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スマホゲーム
2019/6/21 19:15

「モンストグランプリ2019」でeスポーツの「リアル」を知る! 強豪プレイヤーに聞いた勝つためのこだわり

マルチプレイの楽しさが人気を呼んでいるスマホゲーム、モンスターストライク。去る61日に、そんなモンストの派生ゲームアプリ「モンスターストライク スタジアム」(以下、モンストスタジアム)で競い合う「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」関東予選が行われました。

ゲーマーながらモンストならびにモンストスタジアムは初心者……という筆者がその模様をリポートしていきます。eスポーツブームの熱気、そして出場者たちが見せる勝負への執念を、ぜひこの記事から体感してください。

 

ここまで盛り上がっているとは!プレイヤーの熱気がスゴい

会場であるベルサール汐留に到着すると、すでにそこには人だかりが。筆者も、プレイヤーの熱量を会場外にして実感させられました。

↑参加者の受付中。外には長蛇の列ができていました。

 

モンストスタジアムは、チーム対抗で競い合うタイムアタックバトルです。本大会では大会指定のルールに則って、選抜したモンスターを使って4人1チームで戦います。

 

まず予選では最大200チーム800人が、タイムアタックラウンドでしのぎを削ります。2つのステージをクリアする時間の合計で競う、タイムアタックにかかる時間は5分強。与えられた短い時間のなか、それぞれが真剣な面持ちで画面と向かい合い、チーム内でコミュニケーションをとりながらステージクリアを目指していました。

↑タイムアタックに挑む参加者たち。そろって真剣な表情です。

 

決勝では観衆が固唾を呑んで見守るなか、ステージ上で数々の死闘が繰り広げられていきます。観客も配られたバルーンを叩きながら、大盛り上がりで出場者たちを迎えました。

↑ステージ上で行われた決勝トーナメント。大観衆の視線が集中します

 

↑2ブロックのトーナメントで行われた決勝。3本勝負の2本先取で行われ、同じステージを2チームが同時にプレイし、早くクリアしたほうが勝者となります

 

Aブロックでは予選3位、関東と関西の連合チーム「ワンチャンスターズ」が、予選6位「Toy Soldier」を危なげなく撃破し初戦を見事突破。続いて全員が初めてのグランプリ参戦という予選2位「Cats」が、予選5位「GraNde – 牌」との勝負を制し、Aブロック決勝に進出しました。

↑Toy soldierには、ファイナリストで数少ない女性選手の姿も

 

決勝では、Catsがミスのない完璧な立ち回りを見せ、ブロック優勝を果たしています。夏に幕張メッセで行われる決勝大会の切符をゲットしたCatsのメンバーはもちろん大喜び。「まだ実感はない」と言いつつも抱き合ってその感動に浸るメンバーの姿が印象的でした。

↑Aブロックを制したCatsの面々。大会の公式端末、「Google Pixel 3」を手に持ち勝利をアピール

 

Bブロックに話をうつします。1回戦を制したのは予選4位「砲撃timely’s」と予選1位「LMBulludozer」です。特にLMBulludozerと予選8位「刈谷カーテンコール」の試合は、3本勝負の2本目が同時クリアで再試合になる大熱戦! 1000分の1秒単位までをも争うこのゲームの魅力が、初心者の筆者にも十分に伝わる試合となりました。

 

↑熱戦が続くなか、オーディエンスの応援も大会をおおいに盛り上げた

 

続いて行われたBブロック決勝。本日最後の試合とあって、観客のボルテージもうなぎのぼりです。ここでは、大会随一の人気チーム・LMBlludozerが双方にミスの出ない争いをスピード勝負で制し、僅差の試合をものにしました。

↑表彰式で笑顔を見せるLMBlludozerのメンバー

 

どの試合でも選手たちの洗練されたプレイスキルが光り、キャラクターピック(選択)の駆け引きはもちろん、キャラクター編成の妙味、素早く正確な操作が披露され、モンストの醍醐味が凝縮された大会だったといえるでしょう。

↑キャラクターピック中の一幕。選手が選んだキャラが画面の表示されるたび、観客から歓声が上がります

 

が、なにより筆者の記憶に残ったのは会場の熱気。参加者の多さもさることながら、ステージ上で戦う選手たちを応援する大歓声には驚かされました。まさに「eスポーツブームここにあり!」を示した大会でした。「単にゲームを遊ぶ」のではなく「公平に競い合う」ことで生まれている熱量。それに感嘆するとともに、「もはや一般的なスポーツと変わらない」ことを筆者も思い知らされました。

 

優勝チームが語る、勝負への執念

今回の取材では、A・Bそれぞれのブロックを制した、優勝チームに話を聞く機会をいただきました。その選手たちが語ってくれたのは勝利への執念。”勝負師”たちのインタビューをお届けします。

 

—優勝おめでとうございます。何度同じステージに挑戦しても、いつも同じ展開にできるのは、何か意識していることはあるのでしょうか。

Cats「数ミリのズレまで計算していてプレイしています。100回やったら100回同じことが出来るようにという意識ですね」

LMBlludozer「失敗しやすい部分を早めに見つけるようにしていて、その情報をチームでシェアすることです。あとは、戦術の決定に運要素を排除して、計算できる要素だけで判断するようにしています」

↑卓越したレベルの戦いは、ほんの少しのミスも許されない

 

—普段の練習はどのようにやるものなのでしょうか。

Cats「毎日チームで3時間の練習をしています。でも難しければ個人で。チームで練習すると、自分のポジションにだけ専念できて、覚えることを減らせるのがいいんです。チームの皆が平等に戦術を提案して、いいものであれば誰のものでも採用しています。全員で立ち回りの考察を行っているのも、うちのチームの特徴だと思います」

LMBlludozer「半分ノリで結成したチームなんですよね。ずっと一緒にやってきたわけでもないのですが、リーダーがメンバーの実力を把握して統率してくれています。」

↑どのキャラ、順番になっても対応できるようトレーニングを重ねているという

 

—Catsのみなさんは、初挑戦で初優勝を達成されました。いかがでしたか?

Cats「今回のプレイは満点ではなかったと思っていますが、レベルの高いところで勝ちあがることができました。自分(Catsのリーダー・♡るんるん♡さん)の事情もあって大会に出るのを3年も待ったのですが、以前から思っていた『出れば勝てる』という想いは間違っていなかったことを証明できました。」

 

—LMBlludozerの皆さん半分ノリで結成されたとのことですが、モンストをプレイされるうえで共通の目標はあるのでしょうか。

LMBlludozer「幕張で開催される決勝大会の1位、これは揺るがないです。たとえ賞金がなくても出ます。欲しいですけど(笑)。あとはモンストが盛り上がってくれればと思っています。『モンスト』を楽しんでいる人は多くても、『モンストスタジアム』で対人マルチ対戦を楽しんでいる人って少ないんですよね。メンバーを探すのも大変だし、やりこむことへのモチベーションも必要で。モンストの場合は『ボスを倒せ!』だからいいですけど、モンストスタジアムの場合はタイムアタックだからどこまでやったらいいか分からなくなるんですよ。もっと新規プレイヤーへのハードルが下がるといいですね。」

 

—今回優勝されて、自らの下の世代に対して何か感じるものはありますか?

Cats「趣味の延長線上で楽しむ人が増えればと思っています。実際、自分も普段ゲームはしないし、ニンテンドーDSすらも持っていなかったんですが、モンストははじめてハマッて、うまくなれたゲームなんです。そんな感じでやる人が増えてくれたらうれしいですね。」

LMBlludozer「さっきも言いましたが、モンストスタジアムは、新しく始めることのハードルが低くないゲームです。でもこれから始める人は、まずはYouTubeなどで大会の動画を見て、上手い人の真似をしてもらうといいと思います。ジュニアグランプリもあったので、若い世代が盛り上がるようになったのはいいですよね。」

 

—最後にモノメディアらしい質問をさせてください。使うスマホによってプレイの感覚が練習されている感覚が変わると思うのですが、愛機などはあるのでしょうか?

Cats「全員、サイズの違うスマホを3台ずつ持っていますね。どんな環境であっても負けないように、どのような機種であってもベストなパフォーマンスを発揮できるよう練習しています。」

LMBlludozer「みんな、複数機持ち歩いていますね。大会によって毎回公式端末が変わるので、それで練習するようにしています。各端末ごとで引っ張るときの矢印の動きが違うので。1mm方向がズレたらショットが全く違うところにいってしまいかねないんです。ただ、ウチのリーダーだけは天才でそんなのおかまいなしなんですが。彼の場合、キャラクターを引っ張ったあと、方向を修正することが全くないんですよね。」

↑手前から2人目がリーダーの「ありすぅ」さん

 

—ありがとうございました!決勝大会でのご活躍も期待しております!

 

両チームとも、ただのゲームではなく、勝負として真剣に取り組んでいる姿勢が印象的でした。

この両チームが出場する「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」決勝大会は7月13日、14日に幕張で開催されます。そこでも手に汗握る戦いが繰り広げられることと思いますが、それまでに筆者はもっとモンストとモンストスタジアムを勉強してから会場へ足を運ぶ所存です。

 

撮影/中田 悟、畑野壮太