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2018/8/7 22:37

低水位は「2分30秒がベスト」と悟った日立、タテ型洗濯機「ビートウォッシュ」に脱帽の新機能

日立アプライアンスは、縦型洗濯乾燥機で高い人気を誇るブランド「ビートウォッシュ」の新製品「BW-DV120C」(実売価格26万1500円)を6月16日に発売しました。今回の新製品は、洗剤のタイプを判別して洗い方を変え、これによってミートソースなどの食べこぼしも、泥汚れもキレイに落ちるとのこと。メディア向けの説明会で、その詳細を聞いてきました。

 

予洗いの手間を減らしながらしっかり汚れを落とす「新・ナイアガラ  ビート洗浄」

洗濯をしていて「汚れが落ちていない!」と思うのはどんなときでしょうか。同社が行った調査によると、汚れ落ちに対する不満で多いものは「襟・袖」「黒ずみ」「食べ物のシミ」です。さらに、落ちにくい汚れの場合、約62%の人が洗濯機に入れる前に予洗い(手洗いなどであらかじめ汚れた部分を集中的に洗っておくこと)しているという結果になりました。

↑洗濯機のユーザー調査。落ちにくい汚れを予洗いする人は62%と多くなっています

 

さらに同社は、洗剤についても調査しました。すると、液体洗剤が主流ですが、粉末洗剤も根強い人気があることが判明。洗濯物の汚れを落とすためには、洗濯機の「機械力」と「洗剤の力」両方が効果的に働くことが重要です。しかし、一般的な洗濯機は、どの洗剤を使っても洗い方は同じ。この点に着目した同社は、「洗剤の特性に合わせて洗い方を変えれば、もっと洗剤の力を発揮できるはず」と考え、開発を進めてきました。その結果誕生したのが、使用する洗剤をセンサーが見分けて、洗剤に合った洗い方をする「新・ナイアガラ  ビート洗浄」。これにより、予洗いの手間を減らしながら食べこぼしのほか、泥汚れ、襟・袖の汚れをしっかり落とすといいます。

↑新製品BW-DV120Cは洗濯・脱水容量12kg、乾燥容量は6kgです

 

↑新・ナイアガラ  ビート洗浄は洗剤の種類で洗い方を変えます

 

高濃度洗浄液をキープする「2分30秒」で洗剤に応じた洗い方に

この「新・ナイアガラ  ビート洗浄」の洗いの工程を見ていきましょう。まず、センサーで洗剤の種類(粉末・液体)を見分けたあと、2分30秒間、低水位の状態を作って洗浄液が高濃度な状態をキープします。日立アプライアンス担当者によると、「低水位で濃度が高い洗剤液を作ると、洗剤液がよく浸透します。高濃度洗剤液を衣類に浸透させると、食べ物の油汚れなどに効果を発揮します」とのこと。この2分30秒の間、粉末洗剤を使っていると検知したら、洗剤を溶かす時間を長めにとり、しっかり溶かしてから洗います。一方、液体洗剤はよく溶けるので、溶かすことよりも洗う動きを優先。洗濯槽の底部にある回転羽根「ビートウィングX」の回転数を上げて衣類を動かし、しっかりかくはんする洗い方に。その後、大流量シャワーによるたっぷりの水で汚れを洗い流し、泥汚れなどを落とす仕組みです。

 

と、ここまで聞いて、筆者にはひとつの疑問が。高濃度洗剤液を2分30秒よりももっと長い時間染み込ませていれば、さらに汚れがよく落ちるのでは? 同社の技術担当者に聞いてみると、「我々も最初はそう思っていたんですよ。ところが、BW-DV120C の標準コースの洗濯時間の目安、45分で洗った場合、低水位状態を2分30秒よりも長くして、そのぶん高水位状態を短くすると、今度は泥汚れが落ちにくくなったんです」との答えが。

 

泥汚れを落とすには、たっぷりの水である程度時間をかけて洗うことが重要。そのため、高水位時間が短くなると落ちにくくなるというのです。

【動画】

さらに、同社の担当者は汚れの再付着の課題についても説明してくれました。

 

「低水位状態だと、汚れの再付着の懸念もあります。最近の洗剤は汚れが再度付着しないようにはなっていますが、実験の中では、低水位状態で長い時間洗っていると、汚れの再付着や黒ずみが起きることもありました。汚れ落ち、全体の洗濯時間など、ちょうどよいバランスを研究した結果、低水位時間は2分30秒となったわけです」。

 

なるほど、「2分30秒」は、研究に研究を重ねた結果、はじき出されたベストな時間だったわけですね。

↑標準コースの汚れ落ち具合の例。サインペンの汚れは残っていますが、泥汚れをはじめ、ケチャップやしょうゆなどの色素がある汚れ、ファンデーションやミートソースなどの油分がある汚れもしっかり落ちています。ちなみにカレーのあとは近くで見るとうっすら黄色く残っていました

 

約98分で洗濯~乾燥を行う新「おいそぎ」コースが1.5kgである必然

続いて紹介された新機能は、軽い汚れの1人分の衣類(1.5kg)の洗濯物なら約98分で洗って乾かす新「おいそぎ」コース。急いで洗って乾かしたいものがある場合に便利ですし、1日の洗濯物をその日のうちに処理したい、汚れが定着する前に洗いたいという人には最適です。

↑新「おいそぎ」コースは体操着など、急いで乾かしたい衣類の洗濯に便利です

 

同コースは、脱水の回転数をアップするとともに、乾燥時の洗濯槽内の温度を見て除湿の効率を改善します。具体的には、同社の洗濯乾燥機は乾燥時に温度が上がって湿気がこもった槽内を冷却水を使って除湿するのですが、本機はその冷却のタイミングを槽内の温度を見てコントロール。洗濯から乾燥までの時間の短縮を実現しています。

 

さて、ここでまた疑問がひとつ。洗濯槽内の温度を見ながら除湿の効率を改善できるなら、標準コースにも同様の技術が搭載されているのでは? 担当者いわく「そう思いますよね。実は我々もそう考えたんですよ。ですが、今のところは新『おいそぎ』コースのみの機能なんです」との答えが。

 

実は、この新「おいそぎ」コースの「1.5kg」という量にも意味があるとのこと。通常の乾燥では一定時間後から冷却を開始しますが、新「おいそぎ」コースの場合は洗濯物の量が少なく、槽内水分が少ないため、槽内の温度が早く上がり始めます。そのため、温度を検知して除湿を始めると効率がよいというわけです。この「温度を検知しながら除湿する」機能の必要条件となるのが、「高速脱水」と「洗濯物の量が少ない」こと。洗濯物が少ないほうが高速で脱水しやすくなりますが、量が多くなると、高速で脱水するためにパワーが必要になり、布傷みの懸念も出てきてしまうといいます。こうした条件を加味したうえで、最適な量が1.5kgだったというわけなのですね。

 

不安やストレスを減らす小さな配慮にも感激

さて、これまで「新・ナイアガラ ビート洗浄」や、新「おいそぎ」コースなど、新搭載の機能を取り上げてきましたが、実は使い勝手の部分でも改良ポイントがありました。それが、新「糸くずフィルター」です。通常の糸くずフィルターは、乾燥しているとこびりつくし、濡れていると手触りが不快な感じがすることが少なくありません。しかし、本機の場合は、ケースをスライドするとフィルター内部にくっついている糸くずがカンタンに剥がれます。糸くずに触らずに手軽に捨てられるので、お手入れのストレスが格段に減りますね。

↑新「糸くずフィルター」

 

さらに、筆者が密かに感心したのが、強化ガラス採用のふたが軽い力で開けられて、ゆっくり閉まる点。これなら、フタがバタン! と落ちることで、手をはさんだり、フタが傷ついたりするんじゃないか……という不安から解放されますね。細かい点ですが、糸くずフィルターを含めた配慮は、ユーザーにはうれしいところ。もともと洗浄力や機能性には定評があった「ビートウォッシュ」シリーズが、より生活に寄り添った機能を備え、完成度を高めてきたという印象です。今後も、同シリーズが注目を集めることは間違いありません。

【動画】

 

↑従来から搭載している「温水ミスト」を使った洗浄コースや「ダニ対策」コースはそのまま継続。写真は温水ミストを使って選択したTシャツ。ワキ部分の黄ばみがキレイになっています

 

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