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2019/11/2 20:15

【ムー2025年の危機】コンピューターに隠された亡霊「昭和100年問題」の真実

読者は「コンピューター2000年問題」をご記憶だろうか。1999年から2000年への年越しの際に懸念された、コンピューターシステムにおける年代認識バグの問題である。

このときには、西暦を2ケタでしか認識しないコンピューターの基礎システムが、2000年を1900年と見なして誤作動を起こし、ダウンするのではないかといわれた。幸い、プログラムの修正が迅速に行われ、さほど大きなトラブルは発生せずにすんだ。

 

だが、問題はそれで終結したわけではない。さらなる「コンピューター昭和100年問題」というものがある。平成から令和に変わり、今さら昭和といわれても困惑する読者がほとんどだと思うが、社会システムを支えているコンピューターの基礎は、いまだに昭和なのである。

 

なぜなら日本の機関システムの多くは、「ベーシック」と呼ばれる世界共通のコンピューター言語ができあがる前に作られた、独自のプログラムで動いているからだ。当然、プログラムが走っているハードウェアも1980年代に日本で作られたものである。

 

なぜそのような古いコンピューターが使われているのか。答えはきわめて単純で、独自言語のコンピューターは他者からのハッキングや改ざんを受けにくいため、電子情報の防衛システムとしては、まさに理想的な環境だと思われていたからである。

 

しかし、2000年問題よりも前、すなわち元号が昭和から平成に変わる数年前から、ある重大な欠陥が多くの有識者により指摘されはじめた。

 

和暦では、元号が切り替われば数値も01にリセットされる。これをコンピューターに認識させるにはどうすればいいか、というのである。

 

結論からいうと、昭和64年イコール平成元年とコンピューターに認識させることにより、昭和から平成への移行は行われた。問題はここで、抜本的な対策は無視されたということだ。

 

しかも移行の際には保安上の理由から、使われたプログラムの詳細情報はすべて破棄されてしまったのである。そのため表面上、昭和を平成に変換するプログラムだけが今現在も残っている。そして、これとまったく同じ移行方法が、平成から令和に変わるときも行われたのである。それも、プログラムの詳細な内容がまったくわからない状態のまま、同じプログラムを流用して移行を行ったのだ。

 

これによってプログラムにはさらに、「平成31年イコール令和元年」という一種異様な接ぎ木が行われた。

 

しかし、もともとカウントされている数値本体は昭和である。和暦でカウントされている機関システムは、元号を2桁までしか認識できないのだ。

 

つまり――計算上は昭和100年(2025年)になると、機関コンピューターの多くが「昭和00年」と認識してしまう。

 

そのときに何が起こるのか?

 

これが「コンピューター昭和100年問題」の概要である。

 

世界中の「昭和」コンピューター

いまのところこの問題に関しては、2000年問題の対処方法が使用可能だといわれている。また、和暦は日本特有のローカル単位なので、仮に何か問題が起こったとしても日本国内に限定されるから、たいしたことにはならないだろうというのが、現時点における多くの専門家の見方ではある。

 

だが、それは違う。

 

最悪の状況を考えた場合、2000年問題とは比較にならないほどの影響と被害を与えかねない可能性が、一部ではささやかれはじめているのだ。

画像はイメージ。

 

では、なぜ和暦コンピューターという、日本国内でしか使用されていなかったコンピューター言語が、2000年問題以上に深刻な事態を招くのだろうか。それには、和暦コンピューターが作られた当時から今にいたるまでの、きわめて特殊なコンピューターの流通状況がかかわっている。

 

機関コンピューターというものはその性質上、どのような型式が使われているといった詳細な情報は公開されないものである。したがって、現在稼動しているコンピューターの数や使用目的などについても、それを把握する手立てはまったくない。

 

しかも和暦コンピューターが全盛だった時代、つまり1970年代から80年代にかけて、これほどのコンピューターを作れる企業は世界的にも珍しく、結果として日本製のコンピューターが世界中に出まわった。そして、その一部には、昭和を平成に変えるプログラムと同じように、昭和を西暦に変えるプログラムが実装されたのだ。

 

ということは、表面上は西暦になっているが、内部的には昭和を刻みつづけている――ベーシック以前の日本のコンピューター言語でしか、改良することができない――コンピューターが、和暦という概念がない世界中の国々にあふれかえっているということになる。

 

おわかりだろうか。

 

ここがかつての2000年問題とは決定的に違う、昭和100年問題の危険性なのだ。

(ムー2019年11月号より抜粋)

 

文=嵩夜ゆう

 

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