本・書籍
2017/1/29 18:00

もう首の痛みに悩まない! 驚くほど「首への負担が減らせる」3つの生活習慣

今まで全く首がコるという経験がない外国人も、来日し、日本で暮らし始めると首の痛みを訴えることがある。それは、お辞儀をする、うなずくという日本独特の動作で首に負担がかかるからなのだとか。

 

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日本人は首コリに悩まされる人は少なくない。外国には日常の動作でそこまで首を下に向けることがないため、首コリ知らずの人もいるそうだ。一体どのような暮らしかたをすれば、首の負担が減るのだろうか。『首・肩の頸椎症は自分で治せる!』(学研プラス・刊)の著者であり、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎先生にお話を伺った。

 

 首には多大な負担がかかっている

人間の頭の重さは体重の約10パーセントだという。体重50キロの人なら約5キロで、この重みを細い首が支えているのだ。さらに、頭が2センチ前に出ると約10キロ、4センチだと約20キロもの負荷になるのだとか。

 

本には「うつむきや前かがみの姿勢」が頚椎に負担をかけると書かれている。「スマートフォンや携帯電話、パソコン、携帯ゲーム機などを使うとき。読書や勉強をするとき。料理や洗い物をするとき。電車やバスで居眠りをするとき。車の運転をするとき」が、首が前に出てしまいやすいという。にしても、日本人の情緒的な美しさであるおじぎやうつむきなどの態勢までもが首にはきついものだというのは、なんとも残念な現実である。

 

【その1】マフラーやストールを巻く

首が冷えると血流が悪くなるので、首のコリは進行しやすくなる。実はパーティーの時のドレアップスタイルは、首に悪いことづくめなのだそうだ。まずデコルテの開いたドレスは首を冷やしやすいし、重いネックレスやイヤリングやピアスも首に負担がかかる。もちろんウィッグも頭の重みが増すので注意が必要だ。

 

首は夏でも温めておくほうが良いという。シャワーでも首の後ろに念入りにお湯を当て、スカーフやストール、マフラーで首を温める。これが本に出てくるおしゃれに健康を保つポイントだ。「寒かったり悩みがあると、首が前に出たり、下を向いたりしがちです」(酒井先生談)ということなので、首のためにも、保温やストレス発散を心がけたほうが良さそうだ。

 

【その2】スマホの持ち方を変える

スマホを見るときは、下を向きがちだ。酒井先生は、これを解消するために、良いポーズを考案された。それは、スマホを持っていないほうの手のひらで握りこぶしを作り、それをスマホを持っている腕のほうの脇の下に挟むのだ。

 

やってみたけれど、確かに自然とスマホを持つ手が上がり、顔の正面にスマホがくる態勢になる。そうすると確かに目も首も楽だ。しかもしっかり支えているので、スマホに夢中になって自然と画面が下がってくることもない。

 

カメラマンで、カメラがブレないために握りこぶしを脇に挟んでいる人がいて、それで思いついたんです」と酒井先生は言うが、確かにしっかりとスマホも固定されている。今まで伏目がちに下を向いてスマホをいじって地面ばかり見えていたのが、いきなり左右が良く見えるようになるので、このポーズに驚く人は多いはずだ。

 

【その3】PCの位置を上げる

PCに長時間向かう人も、常に目線も首も下に向けている人が多いはず。筆者は近視だからなのか、ハッと気づくと、画面に向けて顔を近づける態勢になっているが、これも首に良くないのは明らかだ。解決のためには、モニターの位置を顔と同じ高さにまで上げることだという。例えば3段ボックスなどを机の上に置き、その上にパソコンのモニターを置くのもいい。

 

試してみると、数十センチほどだろうか、だいぶ上の位置にPCが来る。画面は顔の正面にあり、やはり顔を下に向けなくていい。最初は違和感があるが、この高さに慣れてきさえすれば、確かに首のこりはかなり軽減されそうだ。ただし、キーボードも付いているノートパソコンの場合、両手も肩の高さほどに上げて打たなくてはならないので、少し厳しい。ワイヤレスキーボードを別に用意する必要があるかもしれない。

 

良い姿勢になるには

酒井先生によると、首の痛みには時差があるという。少しずつ負荷が蓄積されていき、ある日限界に達するのだそうだ。それを防ぐために「体に良い姿勢を1日1回でいいので体に覚えさせることが大切」だという。

 

本にはベストな姿勢を体に教えるための体操が何個も紹介されている。「1回1〜2分でできるので、それほど難しいものではない」ということなので、すぐにでも始めてみたい。

 

体に良い姿勢を記憶させるためにも、朝に体操をすることをお勧めします。症状がある方は昼間の休憩時間に1、2分体操を入れるのもいいでしょう。僕は赤信号で止まった時などに体操してますね」(酒井先生)。自然と習慣になるのがベストなので、例えばお手洗いに立ったついでに体操をするクセをつけるというのも、いいかもしれない。

 

早くて2週間、遅くても1ヶ月でかなり変わってくきます。1日2日では体に抵抗を感じたり、別のところに痛みが出ることもありますが、怖がらないで試していただきたいですね」と先生もおっしゃるように、姿勢は一朝一夕で直るものではないので、根気よく続けることが大切なようだ。

(文・内藤みか)

 

【参考書籍】

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首・肩の頸椎症は自分で治せる!

著者:酒井慎太郎

出版社:学研プラス

激しい頭痛やめまいまで引き起こすひどい肩や首のこり。これは頸椎症と呼ばれる深刻な病気。関節矯正のカリスマが、自分で頸椎症を治せるセルフケアの方法を伝授する。多くの腰痛患者を救った「脊柱管狭窄症は自分で治せる!」の姉妹編の登場だ。

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