家電
2019/8/8 21:00

「日立らしくない」のが良い方向に! 「IoTおしゃれオーブン」「コラボ炊飯器」が納得のデキだった

日立グローバルライフソリューションズから、毎日の食事づくりで活躍する2大キッチン家電、オーブンレンジと炊飯器の新モデルが発売されました。過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」(実売価格11万6640円)はWi-Fiを搭載し、IHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100CM」(実売価格5万2650円)は老舗米料亭とコラボレーションして開発したとのこと。どちらも可能性が広がりそうな魅力を感じますが、実際のところはどうなのでしょうか。“試食あり”のメディアセミナーの様子を交えてご紹介していきます。

↑おしゃれなインテリアにも調和する、過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」(右)とIHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100CM」

 

オーブンレンジ「ヘルシーシェフ」は見た瞬間に「かっこいい!」

↑スタイリッシュなデザインの「ヘルシーシェフ MRO-W10X」。本体サイズ/質量はW24.8×D30.2×H23.2㎝/6㎏

 

まず紹介されたのは、6月22日に発売された総庫内容量30Lの過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」。見た瞬間、「スタイリッシュでかっこいい!」と感じました。日立のオーブンレンジといえば、性能はいいのに、前面に文字がぎっしり書かれていて、ボタンもたくさんあってゴチャゴチャ……となんだか残念な感じでした。が、新モデルはボタンも文字も最小限で、すっきりした印象。さらに扉と一体型のハンドルを搭載するなど、スマートな美しさのなかにもこだわりを感じさせます。

↑従来、扉に別で取り付けられていたハンドルを扉と一体化することで、洗練された雰囲気に

 

無線LANに対応し、独自のスマホアプリで設定が可能に

さらに「~献立を考えるところから、お手入れまで~ がんばらなくてもおいしく作れる」をコンセプトに、日立が推進する「コネクテッド家電」として無線LANに対応。独自のスマートフォンアプリ「ヘルシーシェフアプリ」からレシピ検索や設定の操作が可能になりました。スマートフォンでレシピ検索し、メニューが決まったら本体に設定を送信し、あとはボタンを押すだけでOK。外出先から帰宅中にレシピ検索すれば、帰ってから献立を考える手間が省け、帰りに材料を買うこともできて効率的です。

↑スマートフォンアプリでレシピを検索し、本体に送信すればオーブンレンジの設定も完了

 

「クックパッド」の「殿堂入りレシピ」をオートメニューに搭載

また、興味深いのは、料理レシピサービス「クックパッド」のなかでも、1000人以上のユーザーが実際に作ったという「殿堂入りレシピ」のうち、厳選した30レシピをオートメニューに搭載した点です。殿堂入りレシピといえば多くの人に支持されているという点で外れが少なく、レシピ選びの目安にしている人も多いのでは。実際のレシピは火を使うものもありますが、ここではレンジで調理できるようアレンジしたといいます。さらに新しいレシピが随時アプリに配信されるので、レシピが増やせるというのもコネクテッド家電ならではの楽しみです。

↑ロールキャベツや肉豆腐、クラムチャウダーなど、クックパッドで殿堂入りした人気レシピの中から厳選した30レシピを搭載

 

そのほか、重さと温度を自動ではかり、分量に合わせた火加減がお任せできる「Wスキャン調理」機能や、外して丸洗いできるテーブルプレートなど日立独自機能も引き続き搭載しています。

↑外して洗えるテーブルプレート。食材や汁をこぼしてしまっても、テーブルプレートが取り外せるのでお手入れもカンタン

 

いざロールキャベツを実演&試食!

今回、このクックパッドの殿堂入りレシピの中から、「トマトで煮込んだロールキャベツ」の実演と試食も行われました。キャベツをゆでる工程は、「下ゆで葉・果菜」で加熱し、玉ねぎもレンジで加熱できるため、火を使う必要はなし。下準備ができたら、スマートフォンを操作してレシピを選び本体に転送、ボタンを押すだけ。なお、クックパッドのオートメニューでは、使用する耐熱ボウルは、ガラス製だけでなくプラスチック製も選べます。

↑スマートフォンで設定して本体に送信。下ごしらえした食材を庫内に入れたら、本体のスタートボタンを押すだけ

 

出来上がり時間は約17分と出ましたが、隣のグループは約18分でした。これも重さと温度を自動ではかる「Wスキャン調理」だからこそ。そして待ちに待ったロールキャベツの完成! 試食してみると、さすがは殿堂入りレシピ、大人も子どもも好きそうな味です。キャベツは少しハリがあって食べ応えがあり、中までしっかり火が通っていました。今夜のおかずが簡単に美味しく作れるとは、まさに「がんばらなくてもおいしく作れる」というコンセプト通りですね。

↑本格的なロールキャベツが完成! 火加減や加熱時間はお任せなので、加熱している間にほかの作業もできますね

 

米を知り尽くした米料亭が監修した炊飯器

↑八代目儀兵衛が炊き上げるごはんの美味しさを目指したIHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100CM」。本体サイズ/質量はW497×D442×H375㎜/18㎏

 

続いては7月6日に発売した5.5合炊きIHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100CM」の紹介です。本機は、江戸・寛政時代から続く米屋で、米料亭を運営する「京の米老舗 八代目儀兵衛」とコラボレーションして開発。当日は、総料理長の橋本晃治氏も京都から駆けつけ、開発の経緯やおいしいごはんを炊くための極意を教えてくれました。

↑「これからの時代、農家と炊飯器メーカー、料理人がスクラムを組んで、米の魅力を広めていくべき」と語る八代目儀兵衛の総料理長、橋本晃治氏

 

そもそも開発のきっかけは、八代目儀兵衛が炊くごはんの美味しさに惚れ込み、「こんな美味しいごはんが炊飯器で炊けたら」と思った日立からのラブコールだったそう。一方、八代目儀兵衛のほうも、長年培ってきた美味しいごはんを炊くメソッドをオートメーション化できたら、という思いがあり、「これはごはんを美味しく炊く技を世に広めるチャンスだ」と、開発に協力することを決めたといいます。

 

「外硬内軟」が再現できるようプログラミング

そんな八代目儀兵衛が土鍋で炊くごはんは、粒立ちがしっかりして中が柔らかい「外硬内軟(がいこうないなん)」が特徴だそうで、本機にも、八代目儀兵衛の炊飯工程を1つ1つ数値化し、それが再現できるようプログラミングされています。

 

橋本さんによると、美味しくごはんと炊くために必要な要素は、「浸し」「再加熱」「蒸らし」の3つのメソッドだそう。まず「浸し」については、一般的に炊飯器の「浸し」工程では一般的に50℃から60℃で短時間で浸水させますが、「高温で浸水させると表面が溶けて食感が悪くなることがある」ことから、40℃の低温でじっくり浸水させることに。

↑「外硬内軟」なごはんを炊くために、温度、圧力、スチーム、時間をきめ細かく設定しました

 

続いて「再加熱」工程では、浸水時に食感を損ないやすい60℃の温度帯を短時間で駆け抜けるため、1.3気圧で107℃まで加熱します。そして最後、「蒸らし」の工程に入る前に、10秒ほど強火で加熱します。「“はじめちょろちょろ中ぱっぱ”の唄の中に、”ひと握りにわら燃やし”とありますが、あれですね」と橋本氏。そして蒸らし時も98℃以上の高温をキープすることで、シャキッとしたごはんに仕上がるのだそうです。

 

ひと粒ひと粒がしっかり立ち、噛むほどの甘みを感じる!

内釜には、発熱性の高い鉄と、伝導性の高いアルミを採用した「大火力 沸騰鉄釜」を採用しました。内釜底面には凸形状を設けることで、効率よく発熱し、一粒一粒に大火力の熱を伝えて美味しく炊き上げます。

↑鉄とアルミを合わせることで、大火力と約790gの軽量化を実現した内釜。底面の凸底形状が発熱面積を広げてさらに泡を発生させ、大火力の熱を伝えます

本機で炊いたごはんも試食しました。炊いたのは、「極上ひと粒炊き」モードだそうで、まさに食感は「外硬内軟」。口に入れるとハリのある粒感がしっかり感じられ、噛むほどに甘さが広がります。この上品な味わいは、土鍋に近いかもしれません。

↑つやっつやに炊きあがったごはんは、ひと粒ずつ食べられる粒立ちのよさ。お米の好みは人それぞれですが、誰もが「美味しい」と感じられる味ではないでしょうか

 

少量でも美味しく炊けて、蒸気カット仕様もうれしい

ちなみに一般的に5.5合炊きの炊飯器は、一般的に少量炊きには向いていませんが、本機は0.5合~2合の少量でも「外硬内軟」のごはんが炊ける「少量」専用ボタンを搭載。さらに「極上炊き分け」も簡単に炊けるよう、専用ボタンを用意しています。そのほか炊飯中に蒸気がほとんど出ない「蒸気カット」仕様で、置き場所を選ばないもうれしいポイントです。

↑通常、炊きあがりのモード設定はボタンを何度か押して設定しますが、使用シーンが多そうな「極上炊き分け」と「少量」モードは、専用ボタンを押すだけ

 

今回、過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」とIHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100CM」を体験させていただきましたが、従来モデルと比べても、かなり魅力的な機能が満載だと感じました。オーブンレンジはキッチンに置いてみたいと思えるスタイリッシュなデザインのうえ、スマートフォンからレシピ検索ができて、どんどんレシピが増えていくというワクワク感もあります。炊飯器のほうは、しっかりした粒感が土鍋に近い味わいで、「さすがは米料亭とコラボしただけある!」と思う感動の美味しさ。新米が美味しくなる季節を前に、検討してみてはいかがでしょうか。

 

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