事例集
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2022/4/18 17:17

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(2)赤レンガ+キャスタブルドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

*Case1「タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯」の作り方はコチラ

 

Case2 赤レンガで覆ったキャスタブルのドーム窯

田んぼに囲まれた開放的な庭に窯を製作。土台のコンクリートブロックの塗装は、イタリア国旗に使われる赤、白、緑の各色を少しダークにアレンジしたもの

 

ドーム形の窯のまわりに赤レンガを積み上げた。土台サイズは幅約1450×奥行約1600×高さ約1000mm。窯の高さは約710mm。窯口のサイズは幅約500mm、高さ約210mm(最高部)

 

プレヒート中、保温のために窯口にフタをする。フタは知人が3mm厚の縞鋼板などを使って手作りしたもの

 

2種類のピザピールをネット通販で購入。皿が大きく、短いほうはピザを窯に入れるときに使用。もう一方は薪を入れるときや、窯の中でピザを動かすときに使う

 

Mさんもまた、前回のIさん同様、ナポリピッツァに魅了されて窯を自作。重厚な窯が木陰にたたずむさまは、本場ナポリの片田舎の風景のようで、眺めているだけでビールがおいしくなりそう。さらにテーブルにはこだわりのナポリピッツァが並ぶわけだから、それはもうたまらない。Mさんは、続くときには毎週のように、ここで家族や友人に本格ナポリピッツァを提供するという。

窯はもともと、キャスタブルで成形したドーム部分がむき出しの状態だったが、それでは断熱性が低く高温を保ちにくいため、周囲を赤レンガで囲み、すき間にパーライトを充填して長時間活用できる窯にグレードアップした。ドームのサイズは内径約1000mmと大きめ。前日から薪を燃やし、この大きな窯をしっかりと温めておいて、1分~1分半ですばやく焼き上げるのがMさんのナポリピッツァだ。

生地作りにもこだわりが見られる。使用する小麦粉とビール酵母はナポリ製、生地をこねるのは本場ナポリピッツァでも使われるスパイラルミキサーという具合。

「最初はナポリピッツァが好きなだけだったんですけど、自分で焼くようになってどんどんハマっちゃって、いろいろこだわるようになりました」

そう語るMさん、実は今、ナポリピッツァの店を開く計画を立てているのだとか。窯の自作から始まった新たな楽しみが、さらに大きく広がろうとしている。

 

Mさんの窯の構造図(側面) *単位はmm

<DATA>
製作者…Mさん(51歳/会社員)
材料費…約12万円
主な使用資材…
耐火レンガ66個、耐火キャスタブル10袋、赤レンガ約150個、パーライト450ℓ、コンクリートブロック、土のう袋、セメント、砂、砕石、割栗石

 

Mさんのおすすめ、チキンとレンコンのピザ

 

手前はマルゲリータにブロッコリーとシラスをトッピング。奥はオイルサーディンやルッコラが載る

 

Mさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<ドーム窯を作る>

<断熱層を増設する>

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Mさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

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写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

*掲載データは2016年6月時のものです。