家電
衣類ケア
2018/12/25 18:00

【2018年年末版】衣類スチーマーはアイロンがあるほうがいい? スチーム特化型がいい? プロが検証

ハンガーにかけたままシワ伸ばしできる便利さから人気に火がついた衣類スチーマー。最近はスチーム量が多く、より短時間でシワを伸ばせるアイロンなしモデルの人気も上昇中です。2018年〜2019年の年末年始、買うべきはどちらなのでしょうか? 専門家がA/B/Cの3段階で評価します。

 

【テストした人】

家電コーディネーター 平島憲一郎さん

本誌のほかウェプメディアでも生活家電の記事を執筆。衣類ケア系など生活家電全般を手がけています。

 

【立ち上がりの早さ】

忙しい朝などに、スイッチを入れてもなかなかスチームが出てこないと、イライラしてしまう……。スイッチオンからスチームがスタンバイ状態になるまでの時間を計測しました。

【操作性】

使用中の腕の負担に直結する重量感のほか、グリップのフィット感やスイッチの押しやすさ、取り回しやすさをチェック。本体を傾けてスチームの出が悪くならないかも確認しました。

【スチームの強さと質】

シワの伸びやすさを決めるのはスチームの強さと細かさ。スチーム噴出の強さやスチームしたときの広がり方、スチームに水のダマが混じらないかをチェックしました。

【注水のしやすさ】

多くの衣類をケアしたいなら、注水量の多い機種が有利。一回の給水量を確認したほか、本体に直接注水するタイプかカセット式か、ふたやカセットの着脱で不満点がないかも確認しました。

 

誰でも手早くシワが伸ばせる衣類スチーマーが人気拡大中

アイロン台を出す手間がなく、シワが簡単に伸ばせる衣類スチーマーは、アイロンが苦手なひとり暮らし男性だけでなく、家事や仕事に忙しい主婦にも人気。ビジネスカジュアルの浸透や、念入りにアイロンがけしなくてもいいシャツが増えてきたのも、衣類スチーマーが人気となった一因でしょう。

 

同カテゴリの現在の主流はアイロン面搭載モデル。基本はスチーム、気になる部分やしっかりプレスしたい部分にアイロンがけ、という使い方に便利です。本体が軽くて長時間使っても疲れませんが、注水量が少なく一度に多くの枚数をさばけないのが弱点。ただ、その日に着る1〜2枚をスチームがけするのには問題ありません。

 

対してスチーム特化モデルは、アイロン機能を省くことで注水量やスチーム力を強化。例えばティファールのアクセススチーム プラスは、注水量が185㎖、連続スチーム時間も約18分と圧倒的に長い(ただ、本体質量に加え注水量も増えて結構重くなります)。さらに、アイロン機能省略を本体軽良化につなげたツインバードも注目です。

 

今回はそんな両カテゴリの実際の使いやすさを検証。立ち上がりの早さやスチームの質、操作性などをチェックしました。

 

<気になる部分をパリッとシワ伸ばししたいならアイロン面搭載編

【その1】「3倍パワフルスチーム」でシワすっきり!

パナソニック

衣類スチーマー NI-FS540

実売価格9740円

強力スチームでシワに加え加齢臭も除去。噴出スチーム量を瞬間的に3倍にできる機能を搭載しました。滑り性の高いセラミックコートのかけ面で、軽い力でアイロンがけできます。SPEC●サイズ:約W70×H150×D150㎜●スチーム量:平均約11mg/分●スチーム連続噴出時間:約4分●注水量:約50mℓ●質量:約705g

 

↑アイロン面はフラット形状。角が丸く、アイロンジワがつきにくいです

 

立ち上がりの早さ:A】

電源オンして30秒弱でスチームがけの準備完了

電源スイッチをオンにして約24秒でスチーム使用可能になりました。電源スイッチは本体側面の前方寄りに付いています。

 

【操作性:A】

どんな角度で使ってもスチームが安定して出る

アイロン面をどの角度に向けても安定してスチームが出るのが良い。質量は約705gでトリガーも軽く、長く使っても疲れませんでした。

 

【スチームの強さと質:A】

細かく上質なスチームが直線的に噴出された

「3倍パワフルスチーム」で直線的にスチーム放出。蒸気は細かく、水ダマもありません。生地にアイロン面を軽く当てるとシワがよく伸びました。

 

注水のしやすさ:B】

専用カップで本体に注水するのは気を遣う

注水量は約50㎖。本体に注水するタイプで、専用カップで水を入れます。注水口が小さいので水を入れる際にこぼれないよう気を遣いました。

 

【その2】業界初のコードレス対応で自由度がアップ

東芝

コードレス衣類スチーマー

TAS-X4

実売価格1万4900円

ワンタッチで電源コード(給電プラグ)が外せて、コードレスでも使える2way仕様。アイロンとして使う場合は、生地に合わせて温度を3段階に調整可能なのもうれしいです。SPEC●サイズ:約W71×H137×D179㎜●スチーム量:平均約12mℓ/分(シャワースチーム)●スチーム連続噴出時間:約4分●注水量:約50mℓ●質量:約705g

 

↑アイロン面の先が細く、ボタン周りなどがアイロンがけしやすいです

 

【立ち上がりの早さ:B】

スチームが出なくなっても45秒で再立ち上げできる

セットして約1分30秒で準備完了。コードレス使用時にスチームが出なくなってもスタンドに戻して45秒で再使用できるのは助かります。

 

【操作性:B】

コード式で長時間使えてコードレスで取り回し自由

コードレスで自由に取り回しできるほか、コード式でも使えます。コードレス使用時で約710gだが、重心のかかり方のせいか、やや重く感じました。

 

【スチームの強さと質:B】

噴出スピードは遅めでスチームが広範囲に広がる

写真に写りにくかったですが、ダマのない良質なスチームがしっかり出ていました。噴出スピードは遅めで、広範囲をシワ伸ばしできます。

 

【注水のしやすさ:B】

付属のカップで注水する際やや注意が必要かも

付属のカップを使って本体に注水する方式で、注水量は約65㎖。これも注水口が小さく、ササッと水が入れられるタイプではありませんでした。

<大容量スチーム型から超軽量タイプまで多様なスチーム特化モデル編>

【その3】豊富なスチーム量で頑固なシワもどんどん伸びる!

ティファール

アクセススチーム プラス

実売価格1万540円

20㎎/分の大量のスチームにより時短でシワが伸ばせます。シルクや毛皮用のスチーム少なめのデリケートモードも搭載。シワを美しく伸ばすセラミック素材のヒーティングプレートを装備。SPEC●サイズ:W130×H283×D141㎜●スチーム量:平均20mg/分●スチーム連続噴出時間:約18分●注水量:約185mℓ●質量:約1220g

↑ヘッド部のヒーティングプレート。蒸気でほぐしたシワが伸びやすくなります

 

【立ち上がりの早さ:B】

立ち上がり時間42秒だが十分快適に使えるレベル

立ち上がり時間は42秒。電源オン後のランプの点滅が点灯に変わったら使えます。電源ボタン横には2つのモード切替ボタンを搭載。

 

【操作性:B】

重量はあるがスチームがけが早く終わり意外に負担は少ない

質量1220gだがスチームがけが早く、男性なら負担は少ないです。トリガーロックを使うとトリガーを指で引かずにスチームが出続けてラク。

 

【スチームの強さと質:A】

大量スチームが広がりみるみるシワが伸びていった

平均20㎎/分のスチーム量は圧倒的! スチームは広範囲に広がるタイプで、大量の蒸気に包まれて素早くシワが伸びていきました。

 

【注水のしやすさ:A】

カセット式の大型タンクでスムーズに給水可能!

給水量185㎖の大型カセット式水タンクを内蔵。タンクだけ洗面所に持っていって蛇口から直接給水できるので、扱いがラクです。

 

【その4】軽量470gで腕が疲れずにスチームがけできる!

ツインバード

ハンディスチーマー SA-4096W

実売価格8640円

手首に負担の少ない超軽量設計で、快適な使用感を実現。1回1秒のショットを連続して行い、生地にやさしいスチームをムラなく当てられます。本体を吊るして収納できるストラップ付き。SPEC●サイズ:約W65×H220×D120㎜●スチーム量:平均約o.2mg/分●スチーム連続噴出時間:1秒(単独ショットスチーム)●注水量:50mℓ●質量:約470g

 

↑スチームは、絹などの繊細な生地を傷めない温度設定となっています

 

【立ち上がりの早さ:A】

電源コードをコンセントに挿して18秒で準備完了!

立ち上がり時間はわずか18秒! 電源コードをコンセントに挿すと「POWER」ランプが点灯し、準備完了すると「HEAT」が点灯しました。

 

【操作性:B】

超軽量で持ちやすいが傾けて使う角度に制限あり

超軽量470gで重心バランスも良好。使っていて疲れず、スイッチも押しやすかったです。使用できる角度は左右約75度とやや制限がありました。

 

【スチームの強さと質:B】

ムダのない適量スチームがワンショットごとに噴出

シワ伸ばしに適切な量のスチームが、ワンショットごとに出ます。連続押しすると勢いが増すが、やりすぎると水ダマができました。

 

【注水のしやすさ:B】

着脱式タンクは便利だが水がこぼれがちなのが気になる

注水タンクが着脱式なので給水が手軽。給水量は50㎖。タンクのふたを閉めるとき、送水管から必ず水がこぼれるのが気になりました。

 

【結論!】

総合力は互角だがアイロン面搭載モデルが有利

両タイプを検証して実感したのは、アイロン機能がある安心感。これがあることでぐっと汎用性が上がります。スチーム力に関してはティファールが突出していましたが、操作性やアイロン付きの利便性などを総合してパナソニック有利としました。

 

【イチオシはコレ!】

パナソニック

衣類スチーマー NI-FS540

立ち上がりの早さ、操作性、スチーム性能とすべてハイレベルでそつがありません。アイロン機能も、パンツのタック入れなどに問題なく使え、かつ初心者にも使いやすかったです。衣類スチーマーの最初の1台として、間違いのない製品です。

 

より強いスチームを求めるならコレもアリ!

ティファール

アクセススチーム プラス

圧倒的なシワ伸ばしの早さは、大量に衣類ケアする人だけでなく、少ない枚数を手早くケアしたい人にもうれしい。家にアイロンがある人はもちろん、すでにアイロン面搭載モデルを持っている人にも、スチーマー2台使いをオススメしたいです。