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2019/4/29 18:30

「ぜいたくの極み。価格以上の満足度」とライター絶賛! 高級シェーバー「ラムダッシュ」5項目徹底チェック

ユーザーが電気シェーバーに求める性能は様々。ある人は短時間でシェービングが済ませられる「深剃り」を求めるでしょうし、肌が弱い人は「やさしい剃り味」を求めるでしょう。「クセ毛を逃さずカット」できるモデルを求める人もいるはずです。それらの要望をすべて満たすのが高級シェーバー。というより、価格も高額な高級シェーバーゆえに、それらの性能をすべて備えていることが前提となっている、というのが正しいでしょう。

パナソニックの「ラムダッシュ」シリーズは、従来「深剃り性能の高さ」と「肌へのやさしさ」でユーザー評価も抜群。今回は、その最上位モデル「ES-LV9DX」(※)の「深剃り具合」「肌への負担」「操作性」「メンテナンス性」「付加機能」の5項目をチェックしました。評判通りの実力を見せてくれるか、非常に楽しみです。

※「ES-LV9DX」は量販店モデルの品番ではありません。量販店モデルの品番は「ES-CLV9DX」で、性能は同じです

 

【チェックする機種はコチラ】

肌に密着するヘッド、先進のセンサー技術で肌にやさしく深剃りできる

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9DX

実売価格3万9000円

肌への圧力が少ない「5枚刃」採用に加え、「肌にやさしい深剃り」のための多彩な技術を集結。ヒゲの濃さを検知してパワーを制御する「ヒゲセンサー」の検知スピードが従来機種の約1.8倍になり、肌への余分な負担がさらに減りました。ヘッドが顔の起伏に柔軟に追随し、密着する「5Dアクティブサスペンション」、外刃には日本刀と同様の製法で鍛造し耐摩耗性に優れたステンレス刃物鋼を採用。あご下の寝たヒゲもとらえる「くせヒゲリフト刃」など3種5枚の外刃と、硬い毛もスパッと切る「30°鋭角ナノエッジ内刃」で、スムーズにヒゲが剃れます。

 

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●ストローク数:約1万4000ストローク/分●充電時間:1時間●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の仕様で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

検証結果はコチラ

【深剃り具合】

ヘッドの一度の走行で大量のヒゲをカットし、あっという間にシェービングが終了

「深剃り具合」はシェービング終了後のヒゲの残り具合を見た目と手で触った感触でチェックしました。

 

シェービングに関しては、ゆっくりなでるようにヘッドを前後に移動させて剃ったところ、80秒ほどでひと通りシェービングが終了。ヘッドが肌の上を通ったとき1回で剃れる量がかなり多いと感じました。口の上のやや青い部分は、筆者の場合これ以上シェービングすると、肌がひりつき始めます。また、口元の左右の部分にわずかにザラッとした剃り残し感がありました。

↑ヒゲをまる2日剃っていない状態で深剃り具合をチェックしました

 

↑ヘッドはゆっくり前後に移動。肌への圧力はかなり弱い状態でシェービングしましたが、しっかり深剃りできています

 

ヘッドの動きに関しては、「5Dアクティブサスペンション」の有効性を強く感じました。ヘッドが前後左右上下・ひねりなど、柔軟に動くので、あごの下や頬などの凹凸がある部分にも密着し、あまり手首で本体の角度を変えなくても、本体(ヘッド)のほうで勝手に肌をトレースしてくれる感覚です。

↑ヘッドは左右20°、ツイスト10°可動します

 

↑前後は17°に可動。さらに、上下に2.5mm沈み込むほか、土台部が前後に1.0mmスライドします。これにより、顔のあらゆる形状に対応できます

 

また、筆者が普段使っている3枚刃のシェーバーだと、なぜか1本だけ長いヒゲを剃り残してしまう場合があるのですが、今回、そういった剃り残しはまったくありませんでした。これは寝たヒゲを起こしてカットする「くせヒゲリフト刃」「パワークイックスリット刃」などの刃を搭載しているメリットでしょう。

↑フィニッシュ刃、くせヒゲリフト刃、パワークイックスリット刃の3種5枚の外刃を搭載。写真上下両外部の「フィニッシュ刃」は厚さ60μm部分で肌をガードしつつ、穴に入ってきたヒゲを根元からカットします。その内側の2枚の「くせヒゲリフト刃」は寝たヒゲをすくい上げてカット、真ん中の「パワークイックスリット刃」は、長い寝たヒゲの除去率が従来比200%向上したそうです(2016年発売のES-LV9Bとの比較)

 

ということで、約80秒でシェービングはいったん終えましたが、先ほどの剃り残しがどれくらい剃れるか、試しにシェービングを続けました。肌に負担をかけないようにヘッドを肌に軽く当てた状態でゆっくり動かしましたが、それでも「チリ、チリ」とヒゲが剃れる音がします。追加で80秒ほどシェービングした結果、手触りでは「より剃れた」感触がありましたが、写真ではそれほど違いが見られません。また、口の上側と左右の口元にややひりつきを感じました。筆者の場合、80秒程度のシェービングで十分のようです

↑シェービング80秒後(左)と160秒後(右)の比較。アップで写真を撮ってみましたが、ほとんど差が見られません

【肌への負担】

肌の負担を軽減する多彩な機能を備え、肌ストレスは驚くほど少ない!

1回の走行でしっかり深剃りができる、ということは逆にいうと肌への負担、シェービング後のひりつきや肌荒れが気になりますが、結論から言うと、最初の80秒のシェービングではほとんどひりつきは気になりませんでした。

 

肌への負担が小さい理由としては、まず5枚刃であることが大きいです。5枚の刃が肌に当たることで、肌への圧力が分散。実際に肌に当ててみても、面積が大きいぶん、肌に「ぴたっ」と吸いつく感覚があります。また、この吸いつき感があるため、無意識にヘッドを動かすスピードもゆっくりになり、肌への負担がますます減ります。

↑5枚刃を搭載したヘッドは幅がかなり広め。これがすべて肌に密着することで、肌への圧力を分散しながら効率よくヒゲを除去します

 

さらに「5Dアクティブサスペンション」と5枚の外刃のクッション構造により、仮に強くヘッドを肌に押し付けたとしても、圧力が軽減できるようになっているのも大きいです。

↑5枚の外刃はそれぞれ独立して上下に可動。このクッションが「5Dアクティブサスペンション」に加わることで、顔の形状への追随性と肌への負担軽減がさらに向上していると感じました

 

「ヒゲセンサー」に関しては、使ったはっきりと効果が認識できるわけではありません。ただ、ヒゲが濃い部分になると、モーター音が変わり、明らかにギヤがチェンジする印象なので、センサーは作動していると思われます。ということは、ヒゲが薄い部分はパワーをセーブしてくれているわけで、そのぶん肌への負担も減るというわけですね。

 

このように、肌への負担を軽減する機能はかなり多彩で、通常のシェービングでは肌荒れのストレスがなく使えると感じました。

【操作性】

ホールド感が良く、ヘッドの動きで思い通りのシェービングができる

操作性に関しては、シェーバーの持ちやすさや本体の動かしやすさをチェック。さらに、充電時間と連続稼働時間、バッテリー残量表示なども確認しました。

 

本体は約215gで、手に持つとややズシっとくる感覚があります。ただし、グリップのホールド感は抜群。本体裏面のラバーがしっとりと手になじむうえ、持つと人差し指にヘッドを含む本体上部の重心が乗り、非常に操作が安定します。

↑グリップの絶妙なカーブとラバー素材の質感が手になじみ、使い心地は抜群です

 

↑持ったときに親指を添える部分はシボ加工(シワ模様)の革張りとなっていて、触感が心地いいです。こうした細部へのこだわりが、高級感を演出しています

 

また、「深剃り」の項でも触れましたが、「5Dアクティブサスペンション」が肌の形状に追随するので、手首のほうで細かい動きを意識しなくても、上手にヒゲを剃ってくれます。

 

充電時間は1時間。フル充電1回で、1日1回3分のシェービングが14日間できるとのことです。充電残量は10%刻みの10段階で表示。本製品は洗浄充電器を付属していて、「メンテナンス性」の項目でも触れますが、毎日シェービング後にヘッドを洗浄・充電しているなら、正直10段階表示は必要ないかなという気もします。ただ、出張などの際に本体だけ持って行く場合は便利。ヒゲが濃い人の場合、1回で10分使う人もいるようで、その場合は4日間でバッテリー残量がなくなります。1日2回剃れば2日間でなくなることに。そんなユーザーには10段階表示は安心ですね。

↑シェービングが終わり、ボタンを押して運転停止するとシェービング時間を表示(左)、そのあとバッテリー残量が表示されます(右)

【メンテナンス性】

ボタンひとつでヘッドを洗浄・乾燥・充電し、お手入れの手間はほとんどなし!

洗浄充電器が付属するES-LV9DXは、ボタンひとつでヘッドの洗浄、乾燥、そして充電までできて、お手入れが超ラク。洗浄時間は10分、乾燥には80分かかります(周囲温度が約15℃以下の場合は170分かかる)。洗浄後に外刃を外して洗浄具合をチェックすると、内刃にも外刃にもヒゲくずはまったく残っていませんでした。

↑洗浄充電器に本体を差し込むと自動的に「充電コース」に。「SELECT」ボタンを押すと「CLEAN」と「DRY」のランプが光り、洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」を開始します

 

↑「全自動コース」終了後に外刃と内刃の洗い残しをチェックしましたが、汚れはまったくありませんでした

 

専用の洗浄液は、使う頻度にもよりますが、1回の交換で約30日を目安にヒゲくず除去とヘッドの洗浄・除菌ができます。また、洗浄液には潤滑油成分が含まれているため、専用オイルを塗布する必要もなし。この洗浄液は家電量販店で実売価格700円前後(3個入り)で買えるので、1か月あたりのランニングコストは230円程度。同機を購入するなら利用しない手はありません。

↑別売の洗浄液を、洗浄液カップに入れた水に溶かして洗浄充電器にセット。洗浄液は、「SELECT」ボタンを押したときに「CHECK」ランプが点灯したら交換のタイミングです

 

ただし、洗浄充電器を利用していても、月に一度は水洗い、もしくはブラシ掃除をすることが推奨されています。水洗い掃除の際は、「音波洗浄モード」で洗うのがオススメ。洗浄には市販のハンドソープが使えるので経済的です。

↑ヘッドにハンドソープを付けて水洗い掃除。スタートボタンを2秒以上押すと「音波洗浄モード」になります。「音波洗浄モード」は、振動がより細かくなる印象。これを20秒程度行なったあと、外刃を外して洗浄します。出張などに本体だけ携帯する場合は、このモードが活躍しそうです

 

↑「音波洗浄モード」で洗った内刃を洗浄する際にも「音波洗浄モード」を使うと、蛇口から出た流水が飛び散りません。洗浄後は洗浄充電器にセットして「SELECT」ボタンを2回押すと、「乾燥・充電」モードになります。ちなみに、水洗いのあとは専用オイルの塗布を忘れずに。これで刃の剃り味を長く保つことができます

【付加機能】

「スマートロック機能」は出張や旅行の“万が一のトラブル”を未然に防ぐ

ヘッドの後ろにトリマー刃(キワ剃り刃)を搭載。45°鋭角刃を採用し、切れ味抜群です。ただし、跳ね上げ式で長さも短いため、剃る際に刃が見えづらいのが難点。本格的にヒゲを整える場合は、やはり専用機を使ったほうがよさそうです。

↑本体背面のノブを押しながら櫛のマークを「●」マークに合わせるとトリマー刃が跳ね上がり、もみあげやヒゲの手入れに使えます。また、長く伸びすぎたヒゲのプレシェービングにも使用可能。また「●」マークに「LOCK」を合わせるとヘッドを固定してヒゲが剃れます

 

↑トリマー刃でヒゲなどの手入れをする場合は、鏡に映す角度をいろいろ探しながら剃る必要がありました

 

また、意外に役立ったのが「スマートロック機能」。本体を持つとそのたびに画面が光るので「何だろう?」と思いましたが、実はグリップの真ん中付近を触ると自動でロック解除されるようになっており、光るのはその合図でした。ちなみに、本体を手に持たない状態でスタートボタンだけ押しても、シェーバーは起動しません。筆者は以前、2泊3日の旅行に自前のシェーバーを携行。「2泊3日だから充電はいらないだろう」と電源アダプターを持って行かなかったのですが、旅行バックの中で何かの拍子にスイッチが入り、いざ使おうと思ったらバッテリーが空で、慌ててカミソリを買いに行ったことがありました。「スマートロック機能」があればそんなトラブルとは無縁です。

↑グリップのこの辺りを触るとイルミネーションが光り、ロック解除されます。テーブルに置いた状態でスタートボタンを押しても、まったく反応しませんでした

 

↑旅行・出張用の収納ケースが付属。セミハードタイプで軽く、高級感があります

【検証のまとめ】

深剃りと肌へのやさしさを高いレベルで両立し、幅広いユーザーにオススメできる!

剃り味に関しては、ヘッド1回の走行で、かなり剃れる量が多いと感じました。また、5枚刃であることに加え、様々な負担軽減技術を搭載しているために、肌にやさしいシェービングが可能。その結果、快適かつ短時間にヒゲが剃れます。朝の出勤前に時間のないビジネスマンにはオススメで、肌が弱い人も問題なく使えるでしょう。

 

また、「30°鋭角ナノエッジ内刃」や「パワークイックスリット刃」など内刃・外刃の技術も優秀で、硬いヒゲやくせヒゲ、長いヒゲにもしっかり対応。どんな人が使っても満足できる剃り味といえます。

操作性に関しては、とにかく手に持ったときのグリップのホールド感、手のひらや指にしっとりなじむラバーの感触が秀逸。重さはやや重い部類に入りますが、シェービング中はその重さが気になりません。また、「5Dアクティブサスペンション」が顔の形状に追随してくれるために、ユーザーがヘッドの角度を細かく調整しなくても上手に剃れるのもメリットだと感じました。

 

洗浄充電器付きモデルは、メンテナンスの負担を大幅軽減できる!

メンテナンス性では、洗浄充電器付きなのが大きな魅力です。「洗浄充電器は洗浄液などランニングコストもかかるし、自分で手入れすればいいかな」と思う人もいるでしょうが、この洗浄充電器を一度使ったら、すっかり魅了されるはずです。手入れの手間がほぼ不要という手軽さと、シェーバーの清潔性を維持できる安心感は大きなメリット。洗浄液も1か月に約230円で済むのですから、予算に余裕があれば、文句なしに洗浄充電器付きがオススメです。

 

また、「音波洗浄モード」も出張の際などで活躍するはず。この「音波洗浄モード」はラムダッシュの上位モデル「ES-LV」シリーズのほか「ES-LT」シリーズなどにも搭載されています。予算面で洗浄充電器付きが厳しい人も、「音波洗浄モード」付きを買えば、ヘッドの掃除の手間が軽減できて便利でしょう。

 

付加機能では「トリマー刃」はあくまで「簡易機能」と割り切ったほうが良さそう。一方、シェーバーの誤動作を防ぐ「スマートロック機能」は、出張や旅行などに携帯する際に便利です。

 

ヒゲが濃い人や肌が弱い人、手入れを怠りがちの人にオススメ

というわけで、さすがパナソニックの最上位モデル、基本のヒゲ剃り性能はもちろん、メンテナンスをはじめとする付加機能も充実。というより、あらゆる面でぜいたくを極めています。約4万円と、購入するにはなかなか勇気がいる価格ですが、特にヒゲが濃い人や肌が弱い人、シェーバーの手入れを怠りがちの人は、間違いなく価格以上の満足感を得られるでしょう。

製品メインカット撮影/我妻慶一