ファッション
2021/12/27 17:45

【2021年】今年セレクトして良かったモノ〜Euphonica 井本征志〜

2021年も残りわずか。今年も振り返りシーズンの到来です。ことセレクトショップに関しては、みんな気になるのが(?)、店主の考える今年のベストセレクト! 今回は横浜・仲町台の洋品店 Euphonicaの井本征志さんにベストセレクトを聞きました。


井本征志さん(Euphonica 店主)

国内外から上質なアイテムをセレクトする仲町台町の“洋品店”『Euphonica』の店主。2021年の個人的ベストバイはTEACのTN-4D-B(アナログターンテーブル)。

2021年の売り場を振り返って

昨年からの流れですが、2021年はブランドをさらに絞りに入った年でした。オープン当初からずっと続いているブランドは〈イールプロダクツ(EEL Products)〉や〈ブランドストーン(BLUNDSTONE)〉、〈ルンゲ(LUNGE)〉くらい。インポートブランドの数も減り、国内ブランドが多くを占めるようになりました。

2021年のセレクトについて

今言ったように、意外と毎年セレクトしているブランドは少しずつ変わっています。変わっていないのは“東京の真似をしない”ってところですね。横浜と東京は近いし、電車に乗ればすぐに行けるじゃないですか? その距離で東京の有名なショップに置いてあるネームバリューの高いブランドを、知名度とか注目度ありきでうちが仕入れても意味がないんです。今回のベストセレクトも3着並べると本当にうちっぽいなと思いますね。

ベストセレクト_01
Itheのピーコート

ベストセレクトの理由は、自分で企画したから(笑)。僕がデザイン画や仕様を決めさせてもらって、〈イザ(Ithe)〉に作ってもらったピーコートです。去年はキャメルで出したんですが、今年はピーコートでは珍しいグリーン。これすごく良い色でしょう? また外で見ると色が綺麗なんです。

生地にはしなやかでやわらかいメルトンを使っていて、着心地も軽い。カラー(襟)はアメリカ海軍のものを参考にしていますが、袖をスプリットラグランスリーブにしたり、錨ボタンではなくナットボタンを採用したりと、ピーコートだけど“海軍っぽさ”はかなり薄いです。納期が遅れて、12月に行った外套フェアの前日に届いたのでひやひやしましたけど(笑)、フェアでの反応も良かったですし、平日にこのコートを目掛けて来店されたお客様もいらっしゃいましたね。

ベストセレクト_02
Olde Homesteaderのスウェットシャツ

ブランドの公式Instagramにも着用して出させていただいた〈オールド ホームステッダー(Olde Homesteader)〉のスウェット。元々クルーネックのスウェットってあまり好きではないんです。20代前半の頃に一度買ったきりで、それも結局寝間着として使っていましたし……。だからこれは僕自身15年以上ぶりに購入したクルーネックスウェットです。展示会で着たときに驚きましたが、今までにありそうでなかったスウェットなんですよね。

世間では吊り編み至上主義みたいなところがありますが、ディレクターさんは「何でもかんでも吊り編みを使えばいいってもんじゃない」と言っているんです。肉厚でふんわりとした生地で、裏はふわふわの裏起毛。本当に心地の良い着心地なんです。耐久性も高くて、何度も洗濯していますがリブも伸びません。そして、デザインもヴィンテージの復刻ではなく、完全にオリジナルで作っている。襟がボートネックのようになっていて、スポーティーさが抑えられているんですよね。着てみないと分かりづらいですが、何十年後ヴィンテージになりうる一枚だと思います。店頭では僕と同じように今までスウェットを着てこなかったの方がよく反応してくれますね。

ベストセレクト_03
K.ITOのスナップカーディガン

長年コレクションブランドなどの服作りに携わってきたベテランデザイナーが手掛ける〈ケー・イトウ(K.ITO)〉。取り扱いブランドの中でも知名度は低い方ですが、玄人受けが良く、このカーディガンも昨秋入荷したときにはすぐに売り切れました。

セレクトした理由は、僕が昔から襟付きのカーディガンが好きだから。ですが、このウール天竺に、ポロ襟にスナップボタンという組み合わせはなかなか他では見ませんよね。前立てをテープで補強し、ポケットを表に響かないようあえて裏にするなど、技巧を凝らしたデザインも良い。着てみるとふんわりとしたシルエットで、いい意味でイメージと違ったと言われるお客様が多いですね。

2022年に注目しているトピック

注目しているのは「ポスト古着ブーム」。来年は古着ブームも少しずつ落ち着き、ゆるやかにシフトにしていくと思うので、古着以外を着たくなった若い人たちに洋服屋として新しい提案することが重要になりそうです。実際に今も社会人になるのを機に服装を変えたくて来店するお客様もいらっしゃいますし、そういう若い人たちに「こういう洋服もある」と伝えることはお店として大事なことです。結局、今のアパレルがこういう現状になっているのは、多くのメーカーやお店が若者たちをないがしろにして、お金を持っている大人だけにターゲットを絞った結果でもあると思っているので。

来年のお店について

来年はウェブでの活動以外に、リアルの活動を増やそうと思っています。まだ何をするかは決まっていませんが、実はコロナ禍前には雑誌を作る計画があったんです。例えば、紙媒体だと贅沢に写真を見せることもできるし、紙の質感でも変化をつけられるじゃないですか? あと、僕のブログの文章もウェブ向けではないですし(笑)。まあ来年雑誌を作るかといったら多分作らないですけど、何か今までできなかったことがやれたらなと思います。


Euphonica
住所:神奈川県横浜市都筑区仲町台1丁目33−19
電話:045-532-8460
営業:12:00~20:00(定休日.水)
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