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2020/10/10 6:30

奈緒インタビュー「出演できたことは、自身に訪れた大きな幸運」映画「みをつくし料理帖」

10月16日(金)に公開される松本穂香さん主演映画「みをつくし料理帖」で、花魁のあさひ太夫こと野江を演じた奈緒さん。出演作が続く奈緒さんが、憧れだったという太夫の役柄への思いや、作品についてお話を伺いました。

◆角川春樹最後の監督作品と言われていますが、その作品に出演することになったお気持ちは?

角川監督最後の監督作に今の25歳の自分が出演できたということは、自身に訪れた大きな幸運だと思います。きっとその席は限られた数だと思いますし、役とのめぐり合わせや、自分にこのご縁が来たということがすごく光栄です。今後のお仕事に対する姿勢や覚悟にもつながりました。

 

◆太夫は豪華な部屋のシーンが多いですが、あらためて映画全体を見られた感想はいかがですか?

画がすごくきれいだなと思いました。太夫のお部屋の中は、普通では見られないお部屋の景色ですごく美しいですし、映像の美しさも際立った作品だと思いました。自分が出ていないシーンをあらためて作品として見ることができて、お料理がつなぐ人と人を、丁寧に描かれた作品になったんじゃないかなと思います。角川映画の古き良きすてきなところと、今の自分たちの年代にも届くような友情の素晴らしさ。1人の女性が成長していく姿が、幅広い年代に見ていただける作品になったと思います。

 

◆太夫の役に挑戦してみたかったと伺いました。

時代ものは好きでしたし、映画でも昔の映画が好きです。太夫の役には憧れがありました。最初に太夫の役に触れて、「カッコいいな」と思ったのは小学生の時。それまで読んでいた、きらきらした少女漫画とはまた違いました。「何で恋のお話なのに涙が出るんだろう?」という感覚が初めてでした。学生になって小説を読むようになってから、「花宵道中」などを読んだ時に、「こんなふうに強く生きた人たちが実際にいるんだな」ということに対しての尊敬と憧れがさらに強くなりました。昔の作品は「生きる」ということに対してしっかり描かれている気がして、あらためて「きちんと自分は生きているか?」と昔の作品を見るたび考えさせられるので、太夫に対してもすごく尊敬がありましたし、憧れの役でした。

 

◆その思いを込めての役どころだったんですね。

はい。好きだからこそ、怖さもあって。完成した今でも怖さがあります。昔の映画を教えてくださり仲良くしていただいている70代、80代の方たちが、この「みをつくし料理帖」を見て、「自分の姿をどういうふうに見てくださるんだろう」と。緊張もありますが、お世話になっている方に「怖いですが、ぜひ見てください」と連絡をしています。

 

◆実際に太夫を演じられていかがでしたか?

憧れていて、自分の中で大スターのような存在だと思っていましたが、「こんなに寂しい気持ちを抱えた人なのか」というのが感じたことです。切ない気持ちだったり、言いたいことも言えなかったり、「何でこんなに苦しいんだろう?」と思いながらお芝居していました。

 

◆野江が自身の居場所で生きることを頑張ることができた理由は何だと思いますか?

澪ちゃんと又次の存在というものが大きかったと思いながら演じていました。澪ちゃんとは、離れ離れになってしまってそこから連絡も取れていない。生きているか分からない状況の中、自分の無事を知らせるような術もなかったですが、「きっと生きている」と希望のような存在だったと思います。一番近くで自身を救ってくれて、この人のために生きられると思えた存在が又次。生き抜く覚悟とその術を教えてくれた又次がそばにいたということと、生き抜いた先に会いたい澪ちゃんがいたということが野江ちゃんにとっては大きかったんじゃないかなと思います。

 

◆又次との関係性もすごく切なかったです。中村獅童さんとは関係性についてお話をされましたか?

獅童さんとは関係性についてはお話していないです。獅童さんの目を見た時に、1人で脚本を読んでいる時には想像もつかないような気持ちになっている自分がいました。又次が人を殺めてしまいそうになった時に澪ちゃんが止めるシーンがとても好きです。あそこに野江ちゃんはいないんですけど、又次と澪ちゃんのやりとりの中で、野江ちゃんの存在と、澪ちゃんと又次それぞれの思いを感じることができました。大切な友達の大切な人を守る、澪ちゃんと野江ちゃんの2人の友情を感じることができて、すごく胸に残るシーンです。

 

◆松本穂香さんとの共演シーンはいかがでしたか?

松本さんとのシーンは少なかったですが、それまで会えていないということが、その思いがワンシーンに全て詰まったシーンになったんじゃないかと思います。一緒のシーンがなかったからこそ、準備することもあまりなく、すごく自然とずっと会えていなかった2人がやっと会えたという気持ちにさせられましたし、とても演じやすかったです。松本さんと、一緒のシーンが終わった後に、ずっと演じていた時の気持ちが止まらない感覚になりました。私が「何だろうこれ、初めて!」と思わず口にしたら、松本さんも「私も初めて!」とおっしゃっていたので、2人ともお芝居していてうそのない瞬間に出会えたんだと思います。

 

◆とろとろ茶碗蒸しやあさひ太夫のお弁当などいろいろな料理が登場します。劇中で1番印象に残った料理は何ですか?

印象に残っているのはところてんです。私は出身が九州なので、いつも食べているのは酢じょうゆなんです。作中で甘いところてんを食べた時に、小さいころに澪ちゃんと野江ちゃんがところてんを一緒に食べているシーンで、「きっと2人にとっては心が躍る瞬間だっただろうな」と思いました。

 

◆今回の撮影で食べてみたかったけど食べられなかったものはありますか?

松本さんが作ったクッキーです(笑)。差し入れをしてくださった日は私が撮影のない日だったので食べられてなくて、すごく心残りです。

 

◆ところで、奈緒さんがインスタグラムで更新されている写真がすてきですね。今回の撮影中に写真は撮られましたか?

ありがとうございます!今回の撮影中は、お着物でいるということもあって、カメラを持つことが難しかったので撮っていないんです。写真はすごく好きでこれからも続けたいな、と思っていて、何か発表できる場所があれば、「展示などもできたらいいな」と思っています。

 

◆よく写真を撮っているんですか?

昔からというわけではないですが、フィルムカメラがきっかけです。学校を卒業して一番高い買い物をしたのが、カメラだったんです。その時にそのカメラにはまった時期があって、それから撮影するようになりました。お芝居以外にイラスト描いたり、器を作ったり、写真を撮ったりする時間や、そのことを考えている時間が自分にとってリフレッシュになっているので、気持ちを切り替えられる趣味になっています。

 

PROFILE

なお…1995年2月10日生まれ。福岡県出身。A型。主な主演作に連続テレビ小説『半分、青い。』、ドラマ『あなたの番です』、『やめるときも、すこやかなるときも』など。映画「事故物件 恐い間取り」が現在公開中。「君は永遠にそいつらより若い」(2021年公開予定)が待機中。

 

公式Twitter:@naonotubu https://twitter.com/naonotubu

 

公式Instagram:@sunaosquare https://www.instagram.com/sunaosquare/

 

作品情報

「みをつくし料理帖」
2020年10月16日(金)全国一斉公開

 

<STAFF&CAST>

製作・監督:角川春樹

 

原作:髙田郁「みをつくし料理帖」(角川春樹事務所)

 

出演:松本穂香 奈緒 若村麻由美 浅野温子 窪塚洋介 小関裕太 藤井隆
野村宏伸 衛藤美彩 渡辺典子 村上淳/永島敏行 松山ケンイチ 反町隆史 榎木孝明 鹿賀丈史

 

薬師丸ひろ子/石坂浩二(特別出演)/中村獅童

 

©2020「みをつくし料理帖」製作委員会

 

●photo/中村圭吾 text/谷川世奈 hair&make/竹下あゆみ styling/岡本純子 衣装協力/プレインピープル

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