作りたいもので探す
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2021/7/7 10:00

トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー【1】ベッドサイドテーブル

トリマー&ルーターを使いこなす本格木工企画。天板や引き出しの飾り面取り、本体下部のデザインカットで、古き良きアメリカンヴィンテージの世界観を演出した。就寝前に読む本、飲み物、目覚まし時計などの置き場に最適。

写真/佐藤弘樹

 

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

今回、ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックは3つ。

天板には形状の異なる2種類のビットで表裏両面を飾り面取りすることで、装飾性と高級感をアップさせている。摺り桟と棚板は単純な突き合わせではなく、通し大入れ継ぎを採用。これは4枚刃ビットを使い、板厚と同じ幅で深さ3㎜の溝を彫り、材を差し込んで接合している。なお、背板と引き出しの底板は小穴作りと呼ばれる継ぎ手の一種で接合。これはストレートビットで彫った深さ5㎜の溝に材をはめて組んでいる。

 

引き出しの前板・先板と側板の直角接合はドロワーロックジョイントビットで行なう。箱作りによく用いられる包みアリ組み継ぎはダブテールジグという特殊な道具が必要になるが、ドロワーロックジョイントビットならビットの突き出し量を変えずに、フェンスの位置と加工材の向きを変えて切削するだけで、クギやビスを使わない強固な箱を簡単に作ることができる。ビギナーだけでなく、効率を追求する上級者にもおすすめしたい1本だ。

 

【主な使用道具】

テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット+2番、2.8/8㎜径ドリルビット、皿取り錐つき2.8㎜径ドリルビット)、ドライバードリル(ポケットホールジグ用ドリルビット)、ジグソー、ビスケットジョイナー、ポケットホールジグ、トリマー、トリマー用平行定規、ルーター、ルーターテーブル、ランダムサンダー(サンディングパッド180番/240番)、耐水ペーパー(1500番)、メジャー、留めスコヤ、ハタガネ、サシガネ、ノミ、カナヅチ、直定規、筆、ウエス、マスキングテープ、ハケ

 

【その他の材料】

スライドレール(3段引き、長さ200㎜)1セット、ビス(12/32㎜)、座つきなべ頭ビス(25㎜)、ダボ(8㎜径)、ビスケット(10/20番)、木工用接着剤、瞬間接着剤、引き出し取っ手1個

 

【用意した塗料】
油性ステイン(ウォールナット)、ウレタン塗料(クリア)

 

CHECK!

ビスケットジョイナーとポケットホールジグを使えば簡単に材が接合できて作品の質も大きく向上!

今回、天板の接ぎ合わせと幕板の接合にはビスケットジョイナーを使用。溝に入れるビスケットが木工用接着剤の水分を吸って膨らみ固まることで強固な接合が行なえる。また、摺り桟と棚板の接合にはポケットホールジグを使用。これは、ビスの斜め打ちのガイドとなる下穴をきれいにあける道具。一度使えば、その仕上がりの良さに手放せなくなるはずだ。

ビスケットジョイナー。使用するビスケットのサイズにダイヤルを合わせ、ビスケットジョイナーのセンターラインを材の墨線に合わせてセット。本体を押し込むと刃が飛び出して材に溝を彫る。写真はDEWALT(デウォルト)製でネットで3万8000円程度

 

溝に入れるビスケット。サイズは0番、10番、20番の3種類

 

ポケットホールジグ。ジグの線と材の墨線を合わせてジグに材を固定。専用ドリルをポケットホールの穴に差し込んで、材に穴をあける。写真のモデルは現在非売品だが、手ごろなモデルならネットで5000円程度から購入できる

 

Step1 天板を加工する

【天板裏面の溝位置】

 

STEP2 摺り桟と棚板を加工する

【右側板の溝位置】※左側板は左右対称


Step3 側板、幕板、脚を加工する

 

Step4 モールディングの加工と塗装

 

Step5 各部材を組み立てる

 

Step6 引き出しを作る