ヘルスケア
2017/12/1 20:00

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【04・退院後が真の始まり】

今年5月、突然の脳梗塞で入院。9月初旬に退院できたものの、病院が日常で、自宅や仕事先が非日常になっていた――。本記事は、脳梗塞を患って入院した40代フリーランスの退院後の生活をレポート。退院から約3か月経って起こったこと、感じていることを綴っていきます。

 

【過去の記事はコチラから】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【01・異変】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【02・入院生活】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【03・リハビリ】

 

まだ回復中なのにリハビリの回数が減るという不安

9月初旬の退院から約3か月が経過しようとしています。入院最後の1か月は集中的なリハビリを受けながらも、仕事に出たり、自宅に帰ったりと、社会復帰を前提として動いていました。この時はやっと元の生活に戻れる、といううれしい気持ちと、病院での集中リハビリが終わることへの不安の2つが自分にあったのを憶えています。医療保険では脳梗塞の場合、発症後150日(重度の場合180日)はリハビリ病院に入院していれば1日最大3時間までリハビリが受けられるのですが、退院すると上限は2時間になり、激減します。

 

そして退院の日。毎週末帰宅していたこともあり、家に帰ったことの感慨深さは、それほどありませんでした。入院していた病院では、脳外科患者の外来リハビリを受け入れていなかったため、退院後は転院先で行うことになります。この転院先の初診予約が取れたのが退院の10日後。診察後に実際のリハビリを予約するという流れだったため、退院後はいきなり10日以上の期間が開くことになってしまいました。

 

退院後、2か月間のリハビリは週2回ずつ、手を中心とした作業療法(OT)を40分(2単位/1単位は20分)、歩くことを中心とした理学療法(PT)を40分(2単位)受けられることになりました。上述の通り、医療保険では発症後150日(重度の場合は180日)は1日最大3時間までリハビリが受けられるのですが、退院後の上限は1日2時間。療法士さんの人手不足もあり、通院では週1、2回目が一般的なようです。

 

さらに退院して3か月、発症から180日が経過すると病気は「回復期」から「維持期」に移行します。「180日を経過すると一般的には劇的な回復が見込めない」という判断により、医療保険を使って受けられるリハビリの数が、月あたり13単位(計260分)に制限されるのです。私の場合、1日4単位を週2回で月32~40単位だったのが、3分の1になりました。

 

著者は入院リハビリによって「自立歩行」まで回復しましたが、まだ長時間の外出時は杖が手放せず、また、右手はまともに使えない状態です。この段階でリハビリ回数が大きく減ってしまう保険リハビリは非常に残念。まだ40代ということもあり、まだ回復も続いています。制度上決まっていることとはいえ納得はできませんでした。

 

結局、維持期に入ってからは月13単位の保険リハビリに、別途、自費診療を組み合わせていくことにしました。自費診療はかなりの高額なので、後遺症と戦いながらの生活にはなかなかの経済的な負担になりそうです。

 

満員電車が怖いからできるだけ座れる電車を選ぶ

仕事方面では退院したこと、ライター活動を正式に再開したことなどを伝える意味も込めて、打ち合わせや、各種発表会、説明会にも出向きはじめました。

 

筆者の自宅は東京都下なので、郊外の自宅から都内に行くには、1時間ほど電車に乗ることになります。まだ脚や体幹の筋力が大きく不足しているため、移動は杖をつきながら。このため、多くの場合は優先席に座っています。

 

とはいえ、優先席もいつも空いているわけではなく、時には杖をついたまま立って移動することもあります。右足が踏ん張れず、右手にも力が入らないため、この満員電車で立って移動するのが非常に怖く、できるだけ乗らないようにしているのが現状です。

 

最近では、混む時間帯に電車に乗る場合には多少遠回りになっても有料でも必ず座れる特急ロマンスカーを使うようにしています。「ロマンスカー@クラブ」に事前登録しておくと、スマートフォンからサッと座席予約・購入できるのが便利。また、座席指定の特急などがない電車の場合は普通列車に乗るなど、できるだけ座れるように調整しています。

 

どんどん器用になって行く左手、右手の回復とどっちが早い?

目下の課題は右手の回復です。ライターという仕事上キーボードを使う必要がありますが、現在は右手を使うことができず、左手のみでキーボードをタイピングしています。現在、原稿を書いたり、長文のメールを書くときはすべてスマートフォンのフリックで操作。また、音声入力を使うこともあります。入院中を含めもう半年近くそれらで原稿を書いているため、フリック入力のスピードはかなり早くなりました。

 

発症から半年経ってちょっと面白いと思っているのは、左手だけでのキーボードタイピングがかなり早くなったということ。ブラインドタッチができるまでにはいきませんが、ちょっとしたメールの返信なら、左手だけでタイピングできるようになってきました。

 

とはいえフリック入力も左手キーボードも、病気になる前のキーボード入力スピードで比べると半分以下です。キーボードの入力スピードを従来並に戻すことが当面の目標になりそうです。

 

また、元々の趣味でもある料理もだいぶコツを掴んできました。細かな包丁使いはまだできませんが子どものお弁当を作ったり、カレーを煮込んだりするぐらいはできるようになってきました。これも左手用の料理ツールを色々と揃えることと、右手の回復が同時進行で進んでいます。

 

自費リハビリでリハビリ時間を維持していることもあり、退院したときよりも身体の状態は良くなってきています。時には「できないこと」の多さに心が沈むことがありますが、今は左手がブラインドタッチになるのと、右手でタイピングできるようになるのかどっちが先なのかを楽しみにしながら、少しずつ日常生活と仕事を取り戻して行けたらと思っています。

 

監修:虎の門病院分院精神科 深澤 祐樹医師

https://www.toranomon.gr.jp/kajigaya/

 

【過去の記事はコチラから】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【01・異変】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【02・入院生活】

40代フリーランスが脳梗塞で倒れて起こったこと【03・リハビリ】