家電
掃除機
2019/2/15 21:15

復活のカギは「玄関」にアリ! シャープが考える紙パック式キャニスター「逆転の秘策」

玄関の掃除ってどうしています? 一戸建てならほうきでそのまま外に掃き出し、マンションならほうきとちりとりで細かい砂・砂利を集めてゴミ箱へ。泥がこびりついている場合はぞうきんで拭き取って……という感じでしょうか。いずれにせよ、玄関の掃除はこれまで掃除機にとって不可侵エリアでした。だって、部屋を掃除するヘッドを土・砂で汚れている玄関に使いたくないですから。

 

「玄関掃除が面倒」という人に向け、紙パック式キャニスターを発売

シャープの調査によると、玄関掃除が面倒だと思っている人は74%。筆者も面倒がってほとんど掃除しません(笑)。ということは、玄関にも掃除機をかけたいというニーズがあるのでは…そう考えたシャープは2月21日、業界初の「スグ換え玄関ブラシ」を付属した紙パック式キャニスター「EC-VP510」を発売します。実売価格は5万円前後(税別)。

↑「EC-VP510」は2月21日発売、市場想定価格は5万円前後(税別)

 

シャープ

紙パック式キャニスター EC-VP510

実売価格4万8300円

 

現在、掃除機市場は横ばいで推移しています。その中身を見ると、コードレススティックが販売台数を伸ばしており、その反動でキャニスター型、特に紙パック式は縮小の一途をたどっています。そんな減りゆくニーズの中でなぜいま、紙パック式キャニスターの新製品を発売するのか? その答えが玄関掃除にあったのです。

 

紙パック式キャニスターのメリットは、手元の軽さとゴミ捨てがラクなこと

そもそも、紙パック式キャニスターに対するニーズは大きく2つあります。1つは、手元が軽いこと。コードレススティックの場合、手元にモーター/バッテリー/ダストカップのすべてが集約されているため重く、しかも片手で操作するので、長時間掃除していると手首・腕が疲れてしまいます。一方、キャニスターは重量物が本体に分離されており、手元はホース・パイプとヘッドだけなので軽く、長時間の掃除でも手が疲れないというメリットがあります。

 

その点、新発売の「EC-VP510」はパイプ部にドライカーボンを採用したことで手元質量が1.2kgと軽量化に成功しました(ホース・ヘッド・パイプの合計質量)。実際に掃除する姿勢で手元にかかる荷重はわずかに400gと、前モデルの720gから44%も削減できています。さらに軽くなり、掃除がラクになったというわけですね。

↑新製品EC-VP510の手元質量は1.2kg、手元荷重は400gとキャニスターならではの軽さ

 

もう1つのニーズは、ゴミ捨てがラクなこと。サイクロン掃除機の場合、掃除したあとにダストカップの中のゴミが飛び散らないよう、慎重にゴミ箱に捨てたり、頻繁にダストカップやフィルターの掃除をする必要があったりと、意外に面倒です。その点、紙パック式ならば、本体のカバーを開けて紙パックを取り出して捨てるだけなので、集めたゴミに触らずにすむし、フィルター等のお手入れもほぼ不要。

↑紙パック式キャニスターのメリットは手元が軽いことと、集めたゴミを目にせず触れることなく捨てられること

 

2つのメリットを複合すると、玄関掃除に行き着いた

こうした紙パック式キャニスターの特徴をさらに活かそうと考案されたのが、「スグ換え玄関ブラシ」なのです。軽いからどこでも掃除したい、紙パックだからごみに触れることもないし、ごみ捨てがカンタン→なら、玄関もついでにサッと掃除できたらいいよね、となったわけです。

↑玄関の隅に置いたままにして、いつも掃除のついでに玄関も気軽に掃除できる「スグ換え玄関ブラシ」

「スグ換え玄関ブラシ」は屈むことなく、立ったまま装着できる

では、この「スグ換え玄関ブラシ」を詳しく見てみましょう。こちらは、立ったまま脱着が可能なので、いつもの掃除の流れの中でスムーズに玄関掃除ができるのが特徴です。装着の手順は以下の通り。

 

本機は軽量掃除機「RACTIVE Air」シリーズでも採用している「スグトルブラシ」機構を搭載しており、まず、手元のレバーを引きながらヘッドを足で押さえて外し、スグトルブラシを露出させます。その先端を玄関に置いた「スグ換え玄関ブラシ」に挿入すれば使用可能になるという仕組み。

 

玄関掃除が終わったら手元のレバーを引いて少し揺らすだけで簡単に外れるため、いちいち屈んで手でヘッドを取り外す必要はありません。なお、ブラシにはコシのある硬い毛を採用しているので、こびりついた泥汚れもゴシゴシこすって取り除けます。また、専用ケースを付属しており、そのまま玄関の隅に置いておくことができます。

↑ヘッドを外してスグトルブラシを露出させ、そのまま玄関に置いてあるスグ換え玄関ブラシに先端を挿入

 

↑装着したらそのまま玄関を掃除できます

 

【動画】
立ったまま標準ヘッドからスグ換え玄関ブラシに付け替え/取り外しができます。

なお、「スグ換え玄関ブラシ」は「スグトルブラシ」機構を持つほかの掃除機にも装着可能なため、シャープでは単体のオプション販売も予定しています(価格は未定)。

 

使い勝手を高める「ラグ越えヘッド」や「マジックバランス」も搭載

このほか、フローリングからマットの段差をそのまま乗り越えられる「ラグ越えヘッド」、掃除を中断したいときにパイプが自立し同時に運転停止状態になる「マジックバランス」といった好評の独自機能も搭載しています。

【動画】
標準搭載の「ラグ超えヘッド」は、カーペットやラグを掃除するときに、いちいちヘッドを持ち上げる必要がありません。

 

【動画】
とても便利な「マジックバランス」。パイプを立てると自立し、自動的に運転オフに。パイプを寝かすと自動的に運転を再開します。

靴や傘だけでなく、自転車やベビーカー、ゴルフバッグ、子どもの部活動用品など、玄関には外からゴミを持ち込むさまざまな物で溢れています。汚れやすい割に掃除が面倒でついつい放ったらかしになりがちですが、玄関は家の印象を決定づける「顔」でもあります。いつもキレイにして気持ちよく家族や客人を迎えたいものですね。