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2020/10/29 17:00

工具メーカー・KTCの若年層向け「技育」アイテムを使ってみた!

ホームセンターにはドライバー、スパナ、レンチといった工具やねじ類がズラリと並んでいます。特に工具は安価なものから本格的なものまで様々ですが、バイクや自動車いじり好きの人の間で絶大な支持を誇る工具メーカーがKTC。プロメカニックからの信頼も厚く、自分のバイクや自動車を修理に出す際には、工場でもよく目にする工具です。

↑今年で創立から70周年を迎えたKTC。高品質の工具ばかりをリリース。日本が世界に誇る高品質の自動車産業を後押ししました

 

そのKTCが近年提唱しているのが「技育」。言葉通り、技術者育成のための活動で、工具やボルトなどをコンプリートした若年層向けのキットもリリース。対象年齢は「15歳以上」としながらも、保護者監督のもとであれば小学生から遊べるもので、前述のようなプロユース同様の工具、部品類が採用されています。今回はKTCが展開する「技育」向けアイテムのうち、「ねじブロック×KTC チャレンジャーキット」を実際に使い、その中身に迫ります。

↑KTCが近年提唱する「技育」にまつわるアクティビティ。関連商品が複数展開されています

 

KTCの「技育」アイテムの2つをゲット!

今回、筆者がゲットしたのは、「技育」入門編となる「ねじブロック×KTC チャレンジャーキット」と、工具のなんたるかが分かる「なるほど!工具ノート~ねじを回すための工具編~」。ねじブロックとは、ねじでブロック同士をつなぎ合わせ組み立てる橋本螺子による玩具で、2016年には「第10回キッズデザイン賞・TEPIA特別賞」を受賞。このねじブロックにKTCの工具をセットしたものが、ねじブロック×KTCです。

 

そして、工具に親しみのない方に対し、種類や特徴をイラストによって分かりやすく解説している「なるほど!工具ノート」。この2つで工具の種類、選び方、使い方を、老若男女誰でも知ることができそうです。

↑左が「ねじブロック×KTC チャレンジャーキット」3300円(税込)。右が「なるほど!工具ノート~ねじを回すための工具編~」880円(税込)

 

↑ケースを開けると、スパナ、スタッビドライバを含む45点の部品類がコンプリート。組み立て好きのお子さんなら、開けた瞬間に高揚するはずです

 

↑スパナ、スタッビドライバはKTCのプロユースそのまま。扱い次第では、一生涯にわたり使い続けることもできる工具です

 

↑なるほど!工具ノート~ねじを回すための工具編~より。工具に不慣れな方の思いから生まれた、お子さんにも分かりやすい一冊です

 

↑一口に「ねじ」といっても様々なタイプのものがありますが、この種類を分かりやすく解説

 

↑様々なねじに対し、どんな工具を使うべきかも種類ごとに解説。同じ六角ボルトを回すためであっても、複数の工具が存在することも教えてくれます

 

設計図もまた、プロ用の図面やパーツリストを見ているかのよう

さっそくねじブロック×KTC チャレンジャーキットを使い、同梱の設計図にしたがって「レーシングカート」を組み立てていきます。設計図には、かなり細かく指定部品の番記と、組み立て順が書かれており、まるでバイクや自動車の図面やパーツリストを見ているかのようです。しかし、これがまた楽しく、特にブロック玩具で何かを組み立てることが好きなお子さんにとっては、この「プロっぽい」感じもたまらなく集中できる商品のように思いました。あまたある従来の「玩具」に満足できないお子さんのハートを鷲掴みにしてくれそうです。

↑プラモデルなどの設計図よりも簡潔かつ複雑に映りますが、この感じもまたプロっぽくてたまりません

 

↑さっそく組み立て始めてみました。ねじとボルト類のつなぎ合わせのうち、手で回せるところは仮で組み込みます

 

↑仮で組み込んだねじとボルトの最後の締め付けをスパナでキュッとしめます。この感触はプラモデルにはないから、お子さんにとっては特に真新しく感じるかも?

 

↑設計図には、「組み立て順」の記載はなく、部分ごとに作り上げて、最後に合体させ仕上げる仕組み。このおかげでお子さんと親、兄弟、友だちとの共同作業もできそうです

 

↑部分ごとに作り上げたものを、最後に合体させていよいよ完成へ

 

完成の喜びと合わせて、部品個々の合理性もよくわかる

ついに完成しました、レーシングカート! こちらです。

↑筆者の場合の完成までの所用時間は約20分でした!

 

それなりに感慨深く思う筆者でしたが、完成するまで不思議に思うこともいくつかありました。「なぜ、ここでゴム製のワッシャーを挟むのか」「なぜここに可変させる組み立てを行うのか」というようなことです。

 

しかし、こういった疑問も完成後に判明。「カートを走らせた際の衝撃吸収のためにゴム製ワッシャーを用いている」「直進だけでなく左右に走行を変えられるようにするため、後輪部品に可変部品を用いている」といったことが分かりました。こういった「不思議に思うこと」が、組み立てによって「なるほど!」に変わる点もねじブロック×KTC チャレンジャーキットの利点で、特に若年層にとっては、技術体験と合わせて、想像力も膨らむように思いました。

↑今回作ったレーシングカート以外にも、様々なものを作ることができます

 

作品の幅を自由に広げ、「将来の技術者に繋がること」に期待!

最後にKTCの広報担当者の方に話を聞いてみました。

 

ーー従来の工具ユーザーだけでなく、KTCが特に若年層向けに開発した「技育」商品をリリースした経緯と思いを聞かせてください。

 

担当者 「技育」とは「ものづくり」への知識や技術、こころを育み、新しい世代の技術者を育成するためにKTCが提唱しているアクティビティです。これら関連商品の対象年齢は「15歳以上」としていますが、保護者監督のもと小学生のお子様から遊んでいただけます。また、お年寄りの方にも手を動かすリハビリとしてお使いいただけます。

特に、ねじブロック×KTCはものづくりに興味を持ってもらう、ものづくりの楽しさを伝えたいという思いから誕生した商品で、ねじブロックの生みの親、橋本螺子さまとのコラボレーションにより誕生しました。

 

ーーオプション品があったりして、設計図以外のものを作る自由度があるのも良いですね。

 

担当者 作れるものに決まりはなく、自由な発想で動物やクルマなど様々なものが作れます。オプションキットを追加したり、本キットに使用しているねじ(JIS規格 M6×1.0)と同規格の市販のねじを組み合わせたりすることで、さらに作品の幅が広がります。

 

ーー実際に使われた方の反響と、今後の展望を聞かせてください。

 

担当者 ねじブロック×KTCを発売した2017年に「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2017」という展示会へ出展した際のワークショップでは、多くのお子さまに体験いただき、保護者の方からも「これはいい!」との高評価をいただきました。また、お子さまやお孫さまのプレゼントとしても人気の商品です。

今後もさらにアイテムを充実させ「技育」を広めていきたいと考えています。今ねじブロックで遊んでいる子どもたちが、数年後、KTCの工具を使うような技術者に育ってくれていれば、本当に嬉しいですね。

↑「ねじブロック×KTC プロフェッショナルキット」6270円(税込)。今回使ったチャレンジャーキットがスパナ、スタッビドライバを含む45点入りだったのに対し、こちらは64点入り。さらに複雑なものを作ることができそうです

 

↑「ねじブロック×KTC オプションキット」2200円(税込)。チャレンジャーキット、プロフェッショナルキットに、31点の部品を追加するためのもの。ものづくりの可能性がさらに広がる商品です

 

↑「両開きペーパーケース」1650円(税込)/サイズ:W200×H107×D110mm。KTCの「両開きメタルケース」(EK-1A)を模したペーパークラフト。シャレのきいたかわいいアイテムです

 

これからの時期、お子さんがいる家庭ではクリスマスプレゼントなどを意識すると思いますが、KTC提唱の「技育」にまつわるこれらの商品は「あげて楽しい」「もらって嬉しい」「学びにもなる」という、まさに三方良しなアイテムだと思いました。プレゼント選びに困っている方、ぜひ候補にしてみてください。本当に楽しく有意義なプレゼントになると思いますよ!

 

撮影/我妻慶一

 

 

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