ノストラダムスやエドガー・ケイシーとともに、世界の3大予言者のひとりと呼ばれたのがジーン・ディクソンである。

1918年に米ウィスコンシン州に生まれ、8歳の頃に早くも能力の一端を垣間見せはじめる。
ある日、両親とともに郊外の占い師に手相を見てもらっていたディクソンは、占い師から「あなたは神秘的な霊能力を持って生まれた」と告げられ、さらに占い師が使っていた水晶玉を「私よりあなたが持つほうがふさわしい」と譲り受けた。そしてその後、水晶玉でさまざまな未来を透視するようになったという。
やがて、成長して結婚したディクソンは能力に磨きがかかり、水晶を使わなくても未来を見通すことが多くなる。この行為について、彼女はある取材に答えて次のように説明している。
「天啓とは、神が選んだ人間に、神が選んだときに、神が選んだ方法で与えるのです」
ディクソンによれば、神の啓示があるときは、朝に目が覚めたときから霊感を受けたような強い感覚がはじまり、翌日、翌々日と徐々にその感覚が研ぎ澄まされ、4日目から3日間ほどかけて天啓が授けられるのだという。
そんなディクソンは、1944年と1945年の2回にわたり、評判を聞いたフランクリン・ルーズベルト大統領に密かに招かれ、国際情勢について意見を求められている。
そこでディクソンは米ソの冷戦を予言したほか、大統領から「私はいつ死ぬのか」と聞かれたことに対し、「今年上半期に仕事を終えておくべきです」と助言をしたという。事実、ルーズベルトはその年の4月に死亡している。
その彼女の人生でもっとも有名な予言のひとつを、「ケネディ大統領暗殺事件」であると指摘する研究家は多い。
1956年5月、雑誌『パレード』の取材では、1960年の大統領選挙で民主党候補が勝利し、その人物が暗殺もしくは死亡し、さらにそれが最初の任期中とは限らないことなどを予言していたのである。
これ以外にも、黒人解放運動に尽力したキング牧師の暗殺や、ソ連による世界初の人工衛星打ち上げ、中国の核実験成功、ウォーターゲート事件、ヨハネ・パウロ2世狙撃事件など、世界的な重大事件を数多く予言している。
1964年には財団法人『児童援助基金』を設立し、79歳で没するまで、予言で得た収入のほぼすべてを基金に積み立てたという。
(ムーSPECIAL「世界の大予言FILE」より)
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