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2021/3/14 5:30

山寺宏一×江原正士「エディ・マーフィとウェズリー・スナイプス、どちらも彼らの魅力が存分に発揮されています」

80年代に大ヒットしたエディ・マーフィ主演の映画「星の王子 ニューヨークへ行く」の続編が誕生!吹き替えを担当するのはおなじみ山寺宏一。新キャラとなるイジ―将軍(ウェズリー・スナイプス)演じる江原正士と共に、吹き替え声優のレジェンド2人による、夢の対談を前編・後編に分けてお届けします!

◆30年以上の時を経て、あの「星の王子 ニューヨークへ行く」が帰ってきます!

山寺:僕は大好きな作品でしたので、本当にうれしかったです。前作の「1」には2回ほど関わらせていただいているんですよ。最初は相棒であるセミ役のアーセニオ・ホールの吹き替えを担当し、その数年後に念願のアキーム王子(エディ・マーフィ)を演じさせてもらいました。それだけに作品への思い入れも深くて。また、個人的に前作を撮られたジョン・ランディス監督の大ファンですからね。“最近、「星の王子」のようなコメディ映画ってないなぁ”と思っていたら、まさかの32年ぶりの続編で。監督は変わりましたが、またこうした映画が生まれたことに喜びを感じました。

 

江原:僕は最初に続編ができると聞いて驚きました。“えっ、相当前の作品の続編だよね!?”って。しかも、今回もエディ・マーフィは主人公のアキーム王子以外にいろんな役を演じていて。以前、「ナッティ・プロフェッサー」(1996年)の吹き替えを僕が担当した時もたくさんの声を演じたので、本当に好きなんだなと思いましたね(笑)。それだけに、今回アキーム王子の声を担当する人は大変だろうなと思っていたら、まさかの山寺さんでした(笑)。

 

山寺:むしろ僕は、“アキーム王子が回ってこなかったら嫌だなぁ、悲しいなぁ”と思っていたので、声をかけていただけて本当によかったです。もちろん、江原さんがエディ・マーフィで、僕がウェズリー・スナイプスだったとしても一生懸命やりましたけどね(笑)。

※2人はお互いエディ・マーフィとウェズリー・スナイプスの吹き替えを過去に何度も担当

 

江原:ははははは!本当かよ(笑)。でも、正直言って、僕にエディ・マーフィが来るとは最初から思ってなかったです。スナイプスも出ていますしね。それに、誰が選ばれるのかは神のみぞ知るというところもありますし。というのも、僕はある時期から、どんな役でも頂いたものを全力で演じるだけだと思うようになったんですよね。期待していると呼ばれないこともありますし、“絶対にこの役を演じたい!”と思ってると、かえって別の方のところにいってしまうことも多いので。なので、今回も「ありがとうございます!頑張ります!」という気持ちで挑ませていただきました。

 

◆お2人がエディ・マーフィとウェズリー・スナイプスの吹き替えを担当した作品といえば、最近だと「ルディ・レイ・ムーア」(2019年)がありました。

江原:そうでした。ただ、あの作品のスナイプスは映画監督の役で、今回の「星の王子2」とは関係性がまるで違いますね。今回はイジー将軍という、“かっとび系”の役でして(笑)。ある意味、僕が以前吹き替えを担当した「デモリションマン」(1993年)のスナイプスのイメージに近いキャラで、それにコメディ映画ですから、彼の演技にも遊びがある。そうした面白さを生かしつつ、しっかりとアキーム王子との親密感を出していくことを意識しましたね。

 

山寺:アキーム王子自体にも時間の流れを感じましたね。まだ王子という立場ですが、次の王になる準備も始めているし、3人の娘がいる父親にもなっている。エディ・マーフィ自身も少し落ち着いた雰囲気の演技をされていたので、そこは合わせていくようにしました。その一方で、前作でも大好きだった理髪店のシーンがまた登場するんですよ!いやぁ、楽しかったなぁ(笑)。ソウルシンガーのランディも登場して、すごくはっちゃけていたので、そうした部分では僕も存分にやらせてもらいました(笑)。

 

◆エディ・マーフィの声を当てている時の山寺さんは、まさしく本領発揮という印象があります。

山寺:僕の場合、1人の役を演じる時は、その登場人物の二面性を出せないと自分の武器をお見せできないと昔から思っていまして(笑)。その点、エディ・マーフィはどの映画でも芸達者ぶりを見せつけるように演じている。そこに声を当てられるというのは醍醐味の1つだと感じていますね。ちなみにですが、「星の王子」の1作目でアーセニオ・ホールの吹き替えをした時は、彼も映画の中で何役を担当していましたけど、彼が演じていない役まで僕が吹き替えしたのを覚えています(笑)。

 

◆(笑)。振り返ると、最初にエディ・マーフィの吹き替えを演じられたのは「48時間」(1982年)でした。

山寺:「48時間」の時は、“絶対にこの人(エディ・マーフィ)を演じたい!”という思いが強かったですね。年齢が同じだし、芸達者だし、マシンガントークと言われる話芸もあって。でも、いざやってみると“俺に合っているのかなぁ”“これまで演じていた先輩のほうがよかったんじゃないかなぁ”という思いが頭をめぐりました。作品を見た友人からも「よかったよ」っていう感想をもらえるのかと思ったら、「エディ・マーフィの吹き替えって難しいね」って言われて(苦笑)。ニック・ノルティの役で共演していた大塚明夫さんの吹き替えに対しては、「本人がしゃべってるのかと思った」って言っていたのに。それが答えだなと思い、以来ずっと模索しながら、今も頑張ってます。

 

◆江原さんも長くウェズリー・スナイプスを演じていらっしゃいますね。

江原:そうですね。彼の初期の作品から随分と担当させてもらってました。彼がバンパイアになっていったころ(「ブレイド」シリーズ/1998年〜)は大塚明夫君が演じていたりして、しばらく離れていましたけど。その後、「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」(2014年)でカムバックしまして。ただ、その時はちょっと、アクションシーンで彼の存在感が薄いなと感じたんですね。また、先ほどお話しした「ルディ・レイ・ムーア」でも映画監督役ということで少しおとなしくて。それが今回は将軍役でしたし、彼がかつてアクションをバンバンやっていたころの切れ味を思い出させてくれましたね。しかも、コメディ要素も同時に表現していて。彼のリラックスした遊び心というものがちょっとのぞけたような気がしました。

 

◆では実際に収録を終えた今、お2人の中で印象に残っているシーンを挙げていただくと?

山寺:僕は江原さん演じるイジー将軍のシーン、全てです! 本当にどれも面白い!!彼の子供もまたちょっとヘンで最高ですしね(笑)。自分で演じたシーンでいえば、やはり理髪店。相変わらず雰囲気が前作と全く同じなんです。でもそこに、現代ならではのアメリカの情勢を揶揄した会話も盛り込まれていて。それも時代が感じられて楽しかったですね。

 

江原:僕が最高に面白かったのは○○○○・○○○○○の登場の場面です! これ、ネタバレになるから名前を出せないんですが、急にものすごく有名な役者さんが出てくるので、絶対にびっくりすると思います。

 

山寺:読者に伝えたいのか、伝えたくないのか分からないコメントですけどね(笑)。

 

江原:確かに(笑)。けど、そこはぜひ本作を見て確認していただきたいです。なぜ、彼がここで出てくるのかという意外性も含めて楽しんでいただけます。ホント、びっくりしましたもん。

 

山寺:まさにサプライズでしたね。

 

江原:一瞬、違う映画じゃないかと思うぐらいでした。それも含めて、まさしくオールスター総出演のパーティームービーになっています。

 

山寺:思えば、前作にも当時はまだそこまで有名ではなかったサミュエル・L・ジャクソンが出ていたり、キューバ・グッディング・Jrがいたりしましたからね。それを考えると、今作にもビッグスター以外に、今後スターになる方が紛れている可能性だってありますよね。

 

江原:あ〜、そうですね。それに今回は衣装がカラフルだし、装飾品もすごくて。豪華絢爛な映像が次々と飛び出してくるので、視覚的にも楽しんでいただけると思います。

 

山寺:また、なんと言っても一番の面白さは物語ですよね。今回は、アキーム王子がまさか自分にいるとは思わなかった息子をニューヨークに探しに行くというお話で。自分で育てることはできなかったけれど、血を分けた息子がいる。また同時にザムンダ王国には娘たちがいて、そうした親子関係も描かれているんです。普通の少年だった息子・ラベルが王子の父親に出会って変化していくように、アキームもまた変わっていく。そうした面もしっかりと描かれていて、ただのコメディ映画にとどまっていないところも大きな魅力だと思います。

 

◆前作ファンにとっては、30年前と同じキャストが再集結したというところにもうれしさを感じます。

山寺:そうですね。一番驚いたのは王様役のジェームズ・アール・ジョーンズですよ!

 

江原:うん、びっくりしました!

 

山寺:しかも、彼の描かれ方がなんとも言えない感じで…。これもネタバレになるためあまり言えませんので、ぜひ本編をご覧ください。

 

江原:不思議なのが、みんな全然老けて見えないんですよね。やはり、最前線で活躍されてる方は元気なんだなと実感させられました。

 

山寺:エディ・マーフィも僕と同い年だから、不思議な感じがしましたね。

 

江原:でも、彼はすごく貫禄が出てきましたよね。最近の作品を拝見すると、さらに役柄が広がっているようにも感じますし。より役者っぽくなったというか…。

 

山寺:なるほど。役者として進化しているってことなんですね。僕も頑張って彼についていかないと。

 

江原:私もついていきます!(笑)

 

山寺:(笑)。だって、今回の作品をご覧になった方に、「もう山ちゃんはエディ・マーフィとちょっと違うなぁ」って言われたら、これからの吹き替えが別の方になっちゃいますからね。

 

江原:あ、その時は僕にくるのかな?(笑)

 

山寺:そうなるのが本当に怖い(笑)。でも吹き替えの仕事って本当に毎回がオーディションみたいなものだから、しっかりとご本人の演技力に着いていけるよう、僕らも頑張らないといけないですよね。

 

PROFILE

山寺宏一

●やまでら・こういち…6月17日生まれ。宮城県出身。A型。

 

江原正士

●えばら・まさし…5月4日生まれ。神奈川県出。O型。

 

作品紹介

「星の王子 ニューヨークへ行く 2」

Amazon Prime Videoにて独占配信中

 

<STAFF&CAST>

監督:クレイグ・ブリュワー

 

出演:エディ・マーフィ(山寺宏一)、アーセニオ・ホール(高木渉)、ウェズリー・スナイプ須(江原正士)、ジェームズ・アール・ジョーンズ(勝部演之)ほか

 

<STORY>

アキーム王子がリサを王妃として迎えてから30年の月日が流れたザムンダ王国。アキームが国王に就任しようとした時、アキーム本人も知らない自身の息子がニューヨークにいることが判明する。余命いくばくもないアキームの父ジョフィ・ジャファ国王は彼を皇太子として迎えたいと願い、その思いを尊重したアキームとその側近・セミは彼を迎えに再びニューヨークへ出発する。

 

©Images courtesy of Amazon Studios

 

●text/倉田モトキ

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