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2019/6/3 15:15

『ルパン三世』の魅力、峰不二子の魅力とは?『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』プロデューサーの浄園祐にインタビュー

モンキー・パンチの漫画「ルパン三世」を原作とするアニメ『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』。本作は『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』、『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』に続く「LUPIN THE IIIRD」シリーズ3作目で、タイトル通り、峰不二子にフォーカスを当てた作品となっている。超!アニメディアでは「LUPIN THE IIIRD」シリーズプロデューサー・浄園祐にインタビュー。本作の見どころに加えて、『ルパン三世』の魅力、また峰不二子の魅力についておうかがいした。

 

 

――「LUPIN THE IIIRD」シリーズといえばこれまで2014年に次元、2017年には五ェ門にフォーカスを当てた作品がありましたが、今回、峰不二子をやるという構想は元々あったのでしょうか?

そもそも僕のなかでは最初からルパン一味それぞれを主役にした作品を作りたいという気持ちがあったんです。ただ、まずは実績を作らないとシリーズ化もできない。そこで、人気キャラクターであり、ルパンの相棒でもある次元にフォーカスを当てた『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』を一作目として制作しました。これがおかげさまで好評でしたので、そこから「LUPIN THE IIIRD」シリーズとして小池健さん(「LUPIN THE IIIRD」シリーズの監督)と一緒に作りたいというのをトムスさんにお願いした、という流れです。また、峰不二子にフォーカスを当てた作品は『LUPIN the Third -峰不二子という女-』というテレビシリーズもありましたが、小池さんの描く不二子はとても美しく可憐なので、小池さんが監督する不二子編も見たいと思っていたんですよね。なので、五ェ門が終わった段階では次は不二子でいくと決めており、制作もスタートしていました。

――構想もシナリオも『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』の頃には既に進んでいた?

そうですね。もう丸2年以上は制作していると思います。

――続いて、今回、峰不二子にスポットを当てるうえで欠かせなかったポイントを教えてください。

まず「LUPIN THE IIIRD」シリーズは銭形を含めて5人のキャラクターを深掘りするということをコンセプトにしております。ルパンたちは皆さんが知っているアイコン的要素があると思いますが、本シリーズでは今までは見えづらかった一面を見せたいと思っているんですよね。アイコン的な要素というのは、例えば不二子なら何を考えているか分からない、スタイルが抜群で魅惑の女性キャラクターといった感じです。本作ではそんな不二子のアイコンや彼女自身を深掘りすることで生々しさや、裏切り感というのを見せられればと思っていました。

――なるほど。

あとはルパン一味の距離感。「LUPIN THE IIIRD」シリーズはこれまでの『ルパン三世』を観てきたルパンファンなら大体どのくらいの時期というのが分かるところに落とし込んでいます。例えばルパンが次元のことを次元大介とフルネームで呼んでいて、まだ「おい、次元」と呼べない段階とか、五ェ門はルパンや次元を認識したときから数年以内という点とか。それは不二子も同様で、ルパンたちのことを意識はしているけども、ルパンを追いかけるところまでには至っていないんです。そういうルパンとの距離感というのも本シリーズでは意識しました。

――ルパンとの距離感が軸にありつつも、新しい不二子の魅力も打ち出したかった?

新しいというよりかは、本来あるはずなんだけどもなかなか見せられなかった一面を別の視点でそれぞれを主役にすることで見せているという感じです。本作では恐らくルパンファンでも初めて聞くような不二子のセリフや感情を目の当たりにすると思います。また、これまで『ルパン三世』シリーズは知っているけども、そこまで観てこなかったという人は「不二子ってこういう人物なんだ」っていう深みを感じていただけるはずです。

――では、本作を制作することで改めて感じた峰不二子の魅力を教えてください。

不二子はスタイルが抜群で男性が喜びそうなボディラインをしている、一方でいつも人をだまして誘惑しているという魅惑の女性です。そこが魅力だとは思いますが、これって果たして今の男性が“好きな”女性像なのかというと僕はちょっと違うと思っているんですよね。これくらいすごい女性がいたらむしろ男としてはちょっとひいちゃうと言うか、自分には釣り合わないと思っちゃう、それくらい近づけないオーラがあると思います。でも、このカッコよさがむしろ女性からは支持されるんじゃないかな。男に媚びない、むしろ利用するという不二子の生きざまはカッコいいと思います。

――不二子が完璧すぎて「好き」じゃなくて「憧れ」の対象になってしまう?

だと思います。だから不二子に対する「好き」という言葉は、同じワードであっても男性と女性では実は意味が違う気がします。ただ、この作品を観ればそこが一致するのではと僕は思っています。お色気ばっかりやっている不二子なら男は喜ぶことが多いだろうけども、女の人はそこに対しては評価しないでしょう。今回の作品では男性から観たらまた違った不二子の魅力を認識できるし、女性はカッコいい不二子像に「そうそう!」ってなる。初めて男女が不二子に対して同じ温度感になるんじゃないかな。

――そういう意味では、本作で不二子と行動を共にするジーンという子供の存在は大きいのかなと思いました。

大きいですね。子供と一緒にいることで不二子がどういう感情を露わにするのかも見どころになります。あとは不二子が誰に対して愛の力やその美貌を武器として使っているのかという点も見どころです。これまではドラマ上だと男性を口説くときに使っていますが、今回はあえて戦いの中で敵に使っていますので、その点にも注目していただきたいですね。

――完成したフィルムをご覧になったときの感想を教えてください。

沢城さんが本当にすごいレベルの声優さんであることを再認識しました。本作ではこれまでのシリーズで沢城さんが演じてきた不二子とは違う一面を出さないといけませんでした。不二子ちゃんらしい不二子ちゃんだけではなくて、これまでは見えづらかった不二子の感情なども演じなければいけないから相当難しかったと思います。それをちゃんとやり切ってくださいました。沢城さんの演技も相まって作品のコンセプト通りになっていると感じましたので、不二子を題材としたフィルムとして悔いはありません。

――ここまで作品のことを中心にうかがってきましたが、では『ルパン三世』がここまで多くの人に愛されるのはどういう要素があるからだと浄園プロデューサーはお考えですか?

ルパンたちは僕たちが大人になるうえで忘れていってしまうものやしがらみに属さないで生きている、ある意味で究極の自由人なんです。でも、そういうのはいつ見てもカッコいいと感じる、普遍的な要素だと思うんですよね。モンキー先生(原作者のモンキー・パンチ先生)の原作からはそのカッコよさを非常に感じていました。またここまで『ルパン三世』シリーズが広がったのはモンキー先生がルパンたち5人の関係値を原作でしっかりと見せているからこそです。そうでないと何シリーズもTVアニメも劇場作品も展開できません。私たちがルパンたちをお借りして皆さんにお見せすれば、どれもが『ルパン三世』になるというくらいキャラクターがしっかりしているんですよね。それは間違いなく大きな要因だと思います。僕は特に先生のなかにあるダークな部分とそれを観て僕がカッコいいな、あんな風に生きていけたらなというルパンを前面に出していきたいと思っています。

 

 

『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』作品概要
2019年5月31日(金)より新宿バルト9ほか限定公開

【ストーリー】
不二子は逃げていた。父親が横領した5 億ドルのカギを握る少年ジーンとともに。二人はジーンの父・ランディを襲った殺し屋ビンカムに命を狙われていた。呪いの力によって人の心を操るビンカムから一度は逃げ延びるが、拘束されてしまう不二子とジーン。ビンカムの鋭利な爪が今、不二子に襲い掛かる――!
【スタッフ】
原作:モンキー・パンチ
監督・演出・キャラクターデザイン:小池健
脚本:高橋悠也
音楽:ジェイムス下地
クリエイティブ・アドバイザー:石井克人
【CAST】
ルパン三世役:栗田貫一
次元大介役:小林清志
峰不二子役:沢城みゆき
ビンカム役:宮野真守
ジーン役:半場友恵
【製作・著作】トムス・エンタテインメント
【アニメーション制作】テレコム・アニメーションフィルム
【共同配給】ティ・ジョイ、トムス・エンタテインメント

 

『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』公式サイト
http://fujiko-mine.com/

 

「LUPIN THE ⅢRD」シリーズ 公式Twitter
@lupin3_series

 

原作:モンキー・パンチ (C)TMS