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掃除機
2018/2/2 18:30

「窓掃除ロボットに勝算アリ!」販売代理店、SODCがアクセサリーに込めた「日本ならでは」の戦略

窓掃除は、できれば寒い季節にはやりたくないですよね。共感できる人にぜひ注目してほしいのが、セールス・オンデマンド(Sales On Demand Corporation、略称でSODC)が2月22日から発売を予定している窓掃除ロボット「ウインドウメイト」です。永久磁石を内蔵した2つのユニットで内側と外側から窓を挟んで上下左右に動き、窓の両側を同時にお掃除。これさえあれば手が届かない高所の窓や足場の乏しい危険な窓、手の入らない格子窓の掃除もラクラクです。

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2015年に業務用として発売されたものを一般ユーザー向けに改良

家電好きなら「ウインドウメイト」の名前に聞き覚えがあるかもしれません。ウインドウメイトは、実は業務用が「WMシリーズ」として2015年から販売されています。今回登場したのは、これを一般消費者向けに改良したモデル「RTシリーズ」。業務用に比べ、窓ガラスに吸着するための磁力調整が不要になったほか、専用洗剤だけでなく市販のガラス用洗剤が使用可能になっています。

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本機は韓国のRF社が開発した製品で、韓国では現在販路を絞って試験販売中。本格販売は日本が先行になります。日本で先行できた理由の1つが、販売代理店であるセールス・オンデマンドの働きかけ。同社は昨年4月まで、ロボット掃除機の代名詞となった「ルンバ」の国内販売代理店であり、ルンバを国内でブレイクさせた立役者です。

↑韓国RF社の李 順馥(リ・スンボク)社長(左)と、セールス・オンデマンドの室崎 肇社長
↑韓国RF社の李 順馥(リ・スンボク)社長(左)と、セールス・オンデマンドの室崎 肇社長

 

ルンバ開発元のアイロボットの日本法人設立に伴い、2017年4月にルンバの製品販売事業を売却しました。しかし、それまでに培ったノウハウや人脈を活かし、今度は「窓掃除ロボット」で再び国内に旋風を巻き起こすべく、韓国のRF社と独占販売契約を締結。国内販売に向けて積極的に動いた結果、今回の先行販売を実現したのです。

 

2つのユニットが強力な磁力で引き合うので下に落ちない

ウインドウメイトは先述の通り強力な磁力で窓ガラスを挟むことで下に落ちないようになっています。このため、主に外側の窓ガラスを掃除するクリーニングユニットと、主に内側の窓ガラスを掃除するナビゲーションユニットの2つをセットにして使用します。

↑ウインドウメイトが窓を昇りながら掃除する様子
↑ウインドウメイトが窓を昇りながら掃除する様子。自分の名前を…(左)消しちゃった!(右)

 

クリーニングユニットには毛足の長いクリーニングパッドを装着し、そこに洗剤を吹き付け、ホコリや砂、鳥のフンなどの汚れをしっかり除去。一回ぶんの洗剤を吹き付けると約2㎡が掃除できます。ナビゲーションユニットには毛足の短いマイクロファイバーパッドを装着。から拭きで手で触って付いた指紋や皮脂汚れ、タバコのヤニ、ペットの鼻スタンプなどを拭き取ります。

↑梱包箱にはクリーニングユニット(左)とナビゲーションユニット(右)がセットで入っています
↑梱包箱にはクリーニングユニット(左)とナビゲーションユニット(右)がセットで入っています

 

↑内容物一覧。左上からナビゲーションユニット(底面)、クリーニングユニット(底面)、専用洗剤、取付補助パッド、着脱落下防止ストラップ、リモコン、リチウムイオンバッテリー(専用)、専用充電器、から拭き用ナビゲーションパッド、洗剤吹付け用クリーニングパッド
↑内容物がこちら。左上からナビゲーションユニット(底面)、クリーニングユニット(底面)、専用洗剤、取付補助パッド、着脱落下防止ストラップ、リモコン、リチウムイオンバッテリー(専用)、専用充電器、から拭き用ナビゲーションパッド、洗剤吹付け用クリーニングパッド

 

クリーニングパットに吹き付ける専用洗剤は速乾性が高く、ムラのないキレイな仕上がりになるとのことですが、市販の洗剤でも十分キレイになるとのこと。専用洗剤は1本を同梱するほか、業務用のWMシリーズのものでは300ml×6本のセットが希望小売価格で税抜3300円で販売されています。

↑クリーニングユニットにクリーニングパッドを装着しているところ
↑クリーニングユニットにクリーニングパッドを装着しているところ

 

4つのセンサーで効率よく掃除する

使う時はクリーニングユニットとナビゲーションユニットを両手に分けて持ち、掃除したい窓の内側と外側で挟みます。永久磁石なので、バッテリーが切れてもウインドウメイトが落下する心配はありません。ただ、永久磁石はかなり強力なので、セット時に勢い良くぶつけないよう注意が必要です。磁気カードなども近づけないようにしてください。

 

窓にセットする際の場所はどこでもOK。ナビゲーションユニットの本体中央にある電源ボタンを押すと、最初に超音波センサーで現在地を確認してメモリーします。

 

ちなみに超音波センサーのほか、窓の端を感知するバンパーセンサー、本体の移動距離から位置関係を把握する加速度センサー、ユニット同士がずれないよう調整する磁力センサーの4種類のセンサーを搭載しています。

↑ナビゲーションユニットの前後に合計4つの超音波センサーを搭載。窓枠までの距離を測定します
↑赤い円で囲んだ部分が超音波センサー。ナビゲーションユニットの前後で合計4つを搭載しており、窓枠までの距離を測定します

 

上から下へのジグザグ走行で拭き残しがない

ナビゲーションユニットの内側には大きなタイヤが付いていて、このタイヤの摩擦力で窓の表面を動いていきます。現在地を確認した後、上に昇って窓の高さと幅を確認し、左右にジグザグに動きながら降りてきます。ジグザグ走行は同じところを重ね拭きする角度になっていて、掃除が終わるか、バッテリーが切れそうになると、最初の位置へ自動的に戻ってきて止まります。

↑ウインドウメイトは最初に一番上まで昇った後、上から下へジグザグに降りてきます
↑ウインドウメイトは最初に一番上まで昇った後、上から下へジグザグに降りてきます

 

手を入れづらい格子窓も、約50mmの幅があればウインドウメイトが入っていって掃除してくれます。以下の写真は、よく見ると内側に来るべきナビゲーションユニットが外側に来ているので、内外が逆になってしまっています。汚れや隙間に応じて内外を入れ替えて使ってももちろんOK。

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↑格子窓の内側を掃除する様子

 

「万が一」を防ぐ日本独自のアクセサリーを理解してもらうのに苦労した

セールス・オンデマンドでは、国内販売に向けてRF社と協議する中で、日本独自のアクセサリーを2つ提案。RF社が採用し、標準添付となっています。アクセサリーはいずれも着脱時に利用するもので、2本の「着脱落下防止ストラップ」と「取付補助パッド」です。

 

着脱落下防止ストラップは左右それぞれの手と本体に取り付けることで、窓にセッティングする際に万が一、手から滑り落とす可能性を取り除くもの。

↑着脱落下防止ストラップがあれば、ウインドウメイトを足元に落とす心配も軽減
↑着脱落下防止ストラップがあれば、ウインドウメイトを落とす不安が減ります

 

取付補助パッドは窓に設置する際に、窓に勢い良くぶつかるのを防ぐためのもの。いずれも窓ガラスにセットしたら運転開始前に取り外します。

↑永久磁石の磁力が強いため、窓に強くぶつけそうで心配。そんな人のために取り付け補助パッドが用意されています
↑青いパッドが取り付け補助パッド。永久磁石の磁力が強いため、窓に強くぶつけそうで心配…という人のために用意されています

 

セールス・オンデマンド 執行役員 事業本部の小野寺英幸本部長は、日本市場向けとして着脱落下防止ストラップと取付補助パッドをRF社に提案するにあたり、もっとも苦労したのは「RF社と円滑なコミュニケーションが取れる関係を築くことだった」といいます。言語も文化も法律も異なるため、ただ「不安だから」では必要性がなかなか理解されないということですね。

 

「窓の厚さなんてわかんないよ」という人に専用メジャーを用意

なお、ウインドウメイトは使用する窓ガラスの厚さによって、磁力の強さが異なる4つの機種をラインナップしており、自宅の窓ガラスに合った製品を選ぶ必要があります。対応する窓厚は5~10mm、11~16mm、17~22mm、23~28mmの4タイプ。セールス・オンデマンドによれば、一般的な家庭で使われる窓ガラスはおおむねこの幅の中に収まるとのこと。

 

とはいえ、「自分の家の窓の厚さがわからない」「厚さを測る方法を知らない」という人がほとんどではないでしょうか。そこで、同社では簡単に窓の厚さが測れる「窓厚メジャー」も用意。取扱店舗や公式サイトからの資料請求で無料配布します。このほか、ユーザー登録特典として、個人賠償責任保険1年間分が無料となっています。万が一の落下などで他人にケガをさせてしまったり、他人の財産を破損した場合に補償するものです。

↑窓厚メジャーで自宅の窓の厚さを測り、磁力の合ったモデルを選びます
↑窓厚メジャーで窓を挟むと、該当する部分に矢印が。これで自宅の窓に合ったモデルが選べます

 

なお、ウインドウメイトはどんな窓にも使用できるわけではありません。使用できない窓は、以下の通り。
●対応している厚さではない窓ガラス●窓枠とガラス面との段差が3mm未満の窓●長方形、正方形以外の丸形や三角形、台形などの窓●天窓など床に対して垂直ではない窓●ガラスと窓枠の隙間を埋めているシール材が柔らかい材質の窓●ステンドグラスや凹凸の多い窓ガラス●カッティングシートや日よけシートを貼り付けた窓ガラス●一辺が70cm未満の窓ガラス●濡れていたり、油で汚れている窓ガラス●窓枠のない窓ガラス●曲面のある窓ガラス

 

二匹目のドジョウを狙うセールス・オンデマンドの戦略とは?

セールス・オンデマンドでは、窓掃除を高頻度で行う世帯像として、「毎日多忙だけれど、手軽に窓をキレイにしたい子育てファミリー共働き世帯」をイメージしています。

 

これは同社が実施した1万人規模の調査の結果から導き出された、窓掃除を高頻度で行う世帯像。具体的には、40代前半の男女で既婚で、配偶者と子供のいる世帯で、大都市近郊の3LDK以上の一戸建てに住み、共働き、世帯年収は800万~1000万円程度となっています。戸建てを想定するのは、掃除しづらい窓の数が多いのと、引っ越しの可能性が低いこともあるでしょう。それに高層マンションでは窓の外側は業者が掃除するケースがほとんどで、住人が自分で掃除する必要がありません。

↑窓掃除を高頻度で行う世帯像。これがそのままターゲットユーザーに
↑窓掃除を高頻度で行う世帯像。これがそのままターゲットユーザーに

 

セールス・オンデマンドは年間販売目標として初年度3万台の数字を掲げ、家電量販店や百貨店を中心とした販売に注力していくとのこと。窓掃除用の道具類はホームセンターが充実しているので、そちらでの訴求もユーザーの気付きに繋がりそうですが、当面は考えていないそうです。また、ネット通販も家電量販店のサイトが中心となり、ネット通販のみのチャネルはあまり積極的に展開しない予定とのこと。

↑従来の窓掃除とロボットによる窓掃除を比べれば、メリットは一目瞭然
↑従来の窓掃除とロボットによる窓掃除を比べれば、メリットは一目瞭然

 

新しいカテゴリーの商品なので、まずはエンドユーザーのタッチポイントとなる店頭で実物を見てもらおうというのは、ルンバに代表されるロボット掃除機での展開をなぞる戦術。ルンバを手掛け始めたころと比べ、現在はロボット掃除機の認知も高まり、導入の敷居も下がっていることから、同社では窓掃除ロボットも十分勝算があると自信を見せています。事前に窓の厚さを測る必要があるというネックはありますが、本機がルンバと同様にブレイクし、セールス・オンデマンドにとって二匹目のドジョウとなるのか? 今後の展開に注目したいところです。

 

ウインドウメイト RTシリーズ

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WM1000-RT10PW(適応窓厚:5~10mm)
●本体重量:1.6kg(ナビゲーションユニット)、0.9kg(クリーニングユニット)●公式ストア価格:6万4800円(税抜)
WM1000-RT16PW(適応窓厚:11~16mm)
●本体重量:1.7kg(ナビゲーションユニット)、1.0kg(クリーニングユニット)●公式ストア価格:6万4800円(税抜)
WM1000-RT22PW(適応窓厚:17~22mm)
●本体重量:1.8kg(ナビゲーションユニット)、1.1kg(クリーニングユニット)●公式ストア価格:6万9800円(税抜)
WM1000-RT28PW(適応窓厚:23~28mm)
●本体重量:1.9kg(ナビゲーションユニット)、1.2kg(クリーニングユニット)●公式ストア価格:6万9800円(税抜)

以下共通SPEC
●サイズ:W263×D250×H56mm(ナビゲーションユニット)、W250×D250×H50mm(クリーニングユニット)●電源方式:充電式リチウムイオンバッテリー●充電時間:最大7時間●連続使用時間:約90分間●消費電力(充電時):5W●動作音:60dBA以下●付属品:から拭き用ナビゲーションパッド×4枚、洗剤吹付け用クリーニングパッド×4枚、専用洗剤(200ml)、専用充電器、リチウムイオンバッテリー×2本、リモコン(試用乾電池付)、着脱落下防止ストラップ×2本、取付補助パッド)