「懐かしのデジタル製品」を紹介する本コーナー。今回は、多彩なダビング機能を搭載したMDコンポを振り返ります。MDの強みはなんといってもデジタル録音。これにより、カセットテープではできなかった色々なダビング機能が、ワンタッチ操作で簡単にできるようになりました。ここでは、1998年当時の目線で商品を紐解いていきます。
MDコンポはCD→MDのダビング機能にこだわる!
これまでCDのダビングといえばCD→テープが主流だったが、これからはMDの時代。MDのよさは、まずダビングしても音質がCDとほとんど変わらないこと。そして、ダビングした後の編集が自由にできることだ。例えば、複数のCDから好きな曲だけを1枚にまとめるとき、テープならあらかじめ曲と順番を決めてから1曲ずつ録音していたが、MDなら好きな曲を適当に録音してから、後で自在に曲を入れ替えることができる。
そんなMDの特性を活かすために、MDコンポは存在する。例えば、3チェンジャー搭載のモデル。3枚のCDからランダムに曲を選んでMDにダビングをすることが可能だ。また、複数のシングルCDの1曲目だけを連続してダビング出来るモデルもある。
CD→MDのダビングがより幅広く、簡単に出来るようになったMDコンポは、これからの音楽ライフに絶対不可欠だ。
各社が性能を競い合ったMDコンポをまとめて紹介!
■ダビングや編集が自在にできる画期的な3MD&3CDのMDコンポ!
ソニー
PIXY DHC-MD515
実勢価格:8万5000円(当時)
3枚のMDを一度に収納出来る3MDチェンジャーと、同じく3枚のCDを収納出来る3CDチェンジャーを搭載。これにより、複数のCDから1枚~3枚のMDへと自由自在にダビングができる。一度ディスクをマウントしてしまえば、後はリモコン操作だけで自由に3枚同士のダビングが可能。いちいちMDやCDを出し入れする必要がないわけだ。操作はジョグダイヤルで行うので、曲目の選択や編集作業もダイヤルをくるっと回すだけでOK。ディスプレイの文字は英語や数字の他にカタカナでも入力可能だ。
【卓越ポイント】
① 3MDチェンジャー搭載
3枚のMDをいちいち出し入れすることなく、ボタン一つで好きな曲を選択できる。
② CDも3枚同時に搭載可能
3枚のCDを連続再生できる上に、3枚のCDから任意の曲を再生させることも可能だ。
③ フロントパネルがリモコンに
操作部分が集中しているフロントパネルは、そのまま取り外せてリモコンにもなる。
④ ディスプレイで曲目を表示
MDに文字表示を入力しておけば、再生中に聴いている曲目をディスプレイできる。
■マルチジョグダイヤルで簡単操作
日本ビクター
MX-MD550
実勢価格:9万3000円(当時)
大部分の編集操作はジョグダイヤルで可能。しかも、ジョグダイヤルの周囲は平常時はブルー、操作中はレッドに光るライトアップタイプ。
【卓越ポイント】
手元がブルーやレッドに光るライトアップマルチジョグタイヤルを搭載。
■3ピースでレイアウトが自由自在!
アイワ
XR-MD60
実勢価格:10万5000円(当時)
本体はMD、CD&カセット、アンプ&チューナーの3ピースに分かれている。部屋のスペースに合わせて自由にレイアウトすることが可能だ。
【卓越ポイント】
10キーによるダイレクト選曲で、30曲まで好きな曲を好みにの順番でプログラムすることができる。
■DJ気分で編集できるリミックス機能を搭載!
パイオニア
X-RMX 9MD
実勢価格:18万5000円(当時)
曲のテンポを変化させたり、フレーズをつなぎめなく繰り返し再生したりと、プロ顔負けのDJリミックスプレイが可能。しかも、100Wのハイパワーアンプを搭載。
【卓越ポイント】
ディレイやエコーなど7つのエフェクター機能付き。
■臨場感溢れる可変式サラウンド
シャープ
MD-X8PC
実勢価格:11万2000円(当時)
音の奥行と広がりを設定出来る3Dサラウンドを搭載。奥行、広がりともに5段階で調節が可能で、まさに3次元的な立体音響効果が得られる。
■3MD&3CDで編集が簡単!
ソニー
DHC-MD717
実勢価格:12万円(当時)
3MDチェンジャーだから面倒なディスクの出し入れが少ないのがポイント。しかも、3CDとの連動で編集もリモコン操作で実に簡単。
【卓越ポイント】
MD、CD、アンプ、チューナーを独立させた4BOXコンポで基本性能を追求。
■世界初の完全独立ダブルMD
ケンウッド
MX-7MD
実勢価格:19万9800円(当時)
全く同等の録音/再生機能を持ったダブルMDのため、MD→MDへの録音も可能。CDから同時に2枚のMDに録音することもできる。
【卓越ポイント】
MDディスプレイは漢字入力に対応。別売りのタイトラーで文字情報も自由自在。