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2019/12/27 18:30

「おひとり様」の有力候補だ! 「激ヤセ」したシャープの電気鍋「ホットクック」はやっぱり便利

 

シャープから電気調理鍋「ヘルシオ ホットクック」シリーズの最新モデル「KN-HW10E」(実売価格4万6000円)が登場しました。2015年発売の初代モデルは2〜4人用で、その後4〜6人用モデルも登場しましたが、KN-HW10Eは初めての「1〜2人用モデル」です。最近はコンパクトな電気圧力鍋や電気フライヤー、ホットプレートなど“おひとり様調理家電”が増えていますが、こうしたホットクックシリーズが網羅できていなかった部分を初めてカバーしたモデルといえます。

↑シャープが2019年11月に発売した「ヘルシオ ホットクック KN-HW10E」(実売価格4万6000円)

 

ヘルシオ ホットクック KN-HW10Eの魅力は4つ挙げられます。

●なんといってもコンパクトな設置スペース

●手軽に調理できて「タイムシフト」も可能

●上下2段調理機能を新搭載

●スマホアプリとの連携や、本体でのレシピダウンロードが可能

順を追って紹介しましょう。

 

コンパクト化によって一般的な炊飯器と同等のスペースに設置できる

ホットクックシリーズは2015年の発売当初から人気が続くモデルですが、1つ難点として挙げられるのが「大きい」ことでした。2〜4人用の1.6Lモデル(現行モデルだとKN-HW16Eなど)では幅36.4×奥行き28.3×高さ23.2cm、4〜6人用の2.4Lモデル(同KN-HW24E)では幅39.5×奥行き30.5×高さ24.9cmと、かなり場所を取ります。しかしKN-HW10Eは幅22.0×奥行き30.5×高さ24.0cmと、かなりコンパクトになりました。奥行きは2.4Lモデルと同じなのですが、幅がほぼ半分にまでスリム化しています。一般的な炊飯器とほぼ同じくらいの設置幅になったため、さまざまな場所に設置しやすくなりました。

↑2017年発売の「KN-HW24C」(右、2.4Lモデル)との大きさの比較

 

コンパクト化の秘密は「新・まぜ技ユニット」とコンパクトモーターの採用です。ホットクックシリーズは内鍋の中の食材を自動的にかき混ぜる「まぜ技ユニット」が大きな特徴の一つですが、従来は羽根のようなアームが2つ付いていたのに対し、新・まぜ技ユニットは1つのアームで同等の機能を実現したとのことです。

↑内ブタの部分に搭載する「新・まぜ技ユニット」が食材を自動的にかき混ぜてくれます

 

予約調理による「タイムシフト」も可能

ホットクックシリーズの魅力は、食材を入れてスタートボタンを押すだけで自動的に調理してくれるところにあります。特にまぜ技ユニットを搭載していることで、カレーやシチューのような粘りのある料理でも、火加減からかき混ぜまで、おまかせできるのです。

↑液晶ディスプレイの周囲にボタンを配置しています。上下ボタンでメニューを選び、決定ボタンで選択します

 

さらに魅力なのが「予約調理」です。最大15時間後までの予約調理に対応するため、朝早くにセットして夕飯に仕上がるような設定が可能です。共働きで朝早く起きてお弁当を作らなければならない人が、そのときに同時に夕飯の支度をする……といった使い方ができます。朝早く起きてお弁当のおかずを何品も作ったうえに夕飯の準備もするのは大変ですが、同時に朝にホットクックをセットしておけば、夕方までしっかり仕事をしたり、買い物を済ませたりと、ほかのことができるようになります。家事の「タイムシフト」ができるというのはかなり魅力的なのではないでしょうか。

 

カレーは具材を切って入れるだけと、調理はかなりラク

では、実際に調理していきましょう。まずは定番中の定番である「ビーフカレー」をベースにチキンカレーを作ってみました。ホットクックといえば、水を使わないで調理する「無水調理」がウリの一つで、トマトと玉ねぎをたっぷり使うことで水を加えないで作る「無水カレー」も定番なのですが、ここでは一人暮らしでも作りやすいシンプルなカレーを試してみます。

↑ビーフカレーのレシピをベースにチキンカレーを作りました

 

↑完成したチキンカレー

 

レシピでは2〜3皿分として玉ねぎやにんじん、ジャガイモなどの分量が書いてあり、そちらはレシピ通りに投入。ただし、カレールウは1箱が1/2(5〜6皿分)ずつでパックされているものが多く、中途半端に余らせるのがイヤなので、1/2箱のルーを入れてそのまま作ってみました。ちょっと濃いかなとは思いましたが、まったく問題なく仕上がりました。具材を切ってルウと水を一緒に入れてボタンを押すだけで仕上がるので、これはかなりラクです。

 

上下2段調理機能を新搭載し、おかずとスープが同時にできる

KN-HW10Eの注目機能として紹介したいのが、新たに搭載した上下2段調理機能です。これは付属する蒸し皿と内鍋で別々の料理を作れるというもの。タイガー魔法瓶の炊飯器「tacook(タクック)」シリーズが搭載している機能に類似する機能で、調理中に出てくる内鍋からの熱や蒸気を使って蒸し皿の食材も調理するというものです。

↑内鍋に加えて、蒸し調理ができる蒸しトレイが付属します。内鍋だけの状態(左)と蒸しトレイをセットした状態(右)

 

従来モデルのホットクックシリーズにも蒸し板は付属していたのですが、食材を入れて保持できるカゴのようなスタイルではなかったため、豆などを蒸すのに不便でした。KN-HW10Eに付属する蒸しトレイはカゴの形になっているため、かなり使い勝手が向上しているように感じます。

 

この蒸しトレイを使って、まずは下でわかめスープを作り、上でシュウマイや肉まんなどを蒸す「飲茶セット」を作ってみました。今回は適当に水と鶏がらスープの素、ふえるわかめ、鶏のささみ、白菜などを入れ、塩コショウで味付けしてセット。その上にシュウマイを並べれば準備完了。

↑内鍋にスープの食材を入れ、蒸し皿にシュウマイを並べて準備完了

 

↑完成した状態

 

こちらも問題なく完成しました。下は味噌汁でもいいですし、「今日はそれほどお腹が減っていないから軽くシュウマイでも温めて、スープと一緒に済ませるか……」といったときに便利そうです。

↑一人暮らしの食事なら、これにご飯さえあれば十分ですね

 

スマホアプリとの連携や、本体でのレシピダウンロードが可能

KN-HW10EはコンパクトながらWi-Fi機能を内蔵しており、スマホアプリと連携してレシピを転送したり、本体でレシピを検索してダウンロードしたりできるのが魅力。スマホアプリでの機器登録は少しだけ手間がかかりますが、本体の小さな液晶でレシピを探すよりも探しやすいのが便利です。ただし専用のCOCORO KITCHEN(ココロキッチン)アプリには大きな不満があります。それはレシピを検索しにくいということです。

↑シャープのヘルシオシリーズ向けCOCORO KITCHENアプリの起動画面

 

↑COCORO KITCHENアプリの検索画面。キーワード検索しかできないのが大きな不満点です

 

例えば今回新搭載の上下2段調理機能、せっかくなので使いこなしたいと思っても、「2段調理」などの調理法では検索ができません。食材や料理名などのキーワード検索のみで、「無水調理」や「蒸し調理」、「発酵調理」など、やってみたい調理法などをたどって探す検索方法が用意されていません。その点は日立グローバルライフソリューションズの「ヘルシーシェフ」シリーズ向けアプリが最もよくできているので、もう少しシャープにも頑張ってもらいたいところです。

 

チーズフォンデュや野菜炒めもカンタン

ちょっと苦言を呈してしまいましたが、続いて新たなレシピを試してみましょう。今度は上下2段調理機能を活用できる「チーズフォンデュ」を作ってみました。内鍋には、耐熱皿に上の白カビ部分を切り取ったカマンベールチーズをセットし、水を入れます。上の蒸し皿にはカットした野菜をセットするだけで準備完了。

↑内鍋にカマンベールチーズを入れた耐熱皿をセットし、水を入れます

 

↑蒸し皿にはカットした野菜を並べて入れます

 

調理が終了すると、ブロッコリーやにんじん、パプリカがしっかりと柔らかく蒸し上がっており、内鍋のカマンベールチーズもトロットロに仕上がっています。ピックなどを使って野菜をチーズにくぐらせるだけで、本格的なチーズフォンデュの感覚を味わえました。これは一人暮らしの酒の肴にも最適です。

↑チーズフォンデュが完成!

 

もう1品、とても簡単にできる「カット野菜で1品(野菜炒め)」を作ってみました。これはスーパーやコンビニなどで手軽に買えるカット野菜を使って野菜炒めを作れるというもの。カット野菜と塩コショウ、しょう油、お酒などを適当に入れ、好みに応じてお肉も入れてセットするだけで準備完了です。

↑カット野菜を入れた上に豚肉の薄切りを並べて、塩コショウやお酒などを適当に入れました

 

↑肉野菜炒めが完成

 

仕上がりは「野菜炒め」というよりは「野菜蒸し」に近い感じにはなったものの、これは料理があまり得意ではない人でも簡単に作れるように思います。味付けの面でも、少し少ないかな? くらいのイメージで塩コショウを振っておき、あとでしょうゆなどを加えて味を調えても問題ありません。

 

まだ発売したばかりなので、4万6000円とまだまだ価格が高いのが難点ではありますが、春の新生活シーズンに用意すべき家電の一つとして、かなり有力な候補になるのではないでしょうか。

 

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