エンタメ
タレント
2022/9/6 5:30

乃木坂46・久保史緒里「手紙の深さみたいなものをあらためて感じています」パルコ・プロデュース2022 舞台「桜文」(さくらふみ)

ラジオ『乃木坂46のオールナイトニッポン』のパーソナリティはもちろん、新曲「好きというのはロックだぜ!」収録の3期生楽曲「僕が手を叩く方へ」でセンターを務めるなど、幅広い分野で活躍中の久保史緒里さん。MC力や歌唱力に加えて演技力も高く評価されている彼女がこの秋、明治時代の花魁役で舞台に主演を務めることに。初めてづくしという役作りの感想や、明治という時代のイメージ、また自身の近況などについて聞きました。

 

◆久保さんが明治時代の花魁を演じるというニュースが流れたときは驚きました。

乃木坂46のメンバーも、最初に私のビジュアルが解禁になったときにびっくりしたみたいで(笑)。みんな「見たよ」って言ってくれましたし、先輩の樋口日奈さんには「きれいだね」と言っていただいてうれしかったです。花魁を演じることは私自身にとって大きな挑戦ですし、いろいろなものをグループに持ち帰れるのではと思っています。

 

◆そのビジュアル撮影で花魁の衣装を着てみてどうでしたか?

とても重かったです(笑)。かつらもかぶると本当に重くて…。高下駄を履いたりもしたのですが、立っているだけでも大変でした。これから舞台上で長時間それらを身に着けるというのが、今でも信じられないぐらい怖いです(笑)。でも当時の吉原に出かけた人々と同じように、観劇してくださるお客様にも美しいと感じていただくことが一番の理想なので。歩き方なども含めて稽古しているので、私なりに表現できたらと思っています。

 

◆特に花魁の所作や言葉は独特だと思いますが、やってみてどうですか?

今まで演じたことのない、せりふ回しやイントネーションだったりするので、台本を覚えるところから苦戦しました。立ち稽古が始まってからは和装をしているのですが、和装ってすごくカッチリしたイメージがあるじゃないですか。なので座るところも正座じゃなきゃいけないのかなと思っていたんですけど、桜雅は日常のシーンでは足を崩したりしていて。そのきれいすぎない感じというか、意識的にはずすというところも難しかったりします。

 

◆花魁の世界にはどんなイメージがありますか?

もともと妖艶な美しい世界というイメージはありました。でも当時の資料をいろいろ調べてみたら、遊女が涙している絵があったりもして。人前に出ていないときの様子や、吉原に来るまでの背景がそれぞれあるんですよね。その苦しみを誰にも見せることなく花魁として生きていたというのが、見た目からは全く想像できなかったので。そこはすごく衝撃を受けました。あとこれも驚いたのですが、私が見た資料だと当時の花魁は21歳が一番多かったらしいんです。自分と同い年の女性がそんな苦しみを味わっていたんだと想像すると、お芝居する上で身が引き締まりましたし、知ることができてよかったなと思いました。

 

◆今回演じる桜雅という女性についてはどんな印象ですか?

やっぱり、笑わないキャラクターというのが私の中ではすごく大きくて。花魁ではない1人の女性としての日常のシーンがあって、その日常のやりとりの中でついほほ笑んでしまいそうな場面も出てくるんですけど。そこでも一切笑わないので、あらためて難しい役だと感じています。でも冷酷な女性というわけではなく、ある事情から笑顔を封印していたりするんです。きっと砕けた部分を秘めていると思うので、稽古を通じて探っていきたいです。

 

◆演出の寺十吾さんは、同じ乃木坂46の筒井あやめさんが主演した「目頭を押さえた」も演出されています。筒井さんとは何か事前にお話しましたか?

私は寺十さんとは初めましてだったので、あやめちゃんに稽古場の雰囲気などを聞きました。それで、一つひとつのせりふや動きにどういった意味があるとか、この場面ではどういう気持ちなのかというのを細かいところまで一緒に考えてくださる演出家さんだというのを教えてもらって。あやめちゃんは初舞台だったけど安心してお芝居できたと話していたので、私も不安にならずに稽古に入ることができました。

 

◆実際に寺十さんの演出を受けてみてどうですか?

本当に細かく作り上げてくださいますし、寺十さん自らその場で桜雅を演じてくださったりするんです。でも最終的には演者に任せてくださるので、寺十さんから頂くヒントを毎回持ち帰ってどう演じるかをじっくり考えています。寺十さんからは一つ、悲しみに引っ張られすぎないようにというアドバイスを頂いたので、そこは常に意識するようにしています。

 

◆今回は、桜雅の少女時代の雅沙子という女性も演じます。1人物の2つの時代を演じることに関しては?

今回のような経験は今まであまりなかったので、そこも大きな挑戦だなと思います。雅沙子はまだ16歳で、物事に対する諦めみたいな気持ちも桜雅ほどはないので。そんな年相応の、真っすぐな感じを出していけたらと思っています。また、桜雅と雅沙子の見え方が離れていれば離れているほど、物語が深いところにいくと思うので。より違いを出せるように頑張りたいです。

 

乃木坂46・久保史緒里インタビュー

 

◆台本は秋之桜子さんの書き下ろしですが、読んでみての感想は?

話が進むにつれて衝撃的な展開になっていくというか。苦しいと思う部分が1段階ではなく、その波が何回も来るんですよね。読んでいて、今まで自分がやらせていただいた作品とはひと味違うなと感じました。台本としては、せりふ以外のト書きの部分が印象的で。登場人物の動きだけではなく、そのシーンの風景までも細かく書かれてあるので。当時の描写が鮮明に頭によぎりましたし、いろいろ想像がしやすかったです。

 

◆今想像する明治時代のイメージを教えてください。

お家柄というのも重要視されていたこともあって、今と比べると自由があまり利かない時代だったんじゃないかなと思います。あとはこの作品のカギにもなっているところなんですけど、“文(ふみ)”、つまり手紙ですよね。もちろん当時は携帯電話もなかったので、人と交流を深めるためには手紙がどれほど大事な手段だったか。手紙が持つ意味の深さみたいなものを、この作品を通じてあらためて感じているところです。

 

◆久保さんは普段よくメンバーに手紙を書いたりしていますよね。

口では直接言えないことも、手紙だから伝えられるというのがあって。そこが手紙の一番の良さだなと思うんです。もちろん今は電話で連絡することが主流だと思いますが、私はあまり電話で連絡ができなくて(笑)。というのは、相手が返事に困って気を遣わせてしまうのが申し訳ないんです。でも手紙だったら、自分の思いだけを伝えることができるので。そこがいいなと思います。ただこの作品に出てくる手紙は、救いになるところもあれば怖い存在になるところもあって。そこはちょっとハラハラするので楽しみにしていただきたいです。

 

◆最後に、久保さん自身の近況についても教えてください。

毎年夏になると、実家から果物を送ってもらっていて。今年の夏も福島の桃と金沢のすいかが届いて、それを食べながら夏を感じています(笑)。たくさん量があるので、メンバーにもおすそ分けしようかなって。グループの近況としては、林瑠奈ちゃんが髪を切ってショートカットになりました。久しぶりにメンバーの中にショートの子がいる感じがあって。瑠奈ちゃんのカッコよさにみんなキュンキュンしていて、モテ期が到来していますね。私も「一緒に写真撮ってください~」って言いに行ったりしています(笑)。

 

乃木坂46・久保史緒里インタビュー

 

PROFILE

●くぼ・しおり…2001年7月14日生まれ。宮城県出身。O型。乃木坂46・3期生。『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のメインパーソナリティ、「Seventeen」専属モデルとしても活躍中。主演映画「左様なら今晩は」が11月11日(金)公開、映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」が2023年公開予定。

 

作品情報

パルコ・プロデュース2022
舞台「桜文さくらふみ
9月5日(月)~25日(日)東京・PARCO劇場
10月1日(土)・2日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
10月5日(水)愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
10月8日(土)長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

<STAFF&CAST>
作:秋之桜子
演出:寺十吾
出演:久保史緒里(乃木坂46)、ゆうたろう/松本妃代、石田圭祐、阿知波悟美、加納幸和、木村靖司、有川マコト、塾一久/中山朋文、永澤洋、福永マリカ、こぴ、白浜そら/石倉三郎、榎木孝明

<STORY>
明治後期の吉原遊郭。当代随一と謳われる花魁・桜雅おうが(久保)は、その妖艶な佇まいと共に、決して笑顔を見せないことでも知られていた。何とか桜雅の笑顔を引き出したい紙問屋の旦那・西条宋次郎(榎木)は、その財力で豪華絢爛、贅を極めた花魁道中を開くことに。いっぽう、吉原のような世界とは全く縁のない堅物で生真面目な若き小説家・霧野一郎(ゆうたろう)は、新聞社の依頼で花魁道中の記事を書くため見物に参加していた。

 

●photo/干川 修 text/橋本吾郎

TAG
SHARE ON