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2020/7/4 6:30

山下健二郎インタビュー「すっかり袈裟に愛着が湧きました」映画「八王子ゾンビーズ」

ダンサーの夢が破れた青年・羽吹と8人のイケメンゾンビが織り成すコメディー「八王子ゾンビーズ」。2018年夏、2万3000人以上の観客動員を記録した舞台作品が、ドラマに続いて映画化を果たす。主演の山下健二郎さんが、作品の見どころとダンスへの思いを語ってくれた。

◆「八王子ゾンビーズ」の映画化を聞いた時の感想は?

喜びと驚きと、いろいろな感情が沸き上がりました。まさか映画になるなんて思ってもいなかったですからね。ただ舞台の時は登場人物それぞれのバックボーンをセリフで説明していたところもあったので、そういうところをしっかり映像として描けるのは作品としていいことじゃないかと。あとは主演映画ということでより責任とプレッシャーを感じましたし、ヒットしてほしいという気持ちがありますね。

 

◆演じる羽吹はダンサーとしてなかなか芽が出ず苦しんでいる青年ですが、山下さん自身もパフォーマーとしてそんな羽吹に共感する部分もあったのでは?

大いにありましたね。僕も20代前半の頃、ダンスのオーディションを受けては落ち、夢を追いかけるのはやめて違う道に進もうかと思ったことが何度もありました。さすがに寺で修行しようということにはなりませんでしたけど(笑)。それだけ追い込まれてたんでしょうね、羽吹は。行くあてもないし、何かにすがりたい気持ちだったんだと思います。

 

◆羽吹を演じる上で心がけたことは?

羽吹はちょっと抜けているし、頼まれたら断れなかったりするタイプなので、そのあたりは意識しました。あとはなるべくナチュラルに、自分らしく演じようと。最初に舞台をやった時、(脚本・演出の)鈴木おさむさんにも言われたんです。役を作るのではなく、僕が持っているものを素直に表現してほしいと。あとは羽吹がここまでダンスを続けてきたのには、それなりの信念があったからだと思うので。ダンスに対するピュアな思いみたいなものは大事にしました。

 

◆今回のメイン衣装は袈裟になるわけですが、ご自身の僧侶姿はいかがですか?

舞台からずっと着ているのでだいぶ着慣れてきましたし、愛着が湧いてきました。実はあの袈裟はこの作品用に作ってもらったもので、マジックテープを駆使したりして、だいぶ動きやすくなっているんです。生地も薄くて軽い。撮影は真夏だったし、袈裟を着てダンスをするシーンもあるので、そこはありがたかったです。

 

◆ロケ地は実際のお寺なんですか?

はい。結構山のほうにあるお寺で、都心と比べたら人の気配が全然ないんです。長い坂道と階段を上がったところに本堂があるんですが、参道にはずらっとお地蔵さんが並んでいて。だから夜ともなるとホラーな雰囲気はバッチリでした。本当に物音一つせずに静まり返っているから、一人で出番を待つ時はちょっと怖かったです(笑)。

 

◆撮影はいかがでした?

なかなか大変でした。ドラマ版と並行して撮影していたんですけど、ドラマ版はワンシチュエーションで展開していく会話劇だったから、セリフの量が膨大で。一日50ページ覚えなければいけない時は心が病みました(笑)。ただ、コメディーなのでさほど正確性は重視されないというか。勢いとノリが面白ければOKなところもあり、アドリブもバンバン飛び交っていて。僕以外のキャストもセリフがたくさんあったんですけど、台本の一語一句そのまま言っていた人は一人もいない気がします(笑)。

 

◆ゾンビーズのキャスト陣とは普段どんな雰囲気なんですか?

ムードメーカーは快斗役のはるぴょん(丘山晴己)になるのかな。いつもヘンなダンスを踊ってるんですよ(笑)。もしくは何かブツブツ言ってるのを、周りからツッコまれたり。まぁ男ばかりですから、現場は完全に男子校のノリでしたし、みんなずっとふざけてましたね。マジメな話なんて一つもしてないです。収拾がつかなくて、スタッフさんは大変だったと思いますよ(笑)。ただそういう僕らの関係性、仲の良さみたいなのが画面からにじみ出ていたら、それは作品としていいことだと思います。

 

◆共演後も交流はありますか?

舞台を見に行きました。「刀剣乱舞」を見たんですけど、2・5次元の作品ってすごいです。ファンの方の盛り上がり方や応援の仕方が、僕らのライブとはまた全然違う形で。キャストの皆さんの役への入り込み方もすごくて、『NHK紅白歌合戦』の舞台裏ではるぴょんや(藤田)玲ちゃんと会ったんですけど、キャラがゾンビーズの時と違うんですよ。どうしたのって聞いたら、「今日は違うの、ごめんね」って(笑)。あのきっちり演じ切っている感じはすごいですね。

 

◆そんなゾンビーズを成仏させるために羽吹がダンスを教えるというストーリーですが、どのあたりをポイントに踊りましたか?

劇中と同じように僕が構成を考えたんですが、細かいテクニックよりも、アクティブに体を大きく表現することに重点を置いて作っていきました。何しろゾンビを成仏させるぐらいのダンスですから(笑)、気持ちを一つにして。汗をかいて必死に踊り、その場にいる人はもちろん、画面の向こう側にいる人にも熱量を伝えよう、みたいなことを話しましたね。まぁゾンビなので、汗をかいたらおかしいんですけど(笑)。ただゾンビーズのみんなは2・5次元の舞台で鍛えられているから教えやすかったし、僕としては全く苦労しなかったですね。

 

◆クライマックスのダンスはいかがでしたか?

撮影しながらもグッと来ましたね。ああいうシーンはそれまで積み重ねてきたものが出ますよね。それこそ、舞台の時はちょうどお盆の時期だったので、自然とご先祖様や亡くなった親戚、おじいちゃんおばあちゃんのことを思い出しましたし。身近な人に思いを馳せる、感動のシーンになったと思います。

 

◆山下さん自身にとってダンスの魅力とは?

単純に楽しい、それが一番ですね。僕は80~90年代にかけてのブラックカルチャー全般が好きなんです。それは音楽だけでなく、グラフィティやファッションなども含めて。その中で、自分にもできる表現の手段がダンスです。あとダンスって、時には美しく、時には力強く、人を感動させられるもので。例えばプロモーションビデオとかもそうですけど、ダンスが加わることで曲の良さや深みをより引き立たせることができると思っています。そういう意味でも、実に表現豊かなツールになるのが魅力なんだと思います。

 

◆もしダンサー以外の道に進んでいたら?

釣り関係の仕事に就いていると思います。とにかく自分の好きなことでご飯を食べていきたいというのが根本にあるので。実は迷ったことがあるんですよ、ダンスの専門学校に行くか、バス釣りの専門学校に行くかで。だから、ダンスのお仕事ができなかったら必然的に釣りということになるんでしょうね。正直、ダンスも釣りもどっちも大事ですし、どちらがなくなっても僕じゃないのかなって思います。

 

◆今、釣り以外に熱中している趣味はありますか?

元々モノづくりが好きで、DIYをやっていて。自分の好きな家具や照明器具を作ったり、床を張り替えたりしています。面白いんですよ、試行錯誤しながら技術を一つひとつ身に付けていくのが。例えば、机にわざと傷を付けて味のあるアンティーク風にするのも、技術と経験、それなりの道具が必要だったりして。全部独学でやって来たので、ちゃんと職人さんに教わりたいですね。あとは賃貸だと限界があるので、ゆくゆくは家を買って。内装や家具を全部自分の好きなように作るのがひそかな野望だったりします。

 

◆最後に映画の見どころをお願いします。

映画ということで舞台よりスケールが大きいですし、アクションなども相当こだわって作っています。一流の殺陣師の方にスタッフに入っていただいて、めちゃくちゃ本格的でカッコいいものになっていたりするから、ダンスだけでなくアクションも楽しみにしていただきたいです。ストーリー的にも、笑って泣けて、頭の中を空っぽにして楽しめて、最後には温かい気持ちになれるものになっています。いろいろな年齢層の方に楽しんでいただけたらなと思っています。

 

◆今回の映像化を経て、また舞台化の可能性もありますね。

「八王子ゾンビーズ2」ですか?(笑)可能性はありますよね。コメディータッチの話ということでシリーズ化しやすいと思いますし、歌とダンスをより強調して、ミュージカルという形でリメークするのも面白そうですし。おさむさんに書き下ろしていただいた作品がこうやって続いたことも意義があって、おさむさんと仕事ができたこともうれしかったです。ゾンビーズのみんなとも仲良くなれたし、いい財産をたくさんもらえた作品ですね。

 

Profile

●やました・けんじろう…1985年5月24日生まれ。京都府出身。出演作にドラマ『漫画みたいにいかない。』シリーズ、映画「パンとバスと2度目のハツコイ」など。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしても活躍中。現在、『ZIP!』(日本テレビ系)の火曜メインパーソナリティーも務める。

 

作品情報

映画「八王子ゾンビーズ」
2020年7月17日(金)公開

 

<STAFF&CAST>

監督・脚本:鈴木おさむ
出演:山下健二郎(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、久保田悠来、藤田玲、丘山晴己、小澤雄太(劇団EXILE)、高野洸、牧島輝、三浦海里、才川コージ、早乙女友貴、坂東希(E-girls)、今田耕司(友情出演)、勝矢、RIKACO/松岡充

 

<STORY>

オーディションに落ち続け、ダンサーになる夢を諦めた羽吹(山下)は、“自分探し”のために八王子の山奥にある「希望寺」で修行体験を始める。ある晩、そこで8人のイケメンゾンビ集団“八王子ゾンビーズ”と出会った羽吹は、彼らに頼まれてダンスを教えることに…。

 

©2020「八王子ゾンビーズ」製作委員会

 

●photo/関根和弘 text/小山智久
hair&make/下川真矢(BERYL spa treatment) styling/中瀬拓外

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