家電
2019/10/10 10:42

スゴく「コカ・コーラ」らしい!ベンチャー魂で新開発したコーヒーマシンは発明品レベルの名作だ

 

日々、ワクワクするような製品やサービスが生まれるクラウドファンディング。そんななか、またビックプロジェクトが出ました。あのコカ・コーラがコーヒーメーカーを開発したのです。その名も「&Drip」(アンドドリップ)!

 

↑色は赤と白の2種展開。デザインは世界的デザイナー・佐藤オオキ氏率いる「nendo」が手掛けました

 

クラウドファンディング元は最大手の「Makuake」。発表会の様子とともに、本機の特徴やコーヒーの味わい、開発者の声などを紹介したいと思います。

 

サードウェーブの味を目指したコーヒーメーカー

コーヒーメーカー自体は珍しいものではありません。ただ、だからこそ「&Drip」にはこれまでにない魅力が詰まっています。大きなところでいえば、エスプレッソタイプではないドリップコーヒーの味を再現した、カプセル式だということ。

 

↑用意されているカプセルは「レギュラーブラック」と「カフェラテ」。カフェラテは、コーヒーを淹れた後にミルク用のカプセルをセットして2度抽出します

 

多くのコーヒーメーカーは豆を別で購入して淹れるものです。また、なかにはカプセル式もありますが、その主流は深みのあるエスプレッソを得意とする味わいです。そんな現状にフィットするのが「&Drip」。

 

↑操作は内臓パネルのタッチで。アイコンは左から、カフェラテ用のミルク、カフェラテ用の濃いコーヒー、レギュラーコーヒー、アイス用コーヒー、洗浄、電源となります

 

特に「&Drip」が目指したのは、“喫茶店のマスターが、一杯ずつじっくり丁寧にハンドドリップしてくれるコーヒー”を、自宅のリビングで手軽に楽しめる世界の実現。エスプレッソ系のコーヒーメーカーが圧力で抽出する「セカンドウェーブコーヒー」だとするならば、本機はハンドドリップを主体とする「サードウェーブコーヒー」の味を狙っているのです。

 

新しい淹れ方「ドリップイノベーション」がここに!

独自のおいしさを実現するこだわりは随所に。たとえば、鮮度を守る特殊なカプセルを使っていること。酸素濃度を1%以下に保つバリア素材を採用することで、デリケートな豆を酸化から守り、豊かな香りを引き出します。

 

↑特別に、カプセルのフタをはがしたところ。内部にはコーヒー豆、フィルター、ドリッパーと、ドリップに必要なすべてが詰め込まれています

 

また、カプセルの形状にも独自の機構を採用。なんと、マスターが円を描きながらじっくりと均一にお湯を注ぐハンドドリップを再現するため、カプセルの側面に溝が入っています。この溝を入れることで、カプセル全体に均一にお湯が行き渡る仕組みとなっており、コーヒー豆の香りやうまみを余すところなく抽出できるのだとか。

 

↑コーヒーを淹れる際は上部のフタを開け、一杯ずつこのパーツにカプセルをセットします

 

抽出方法にも特徴がありました。実は、あえて少しだけ圧力がかかるようになっています。これにより、単にお湯を注ぐよりも均一かつキレイに淹れることができるからだそう。この手法はコカ・コーラが長年展開している、豆をその場で挽いて淹れるカップコーヒー自販機の開発から得たもので、圧力の効能を「&Drip」にも生かしたというわけです。

 

マシンを使うことで、常に最適な抽出温度、湯量、淹れ方を正確に再現。このような新しいドリップコーヒーの淹れ方を、コカ・コーラは「ドリップイノベーション」と命名。また、自宅のリビングにマスターがいるような世界を実現するため、空間に映えるインテリアのようなプロダクトデザインを目指したのだそう。

 

 

 

 

アロマティックな香りと好バランスな味に驚かされた

理想とする味を追い求め、「&Drip」の開発者は国内にある「サードウェーブコーヒー」の有名店を数多く訪れて研究。そうして行きついたのは“ど真ん中のおいしさ”だそう。ということで、「レギュラーブラック」から飲んでみました。

 

↑レギュラーコーヒーでは、1杯で約180ccが抽出されるようになっています

 

まず驚かされたのは、抽出時からあふれてくる豊かな香り。そして飲んでみると、これまた驚きがありました。というのも、筆者がイメージするドリップ式のサードウェーブコーヒーは、浅煎りで酸味の効いたフルーティな味。ただ、このブラックはそれよりもビターな深みとコクがある印象でした。それでいて適度な甘味があり、余韻はすっきり。

 

↑「レギュラーブラック」は、中煎り~深煎りの中間程度。深めのローストといえるでしょう

 

考えてみれば、“酸味の効いたフルーティな味”もおいしいのですが、万人受けする“ど真ん中のおいしさ”となると、ビター感やコクも適度に必要ということでしょう。全体的に、酸味、苦味、甘味、余韻などが好バランスで、香りは非常にエレガントという感想です。

 

↑「カフェラテ」も飲んでみました

 

「カフェラテ」は、「レギュラーブラック」と豆からして違うものを使ってブレンドし、ミルクに合う味わいに仕上げたそう。飲んでみると、ふんわりクリーミーな甘味がありながら、ベースとなる苦みもしっかり。ミルクは生ではなくパウダーのものとなり、個人的にこのタイプは好んで飲まないのですが、おいしいと思いました。

 

↑タンクは一度に600ccを入れられます。また、アタッチメントを使えば「い・ろ・は・す」を直接使うことも。このアイデアは味だけでなく衛生面でも画期的だと思いました

 

個人的に最も感銘を受けた点は、これまでにない攻めた姿勢もありながら、コカ・コーラという飲料メーカーらしいマインドがしっかりと息づいているところです。マシン自体にもこだわりを詰め込みながら、カプセルも一から開発。また「い・ろ・は・す」を使えば地域の水質に左右されることなく、統一感のある味を楽しめるという部分も、なるほどと思いました。

 

↑「い・ろ・は・す」の使用時。フタでカバーすることができます

 

ちなみにコカ・コーラのコーヒーといえば「ジョージア」ですが、「&Drip」の開発にいたってはいい意味で「ジョージア」に引きずられないよう、ベンチャー精神で取り組んだそうです。現在、本機のプロジェクトは人気沸騰中で、「Makuake」での残り台数はわずか。「ドリップイノベーション」を体感したい人は、お見逃しなく!

 

アンドドリップ コーヒー / ティーメーカー
型式:DR01/電源:交流 100V 50/60Hz 共用/消費電力:1250 W/外形寸法:幅 約 18.0 cm× 高さ 約 28.5 cm× 奥行 約 21.0 cm/質量:約 3.6 kg/水タンク容量:約 600 ml(水タンク最大目盛)/使用環境温度:10°C ~ 40°C/※本製品を使用できるのは、日本国内のみです。海外では使用できません。

 

日本人好みのドリップコーヒー。コカ・コーラのカプセル式コーヒーメーカー&Drip

 

 

【ギャラリー】