ファッション
2018/2/3 18:00

【大人の着こなし考】世界的に絶好調の「カナダグース」。あなたは偽造品を手にしていませんか?

先日のパリコレクションで「コム デ ギャルソン・ジュンヤワタナベ マン」との初めてのコラボアウターがお披露目されて注目度が高まっている「カナダグース」ですが、本家も好調です。

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『fashionsnap.com』の記事によれば、カナダグース・ホールディングスは2017年の3月にアメリカ・ニューヨークとカナダ・トロントの証券取引所に上場。2018年3月期(2017年度)第2四半期(4ー9月)の決算が初めて開示されました。各地域でプラス成長を達成し、連結売上高は2億カナダドル(9月末の為替レートで約180円)、営業利益275.0%増、税引き前利益371.4%増、四半期利益500%増と、大幅な増収増益を果たしています。

 

この好調は日本でも顕著。『WWD JAPAN』の記事によれば、2017年の7月〜12月18日までの売上高は前年比の45%増。日本の販売拠点はおよそ300ヶ所で、消化率は11月中旬の平均で約85%に上り、追加オーダーも増えているそうです。さらに、昨年の11月3日には千駄ヶ谷の「レイチェル アシュウェル シャビーシック クチュール」跡地にフラッグシップショップをオープン。初日には450人の行列ができて話題を集めました。その影響もあり、11月の売上が予測の5倍に膨れ上がるという驚異的な絶好調ぶりです。

 

この人気はキャズムを突破し、イノベーター理論で言うところのアーリーマジョリティはもちろん、レイトマジョリティにまで売れ始めている段階──つまり、流行のアイテムとして成熟段階かそれ以降の状態でしょう。そして、人気が高まることで生まれてきてしまうのがコピー商品。実際、「カナダグース」の公式サイトでは偽造品への注意喚起を行っています。

 

いくら外見を似せても、防寒性や耐久性といった機能面で本物よりも数レベル劣るということは容易に想像ができます。しかも「カナダグース」の偽造品に関しては、衛生面でも危険性が潜んでいるので本当に注意が必要です。以下、公式サイトから引用します。

 

偽造されたジャケットの中綿を分析した結果、カナダグースが使用する衛生処理を施したカナダ産ダウンの代わりに、多くの場合、「フェザーマルチ」と呼ばれる素材などが使用されていることがわかりました。このような素材は細菌やカビなどに覆われていることがあり、何も知らない消費者の健康を著しく害する恐れがあります。また、襟には機能的なコヨーテのファーの代わりに、アライグマや犬、その他不明な動物のファーが使用されていることもあります

 

さらに、不正サイトから偽造品を購入した場合、返品や返金に応じてくれることはまずありません。支払方法によっては個人情報が漏洩したり悪用されたりする二次被害に拡大する可能性もあります。さらに言えば、違法に製造された商品の売上が組織犯罪の資金源になったり、偽造品の生産工場が不法労働の温床になっていたりするケースも珍しくありません。

 

では、デメリットが多いにも関わらずコピー商品が減らないのはなぜでしょうか。それは、買う人がたくさんいるからです。本物よりも低価格というのが偽造品を購入する大きな動機だとは思いますが、今の時代にそんな見栄が必要でしょうか? 偽造品を持つことのほうが恥ずかしい行為ではありませんか?

 

以前、某ウェブメディアのブランディングを担当している人にお会いした際、身に着けている高級時計がコピー商品だと笑いながら話している姿を見て、その人とはいっさい関わりたくないと思ったことがあります。ブランドやブランディングに対しての哲学や信条をまったく持っていないと感じたからです。ほどなくそのメディアは問題が発覚して閉鎖されることになったため、妙に納得したのを覚えています。

 

偽物だとわかっていてコピー品を愛用するのは言語道断ですが、公式ではないルートから格安で手に入れた方も、その「カナダグース」が本物なのかを改めて確認してみてください。健康を損なったり、あなた自身の価値を貶めたりしないためにも。

 

【著者プロフィール】

「着こなし工学」エバンジェリスト 平 格彦

1974年、東京都生まれ。O型。天秤座。ライター/編集者。コラムニスト。プランナー。AllAbout「メンズファッション」ガイド。[着こなし工学]ファウンダー。JAPAN MENSA会員。野菜ソムリエ。大学でマーケティングを専攻した後、新卒で出版社へ入社して広告部、ファッション誌編集部を経て退職。2年間のニート期間を経て転職した出版社を1日で辞めた伝説を持つ。その後、フリーランスに。メンズファッション関連だけで35以上のメディアに関わってきた実績を持ち、客観的、横断的、俯瞰的にファッションを分析するのが得意。そんな視点を活かして[着こなし工学]を構築中。編集力を応用して他分野でも活動。

 

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