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エアコン
2018/10/4 17:30

このイベント、確かに貴重すぎる! 家電ライター大興奮の「おとなのエアコン分解」を画像でプレイバック

酷暑だった2018年夏もやっと暑さが一段落。エアコンはもはや“生命を維持するための家電”ともいえる存在となり、一日中つけっぱなしにする日もありました。お手入れが気になったり、電気代が気になったり、エアコンがこれだけ注目を集めた年はなかったように思います。

 

子ども向け「エアコン分解イベント」を大人のために開催!

ますます身近に感じるようになったエアコンですが、「エアコンを運転すると冷える仕組み」はイマイチわからないという方も多いのではないでしょうか。エアコンのことを、もっとよく知りたいという大人のために、ダイキン工業は「おとなのエアコン分解」を開催

 

こちらは毎年7月、8月に小学3年生~6年生の子どもを対象に開催しているイベント「めざせ!空気博士 エアコン分解」を大人向けにしたイベント。WEBでの参加申し込み受付開始後、すぐに満席になったとのこと。確かに、これは面白そう! ワクワクしながら、ダイキンソリューションプラザ「フーハ東京」のある新宿NSビルに向かい、同イベントに参加してきました。

↑「大人の自由研究」って、なんだかワクワクしますね!

 

部屋に入るとそれぞれのテーブルにエアコン、軍手、紙コップ、特殊なドライバーが置いてありました。通常の説明会では、まずありえない光景ですね。

↑各テーブルにはすでに解体用のエアコンがセットされていました。一人一台または二人一台で分解します

 

エアコンは熱が持つ2つの性質を利用している

分解の前に、まずはエアコンの仕組みについて説明が行われました。講師はダイキン工業の空調営業本部 事業戦略室の辻 洋一さん。説明によると、空気の中には熱が含まれており、熱が多ければ暑く感じ、少なければ涼しく感じます。その熱を追い出すのがエアコンの働きで、そのために室内機と室外機が使われています。

↑冷房では、部屋の空気に含まれる熱を追い出すのがエアコンの仕事です

 

部屋にある熱を外に送るために、エアコンは空気に含まれる熱がもつ2つの性質を利用しているとのこと。ひとつは①「熱は高いほうから低いほうへ移動する」という性質です。その熱の移動の仲介をしているのが、冷媒(れいばい)という物質(気体)。エアコンは室内機と室外機がパイプでひとつにつながっており、その中で冷媒が循環しています。

↑このように冷媒がパイプの中をグルグルしています

 

冷たい冷媒がパイプを通って室内にたどりつくと、室内機に内蔵されている熱交換器が氷ように冷たくなります。すると、「熱は高いほうから低いほうへ移動する」という性質から、空気に含まれる熱が熱交換器に集まって温度が上昇。その熱が、冷媒によってパイプを通して室外機に運ばれ、室外機に内蔵された熱交換器を経由して、外に排出されるのです。

 

「圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる」という性質を利用して熱を排出

そして、①「熱は高いほうから低いほうへ移動する」性質に加えて、エアコンに利用されているもうひとつの性質が②「空気を圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる」というもの。この性質を利用し、冷媒の温度を調整しているのが「コンプレッサー」(気体を圧縮する機械)です。コンプレッサーは室外機に内蔵されており、「エアコンの心臓部」ともいわれているそう。

↑空気は圧縮すると温度が上がり、膨張すると温度が下がる性質があります

 

コンプレッサーは、先ほど室内から熱を運び、室外機にやってきた冷媒を圧縮。部屋の外の空気より熱くします。すると、ここでも「熱は高いほうから低いほうへ移動する」ことから、より熱の少ない外部へ熱が移動。こうして、部屋の内部の熱が外部へと排出されるわけです。

↑冷媒の温度調整は、室外機にあるコンプレッサーが行います

 

↑室内の熱は冷たくなった熱交換機に移動。熱を受け取った冷媒は、さらに室外機のコンプレッサーで圧縮されて高温化することで、室外に熱を放出します

 

↑室外機にある黒い部分がコンプレッサー。エアコンの心臓部ともいわれています。

 

こうした空気の熱を集めて移動させる一連の技術は「ヒートポンプ」と呼ばれています。これは給湯器や冷蔵庫も使っている仕組み。なお、暖房の際は、冷媒の流れを冷房の際の逆にするだけです。

いよいよエアコンの分解! まずはダストボックスとフィルターを外す

さて、エアコンの仕組みを理解したあとは、いよいよエアコンの分解です! 最初にエアコンのフタとホコリがたまるダストボックスを外します。その後、エアコンのお手入れ時にはよく目にするフィルターを2枚外しました。

↑前面のフタを開けて外します

 

↑全自動でお掃除するタイプだったので、ダストボックスがありました。ダストボックスにはブラシがついていて、フィルターのゴミを落とす役割があります

 

↑フィルターは掃除しなければならないので、これは馴染みがあります

 

特殊なドライバーでネジを外し、熱交換器を露出させる

続いて、ダイキン工業の独自のストリーマユニットを外し、羽根を外しました。ここまでは道具なしでできましたが、ここからは特殊なドライバーでネジを外していきます。わかりやすいよう、ネジは青く塗装されていたので、すぐに外すことができました。ネジを外すと外カバーなどが外れ、熱交換器が見えました。

↑横にあったストリーマユニットを引き抜きました

 

↑下の羽根を外します

 

↑ここからは特殊なドライバーを使用

 

↑ネジは水色に塗られていたので、すぐにわかりました。外したネジは、なくさないよう紙コップに入れておきます

 

↑外カバーが外れました

 

↑さらにお掃除ユニットを外します

 

↑熱交換器が見えました!(グレーの広い部分です) ※今回は実物とは違い、手を切らないよう、ビニールで覆われていました

電装ボックスと熱交換器を外す

横にある電装ボックスを外し、中を見るとプリント基板があります。こちらはさまざまな制御をする頭脳となっています。

↑電装ボックスを外します

 

↑お弁当箱のような電装ボックスは、フタを開けるとプリント基板が入っていました

 

↑熱交換器を外します。ずっしりと重くてビックリ!

 

ファンを外して分解が完了!

最後にファンを外してみると、右側に磁石がついていました。この磁石を利用してファンが回転するそうです。

↑ファンはスポッと外れました

 

↑ファンの右側にある磁石を外します。強力な磁石の力でピタッとくっついていました

 

↑そして何もなくなってしまったエアコン室内機の抜け殻。この通風路に汚れがたまりやすいので、このように分解して掃除がしたいものですね

 

↑室内機を分解後に並べてみました。意外とシンプルな構造です

 

家にあるエアコンは絶対に分解したらダメ!

分解は意外と簡単で、作業は20分ほどで終了。エアコン内部はふだん見ることができないだけに、とても貴重な体験でした。家にあるエアコンも、こんな風に分解して隅々まで掃除できたらいいな……と思ったのですが、実際のエアコンは配線などがもっと複雑で、こんなにカンタンに分解できないそう。また、「故障の原因になるので絶対にやめてほしい」とのことです。残念……。

↑参加者の皆さんは楽しそうに作業されていました

 

↑辻さんによる室外機の説明に、参加者も興味津々

 

「しつどの違い 体感ルーム」で、体感温度がまったく違うことにビックリ

その後は、フーハ東京のショールームへ。同じ温度でも湿度が違うだけで、どれほど心地よさが違うのか比較できる、「しつどの違い 体感ルーム」で実際に体験してみました。ここには2つの小部屋があり、1つ目は27℃で湿度が66%、2つ目は27℃で44%と、湿度だけが違う部屋に通されます。

↑「しつどの違い」体感ルーム

 

部屋に入ってみてビックリ。同じ室温でも、湿度が66%と44%の部屋では涼しさが全然違います! 44%のほうがサラッと心地よく、涼しく感じました。アンケートボードでも体感温度は「-5℃」と感じた人が圧倒的に多い結果に。一緒にいたみなさんも、湿度が低い部屋では「涼しい!」と感激していました。これは、「ダイキンのエアコンは温度だけでなく、湿度のコントロールも得意ですよ」というアピールでしたが、こういった特徴は店頭ではわかりづらいもの。実際に体感できるのはうれしいですね。

↑同じ温度でも湿度が低いだけで涼しく感じました

 

↑参加者のみなさんも体験して驚いていました

 

気になる「エアコンの電気代」に関するレクチャーも

ちなみに、本日、イベントを開催したダイキン工業は空調専門メーカー。1924年に「大阪金属工業所」として創業しました。ここから「大」と「金」をとって「ダイキン工業」に社名を変更。日本初のフロン式冷凍機、パッケージエアコンを開発した実績を持ち、現在は従業員7万人、2000種類もの空調製品を生産している大きな空調メーカーに成長。省エネ性にも力を入れています。

 

そんな空調家電オーソリティから、エアコンに関する豆知識を教えてもらいました。家電量販店などに行ったら、カタログなどを見れば年間の電気代がすぐにわかるそうです。

 

「消費電力量期間合計(年間)に27円を掛けてください」と辻さん。

 

例えば「うるさら7」(14畳タイプ)の場合、1051kwh×27円=28377円。スタンダードタイプの「Eシリーズ」(14畳タイプ)は1544kwh×27円で41688円。同時期に発売されている同メーカーのエアコンでも、シリーズによってこれだけの差があります。

↑これならスマホの電卓機能を使えば店頭でもすぐ計算できますね

 

なお、エアコンの消費電力は20年の間に50%、10年で約20%も削減されているそうなので、自宅のエアコンが古いのであれば年間どれくらいかかっているのか、ざっくりと計算しては。新しいエアコンがどれほど省エネなのか、金額で実感できるのではないでしょうか。

↑20年前のエアコンと比較すると期間消費電力量は半減!

 

と、約1時間のイベントでしたが、内容は盛りだくさんでした。エアコンの仕組みを学び、分解し、エアコン内部を見て、実際に触れられる機会はなかなかありません。大人である筆者にとっても極めて貴重な体験で、いつも使っているエアコンをより身近に感じることができました!