスッキリするかと言えば右でしょう

 

価格は少し高いがiPad Proにこだわるなら要検討

iPad Pro用Magic Keyboardの価格は、11インチモデルが3万1800円(税別、以下同)、12インチモデルが3万7800円。モバイル機器のアクセサリーとしてはかなり高額ですが、iPad Proをパワーアップするアイテムとしては検討必須の存在です。

 

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