家電
2018/12/7 18:15

これは本気だしたな! 空気清浄機の世界企業ブルーエア「特異なニッポン」に向け、普及価格モデル投入

世界基準のCADR(※)においてNo. 1を誇り、世界60か国以上で愛されるブルーエアの空気清浄機。そのクオリティはそのままに、価格を抑えた普及価格モデル「Classic X05」シリーズが発売されました。「アジア圏の中でもユニークな特性がある」という日本市場に切り込むために登場した新モデルは、従来モデルと何が違うのでしょうか。プレスセミナーに参加して聞いてきました。

※CADR……クリーンエア供給率(Clean Air Delivery Rate)のこと。米国家電協会(AHAM)が定めた空気清浄機が1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表した指標です

↑新登場した普及価格モデル「Classic X05」シリーズ。従来モデルとの違いは?

 

「きれいな空気をすべての人に」をモットーに1996年に創業

ブルーエアとは、今から22年前の1996年に誕生したスウェーデンの空気清浄機メーカーです。世界にはきれいな空気が吸えない人がたくさんいることを憂いた創設者が、「きれいな空気をすべての人に」という思いで開発に取り組んできました。実際、世界人口73億人のうち67億人、つまり9人に8人が劣悪な空気に悩まされているほか、屋内の空気は、屋外の空気より5倍も汚いといわれています。

 

やがて、ブルーエアのフラッグシップモデルは世界基準であるCADR(クリーンエア供給率)において世界No.1に。性能面でもデザイン面でも、数多くの賞を受賞しており、100以上の海外の大使館で取り入れられているといいます。

↑フラッグシップモデルであるブルーエア 600シリーズは、CADRのテスト項目である「タバコ煙」「ホコリ」「花粉」の全てにおいて最高値以上を取得

 

多機能タイプが主流の日本市場に向け、まずは普及価格に近づけたモデルを提案

そんな輝かしい実績を誇るブルーエアが日本に参入したのは2010年。アジアの中でも日本のニーズは特異だったため、普及には苦戦したといいます。というのも、ブルーエア が扱うのは空気清浄に特化した単機能タイプ(Mono)だったから。日本では、空気清浄のほかに、加湿や暖房、冷房、除湿など、複数の機能を備えた複合機能タイプ(Combination)のニーズが多く、実に8割以上のシェアを占めているのです。

↑中国、韓国は単機能タイプが主流ですが、日本は8割以上が複合機能タイプ。かなり特異な市場のようです

 

さらにブルーエアの空気清浄機は、機能がプレミアムなぶん、価格もブレミアム(同社のフラッグシップ「Classic i」は税抜5万9800円~)。これに対し、日本での2017年の普及価格帯を調べると、平均価格は約3万3000円と、ブルーエア製品に比べてかなり低いことがわかりました。

 

そこでブルーエアは、普及価格帯モデルの第一弾として昨年、2万円を切るエントリーモデル「Blue Pure411」を投入。そして今回、第2弾としてフラッグシップモデル「Classic i」をベースに価格を抑えた普及価格モデル「Classic X05」(以下、X05)シリーズを投入したというわけです。

↑「Classic X05」シリーズは3タイプ。左から、適用畳数75畳の「ブルーエア Classic605」、同33畳の「ブルーエア Classic405」、同25畳の「ブルーエア Classic205」

 

センサーを省略することで性能を下げずに低価格化を実現

とはいえ、価格は抑えたいが性能は下げたくないと考えた同社は、センサーを省くことで低価格化を実現。センサーが搭載されたフラッグシップモデル「X80i」は、使用している空間の空気環境をモニターし、センサーで検知したデータに基づいて自動で最適運転を行う「オートモード」が搭載されていましたが、「X05」はセンサー非搭載のため、オートモードがありません。

↑従来モデルのX80iとX05」の違いはセンサーの有無。X80iは操作パネルの表示は6つありますが、X05は3つのみ

 

とはいえ、X05はセンサーはないもののWi-Fi機能を搭載し、スマホアプリから空気のモニタリングはできるため、空気の状態をチェックしながら風量の調節をすることも可能。さらに別売りのエアモニター「Blueair Aware」を導入すれば、アプリ操作でオートモードも利用できます。

 

一方、空気清浄性能は従来の性能をそのまま踏襲。高性能フィルターと、粒子イオン化技術を融合した独自の「HEPASilentテクノロジー」を搭載し、静かな動作音を実現しながら、ウイルスレベル0.1μmまでの有害物質を99.97%スピーディに除去します。

↑「HEPASilentテクノロジー」のイメージ。吸引した花粉やハウスダスト、ウイルスをイオナイザーでマイナスに帯電させることで、プラスに帯電したフィルターで強力に吸着する仕組み

 

その結果、25畳タイプの「Classic 205」の価格は4万9800円(以下すべて直販価格・税抜)を実現し、日本の普及モデルの価格に近づけました。さらにセンサー付き「Classic i」シリーズも価格を見直し、25畳タイプの「Classic280i」は7万円から5万9800円に値下げしています。

↑X05だけでなく、センサー付きの従来モデル「Classic i」シリーズの価格も大幅に改定

 

カジュアルモデル「Blue Pure 231」も3万9000円と購入しやすい価格に

12月14日には、カジュアルモデルとしてラインナップする「Blue Pure 221」の後継機として、「Blue Pure 231」も登場します。こちらは空気清浄能力を抑えることで(空気清浄8畳約6分→約8分に)、価格は従来より約2万円値下げした3万9000円と、こちらも購入しやすい価格を実現しました。

↑シンプルな構造でパワフルに空気を吸引する「Blue Pure 231」。プレフィルターは北欧らしい5色を展開

 

本機は360度全方向からワイドに吸引し、天面へ空気を引き上げる力を利用することで、低電力でも効率よくパワフルに空気を吸引する構造。8畳を約8分できれいにするハイスピード清浄を実現し、粒子イオン化技術と高性能フィルターが、有害物質を99.97%除去します。

↑有害物質を99.97%除去する高性能フィルターには、生活臭を抑える「除臭カーボンシート」を新たに搭載しています

 

↑フィルターは折り畳みが可能な形状になり、保管や廃棄に便利になりました

 

世界基準の高性能を備えつつ、日本でも取り入れやすい価格に近づいたブルーエア の新モデル。今まで欲しかったけれど、手が出せなかった人には朗報ですね。冬は窓を閉め切ることが多いので、室内の空気も汚れがち。この機に導入を考えてみてもいいかもしれません。