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2016/11/29 12:30

世にも珍しい市営の本屋がオープン! 「八戸ブックセンター」は“本離れ”を止められる?

「本が売れない」といわれ続けている昨今だが、今年12月に青森県八戸市が「売れ筋ではないが良質な本」に限定した、全国でも類を見ない市営の本屋「八戸ブックセンター」をオープンする。この八戸市の新たに取り組みに対し、八戸市の市民からは「図書館ではダメだったのか…」「紙の本が見直されるチャンスかも!」と賛否両論の声が上がっている。

出典画像:「八戸ブックセンター」公式ホームページより
出典画像:「八戸ブックセンター」公式ホームページより

 

八戸市長の公約がついに実現!

この「八戸ブックセンター」計画は、現八戸市長・小林眞氏が政策公約として掲げた「本のまち八戸」の一環。「本を読む人を増やす、本を書く人を増やす、本でまちを盛り上げる」ことを目指しオープンに至った。

 

「八戸ブックセンター」には、市で新規採用された書店勤務の経験のあるスタッフが選書した8000点以上の書籍が並べられ、小さな書店では見かけることが少ない海外文学や、人文・社会科学、芸術などといった大人向けの幅広い分野の書籍を取り扱う。一方で、雑誌やコミックは取り扱わないという。

 

お酒片手に本が読める市営の本屋

「八戸ブックセンター」の面白いサービスに、店内でアルコールを含む飲み物の販売がある。この事業には東京・下北沢にある、ビール片手に本が読める本屋「B(ブック)&B(ビール)」を手掛けるブック・コーディネーターがアドバイザーとして携わっている。

 

「八戸ブックセンター」内には、1人掛けの椅子を設置し、くつろぎながら本と向き合える空間がつくられており、「八戸市民作家カード」を作成すると、机と椅子、無線LANサービスであるWi-Fi完備の部屋を無料で使うことができる。この「カンヅメブース」と呼ばれる部屋は、「出版したい」「誰かに読んでもらいたい」という目標をもった執筆者向けのスペースだ。

 

運営は市民の税金

「八戸ブックセンター」の運営を支えるのは、もちろん市民の税金。年間の運営費は約6000万円程かかる見通しだ。ただ、この年間運営費に対し、売り上げの目標金額は2000万円。毎年約4000万円の赤字がでる計算になり、この赤字分は市の負担となる。

 

こういったことから、「八戸ブックセンター」事業に対し市民からは、「(赤字分の)4000万円があれば、図書館ももっと充実するだろうに…」「赤字事業だからこそ、公共事業でやるべき意味がある」「『良質だけど売れない本』の基準ってなんだ?」「書店って、もうビジネスとして成立しないとこまで来たのか…」と様々な意見が交わされているが、いまのところ目立った批判はなさそう。

 

いまはネットで簡単に本が買える時代だ。わざわざ本屋に行く必要がないにもかかわらず、4000万円もの赤字を覚悟したうえではじまる今回の八戸市の事業。いままで本屋に立ち寄らなかった人に興味を持たせる機会になると共に、思いもよらないお気に入りの本が見つかる絶好の機会になることを期待したい。

 

【URL】

八戸ブックセンター https://8book.jp/

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