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2019/5/2 19:00

刺激はワイルド、でも超絶やさしい! 高級シェーバー「ブラウン シリーズ9」は「欲張りな人」ほどオススメだ

電気シェーバーの高級モデルの実力を徹底的に深掘りする検証企画の第二回弾。前回のパナソニック・ラムダッシュES-LV9DXに続いて今回取り上げるのは、ブラウン シリーズ9です。

ブラウンといえば、パナソニック、フィリップスと並ぶ“電気シェーバーBIG3”のひとつ。その高い深剃り性能で根強いファンも多いブランドです。そんな同社の最上位モデルについて、「深剃り具合」「肌への負担」「操作性」「メンテナンス性」「付加機能」の5項目で幅広く検証していきます。

 

【チェックする機種はコチラ】

人工知能や音波振動、多彩なカットシステムで効率の良い深剃りを実現!

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万8800円

4枚刃+αの5カットシステムを組み合わせ、同社史上最高の「肌にやさしい深剃り」を実現したモデル。寝たヒゲを持ち上げてカットする「チタン加工極薄リフトアップ刃」やくせヒゲの向きを揃える「くせヒゲキャッチ刃」などにより、少ないストロークでより多くのヒゲを剃り切ります。また、人工知能がヒゲの濃さを検知しパワーを自動調節。毎分1万回の音波振動で肌を震わせ、皮膚内のヒゲまで“浮かせる”ため、より肌への負担の少ない深剃りが可能です。100%防水仕様でシャワールームでの「お風呂剃り」にも対応。

 

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●フロートヘッド:密着3Dヘッド●充電時間:1時間●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):W66×H168×D44mm/約210g

 

検証結果はコチラ

【深剃り具合】

肌への負担を抑えながら、70秒で早くもまずまずの剃り上がりに

シェービングを3分行い、ヒゲの剃れ具合を見た目と手で触った感覚で確認しました。

↑筆者はヒゲがそれほど濃いほうではないので、ヒゲをまる2日伸ばして深剃り具合をチェック

 

本機は独自の「音波振動」を採用し、皮膚の奥に引っ込むヒゲも露出させて深剃りするのだとか。また、この振動のおかげでヘッドも肌の上をスムーズに動かせると感じます。

 

また、シェービング中はヘッドが前後に大きく可動すると同時に、フロート状態の4枚刃があごや口元など顔の局面に滑らかに追随して沈み込みます。そのため、ヘッドを強く押し付けなくても、4枚の刃が肌に密着して効率の良いシェービングが可能になっています。

 

シェービングは、開始70秒ほどで、早くもひと通りヒゲが剃れた感覚がありました。ただ、手で触ってみるとところどころに短い剃り残しがあったので、その後もシェービングを続行。ちょうど3分経った時点で、満足感のある剃り上がりになりました。

↑写真左はシェービング70秒後、写真右は3分後の剃れ具合です。見た目ではそれほど違いがありませんが、口元とあごの部分の剃り残しが少なくなっています

 

くせヒゲもしっかり剃ってくれる実感があった

ちなみに本機は、900パターンの網目で様々な向きに伸びたヒゲを捕らえる「ディープキャッチ網刃」や、寝たヒゲの下に入り込んでヒゲを持ち上げる「チタン加工極薄リフトアップ刃」など3種4枚の外刃と、肌を伸ばす役割のストレッチスキンガードを搭載し、あらゆる形状のヒゲに対応。「くせヒゲを剃り残してしまう」ということがなかったのも印象に残りました。

↑ヘッドの両端に「ディープキャッチ網刃」を装備。内側下側の金色の刃が「チタン加工極薄リフトアップ刃」で、その上の「くせヒゲキャッチ刃」は、厚さ0.15mmのくし形の刃でヒゲの向きを揃えながらカットします。「くせヒゲキャッチ刃」と「ディープキャッチ網刃」の間の細いパーツは、肌を伸ばしてヒゲを露出させる「ストレッチスキンガード」です

 

【肌への負担】

音波振動と沈む4枚刃で、肌への圧力が驚くほど少ない!

筆者は肌が特別弱いほうだとは思いませんが、ふだん使っているシェーバーで3分以上ヒゲを剃ると、鼻の下や口元にややひりつきを感じます。なのに今回、ブラウンのシリーズ9で3分以上シェービングしても、ひりつきを感じることはほとんどありませんでした。

 

「深剃り」の項でも触れましたが、可動するヘッドと上下に浮き沈みする4枚刃で肌全体に均等に圧力をかけてシェービング。加えて独自の「音波振動」により、肌に余分な圧力をかけなくても深剃りできるのが肌へのやさしさに繋がっています。

↑ヘッド部分の4枚の刃は、それぞれ3mmほど沈み込みます。それぞれの刃は左右斜めにも沈み、ひとつの刃がある程度沈み込むと、隣の刃も連動。また、刃の逆側に圧力がかかれば連動解除してその方向に沈みます。こうしてあごなどの複雑な形状にも対応し、肌に密着することができます

 

ヘッドの振動で「豪快に剃っている」という感覚に

またそれ以外に、ヘッドの「振動」により、肌に強い刺激を感じながらヒゲを剃るのも重要だと思いました。我々はヒゲをしっかり剃ろうと思うとどうしてもヘッドを強く肌に押し付けがち。その点、本機では「振動」による刺激があるために、実際は肌にヘッドを軽く当てただけでも、かなり「押し付けている」感覚があるのです。これにより、軽く当てているだけで「豪快に剃ってる」という感覚が演出されて心地よく剃れるうえ、「これ以上押し付けるのはマズい」という心理が働くのも良かったです。

 

【操作性】

グリップがしっかりと手になじみ、ヘッドもフレキシブルに可動!

ブラウン・シリーズ9の本体は210gで、やや重めではありますが、手に持ったときのホールド感は良好。本体裏のラバー素材が手のひらにピタッとなじみ、安定したシェービングが行えます。シェービング中に親指操作でヘッドの固定・解除ができるのも便利でした。

↑グリップの裏側にはドット入りのラバー素材を採用。これにより、手の中でグリップがズレることなく、ヘッドを思い通りに動かせます

 

↑本体前面のスイッチをスライドさせると、可動するヘッドを固定できます。ヘッドの角度は-20°~+20°まで、10°刻みの5段階で調節可。鼻の下などの奥まで刃がしっかり届くよう、ヘッドを固定して使いたいときに便利です

意識しなくても、勝手に上手にシェービングできる

前後に可動するヘッドとクッション性のある4枚刃は、シェービングのしやすさにも貢献しています。通常、電気シェーバーは、ヘッドを肌に対して直角に当て、あまり何度も往復させないようにして剃るのが基本。ところが、本機はヘッドが顔の形状にフレキシブルに追随し、勝手に肌に直角に当たってくれます。さらに、一度に多くのヒゲをカットできると同時に、音波振動などのおかげで、多少肌の表面を多めに往復させてヒゲを剃っても、肌にかかる負担がそれほど大きくない印象。つまり、ユーザーが「正しいシェービング」をそれほど意識しなくても、ある程度上手にシェービングできるように思えます。

↑ヘッドが前後に大きく可動。シェービング中の本体角度が多少アバウトでも、ヘッドが肌に対して直角になるよう、補正してくれます

 

充電時間は1時間。フル充電から約50分間の連続稼働ができます。1日1回3分シェービングするとして、約16日間シェービングできることになります。充電残量は5段階表示(9295cc-Pは6段階)で、電池切れ9分前からは残り時間をデジタル表示するようになります。洗浄充電器で毎日充電する場合はあまり役立ちませんが、長期出張に持って行く場合など、「あと9分でバッテリー切れ」とわかれば確実に充電できるので便利です。

↑シェービング中と運転終了後に、バッテリー残量が青いバーで表示されます

 

【メンテナンス性】

アルコール洗浄システムを採用し、ボタンひとつで圧倒的清潔さを維持!

シリーズ9には「クリーン&リニューシステム」(洗浄充電器)が付属するタイプと、付属しないタイプがありますが、今回テストした9525ccは、洗浄充電器搭載モデルになります。

 

本機の洗浄充電器の特徴は、除菌力のより高い「アルコール洗浄システム」を採用していること。ボタンひとつでシェーバーの刃とヘッドの洗浄、除菌、充電、刃の潤滑化、乾燥を全自動で行ってくれます。洗浄のたびにヘッドを99.9%除菌でき、毎回清潔なシェーバーでヒゲを剃ることが可能。アルコール洗浄システムで洗浄した場合、水道水で洗うより約10倍も衛生的なのだとか。実際、洗浄~乾燥後や、シェービングの前にヘッドのニオイを嗅ぐと、爽やかな柑橘系の香りがして清潔感が感じられます。

 

洗浄時間は約3分で、乾燥は40分。洗浄充電器がシェーバーの汚れを検知し、3種類の洗浄プログラムを自動選択します。試しに初日はシェービング後に洗浄を行わず、次の日にまとめて洗浄したのですが、それでも洗浄は2分強で終了しました。

↑洗浄充電器にシェーバーをセットし、ボタンを押して自動洗浄を開始。正面パネルに洗浄プログラムが3段階で表示されます。ランプひとつが「短時間洗浄」、ランプ2つが「通常洗浄」、ランプ3つが「強力洗浄」です

 

↑洗浄〜乾燥終了後に外刃と内刃の洗い残しをチェック。網刃・内刃カセットと本体の接合部分に、ややヒゲくずが残ってしまっていました

 

洗浄液は専用の「洗浄液カートリッジ」を使いますが、毎日使う場合は、3週間に一度の交換が目安だそう。洗浄剤残量表示ランプが赤く点灯して3回使ったら新しいカートリッジと交換します。洗浄液カートリッジの実売価格は2個入りで1200~1400円程度。年間のランニングコストは1万円~1万2000円程度になりそうです。

↑洗浄充電器を使わず洗面台で水洗いも可能。電源ONにしたまま流水やぬるま湯でヒゲくずを洗い流します。洗浄時に研磨剤を含まない液体洗剤を使うと、汚れがより落ちやすいです。洗浄後も数秒間電源を入れ続けて、水滴を除去。その後網刃・内刃カセットを取り外し、十分乾燥させます

 

洗浄液カートリッジのセット自体はとても簡単。洗浄充電器背面のボタンを押すと本体が上がるので、そこにカートリッジをセットして本体を押し下げるだけです。ただし、洗浄充電器に電源コードのメガネプラグを装着しにくいのがやや難点。中に洗浄液が入った状態で無理してコードを挿そうとすると、中の洗浄液がこぼれそうになりました。

↑洗浄液カートリッジは洗浄充電器の背面からセットします

 

【付加機能】

お風呂剃りや、シェービングフォームを使ってさらに肌にやさしいヒゲ剃りも可能

本機は防水設計となっており、シャワー時などのお風呂剃りが可能。また、シェービングフォームやシェービングジェルを使うことで、より肌にやさしいシェービングができます。

 

本体背面には、もみあげやあごヒゲを整えるのに便利なキワ剃り刃を搭載。スライド式で、刃がヘッドの上までくるため、ヒゲを整えるときも、ある程度刃の部分が見やすくなっています。

↑本体背面の黒いポッチを押しながらスライドさせると、キワ剃り刃がせり上がります

 

↑キワ剃り刃がヘッドの上から出ているので、鏡を見ながらのヒゲの手入れも可能。ただし、細かい部分までケアするなら専用トリマーのほうが使いやすいです

 

ちなみに、スタートボタンを3秒以上長押しすると、「ピーッ」と高い音がして安全ロックがONの状態になり運転停止します。ロックがかかるとボタンを押してもシェーバーは作動しないため、小さな子供が触ってしまう心配のある家庭や、出張で携帯中に誤作動するのが心配な人には便利。安全ロックを解除するには、再びスタートボタンを3秒以上長押しします。

↑電源ボタンを長押しするとロックボタンが点滅。そのまま3秒押し続けると安全ロック「ON」となります

 

↑本機にはファスナー式の収納ケースも同梱。本体にぴったりのサイズで、旅行や出張時にコンパクトに持ち運べます

【検証のまとめ】

肌へのやさしさを重視しつつ、さらに深剃りしたい人に最適な1台!

シェービング性能については、少ないストロークでヒゲを捕らえる4枚刃と音波振動技術が優秀。肌の上にヘッドを二度三度と走行させているうちに、着実にヒゲを除去していきました。

 

また、それ以上に印象に残ったのが「肌への負担の少なさ」。音波振動がかなり強力なので負担が大きいかと思いきや、3分以上シェービングしてもほとんどひりつきを感じませんでした。肌へのやさしさを重視しつつ、深剃りもしたいという欲張りな人にオススメと言えます。

操作性では、ラバー素材の採用で手のひらにピタッとなじむホールド感が優秀。本機のグリップは、電気シェーバーのなかでも大きい部類に入ると思いますが、手がやや小さめな筆者でも、問題なく使いこなせました。前後に可動するヘッドとクッション性のある4枚刃の顔への追随性も素晴らしく、誰でも簡単・快適に効率良いシェービングすることができるでしょう。

 

清潔さにこだわるなら、「アルコール洗浄システム」目当てで購入するのもアリ

メンテナンス性に関しては、独自の「アルコール洗浄システム」が秀逸。毎日使うシェーバーの、直接肌に当たるヘッド部分を99.9%アルコール除菌できるのは大きなメリットです。年間のランニングコストが1万円前後かかりますが、清潔さにこだわる人は、「アルコール洗浄システム」目当てで本機を購入するのもアリでしょう。

付加機能では、防水対応で「お風呂剃り」ができるのがメリット。シェービングフォームなどを付けて剃ることで肌への負担をより抑えることもできます。

 

ブラウンのシリーズ9は、シェービング時の強い振動からワイルド系かと思いきや、実は肌に負担をかけずにヒゲを剃れるシェーバーでした。さらに、独自の洗浄システム採用によりヘッドの除菌率は99.9%。より清潔なシェービングを求める人には大きなアドバンテージとなるはずです。