ヘルスケア
エクササイズ
2018/9/5 23:00

「理想の身体になる」ではダメ! 大切なのは「理想の身体でい続ける」こと――『7days スクワット』

先について考えるのが際立って得意なわけではない筆者が、常に“先”を意識していることがひとつだけある。それは、10年先の自分の姿をイメージしたトレーニングとコンディショニングだ。32歳の時にかなり体重が増えてしまい、それがきっかけでジム通いを始め、半年を過ぎた頃からトレーナーのアドバイスをそのまま受け容れ、10年先の自分を意識し始めた。あのトレーナーには、今も感謝している。

 

 

20年ジムに通ってわかったこと

以来20年以上にわたってジム通いを続けているわけだが、この過程で、かなり自分を追い込む期間が定期的に訪れた。エアロビクス、スイミング、ウェイトトレーニング、ランニングといった運動に特化する時期だ。特にエアロビクスには10年近くハマった。

 

ただ、コンディショニングということを考えると、どれかひとつだけに絞ってしまうのはちょっと違う気がした。そこで、40代に入ったのを機にヨガやピラティスなどインナーマッスルを鍛えるクラスにも参加することにした。これも、10年先を意識した上での行いだ。

 

そして50歳半ばを超えた今、筆者はコンディショニングを強く意識している。いや、コンディショニングに強い意識を置いたトレーニングと言った方がいいだろうか。キツいと感じる要素がまったくないと、体が驚かない。予定調和を優先させてしまうと、いくらジムに通っても何の意味もないような気がする。

 

 

ジムに通う理由ってなに?

ジムに通う理由や動機は何だろうか? 一番多いのは、おそらくダイエットだろう。次はシェイプアップだろうか。ただ、どちらも長いスパンでとらえなければならない。ダイエットは、開始後しばらくの期間は劇的なレベルで体重が落ちるが、一定の体重に達するとぴたりと止まってしまうことが少なくない。シェイプアップは目で見てわかる結果が出るまでかなり時間がかかる。途中で心が折れてしまっても仕方がないかもしれない。

 

ダイエットもシェイプアップも、すぐに答えが欲しいというのが本音であるはずだ。しかし、入り口であるここで間違ってしまうと、目的が何であれ、エクササイズという行いにかける時間が無駄になりかねない。

 

筆者がこれまで出会ってきた数多くのトレーナーやインストラクターが語っていたのは、コンディショニング・トレーニング双方に通じる基礎的な運動の大切さだ。

メリハリボディと機能性が高い足腰

基礎的な運動という言葉を聞いて、みなさんはどんな動きを連想しますか? 腕立て? 腹筋? どちらも大切だが、シンプルな動きの中で上半身と下半身の筋肉をすべて整えていく基礎的な運動として挙げられるのがスクワットだ。

 

7days スクワット』(比嘉一雄・監修/学研プラス・刊)は、スクワットという運動のエッセンスをぎゅっとまとめた一冊だ。スクワットの効能は、さまざまな情報バラエティー番組で特集が組まれるほど話題になっており、若年層から高齢者まで同じように効果があることから、かなり注目されている。

 

スクワットを真面目にやって手に入れられるものは何か。比較的短いスパンで考えるなら、しっかりメリハリがついたボディーラインということになるだろう。でも、それだけではない。10年先も20年先もしっかり歩き、走るための機能性が高い足腰だ。

 

 

基本から上級編まで:いろいろなスクワット

本書では、ごく普通のスクワットからワンレッグ・デッドリフト、相撲スクワット、バック・スウェイ・スクワット、さらにはツタンカーメン・ブリッジ、バウンド前屈、フラミンゴ・スクワット、サイド・ニー・トゥ・エルボー、シシー・スクワット、そしてハイヒール・スクワット、アリゲーターといったバラエティーに富んだ体の動きが紹介されている。

 

これらを正しい姿勢でこなせるようになったら、ブルガリアン・スクワットやルーマニアン・デッドリフト、ロシアン・ツイストなど、言葉の響きまで上級編の動きにもトライできる構成になっている。

 

 

まずはお試しで7日間

運動は、なぜ必要なのか。「はじめに」に説得力抜群な文章を見つけた。

 

ボディメイクにおいて本当に大切なことは「理想の体になる」ことではなく、「理想の体でい続けること」です。

『7days スクワット』より引用

 

さらに、こんな言葉が続く。

 

良くも悪くも、人は慣れていきます。「良くも悪くも」です。エクササイズもはじめは面倒でしょう。しかし、必ず慣れ、そして習慣化します。

『7days スクワット』より引用

 

続けられる習慣とするために本書で設定されているのが、7日間なのだ。この7日間で体重が減ったり、ウェストが細くなったりといった目に見える効果が出るかもしれない。

 

わかりやすい効果が得られなかったとしても、そこでがっかりしてはいけない。7日間続けられたという満足感は、何物にも代えがたいとは言わないまでも、かなりのインパクトがあるはずだ。この感覚は、運動経験が少ない人ほど強いだろう。

 

スクワットという運動を軸に、日々の食事や飲み会について気を付けること、トレーニングにありがちな疑問に関するQ&Aなど、かゆい所に手が届く、ユーザーフレンドリーで実用的な作り込みが感じられる。地味でつまらない運動と思われがちなスクワットを何とか楽しんでほしい。そんな工夫もあちこちに見られる。

 

一番効くのは、やっぱり“地味な運動”ということなのだろう。

 

【書籍紹介】

7Daysスクワット

著者:比嘉一雄
発行:学研プラス

ボディメイクやダイエットに効く「スクワット」。本書は手軽で場所を選ばないこのトレーニングをさらに効率化し、わずか7日間で目に見える効果を得ようというもの。薄着の季節を前に気になる部分に集中アプローチ、来週には成果を実感できる、うれしい一冊!

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