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2020/4/30 20:00

家飲みコーヒーに大激震! 画期的な淹れ方の「最新カプセル式マシン」の味わいを丁寧レポート

カプセル式コーヒーマシンの世界的ブランド「NESPRESSO(ネスプレッソ)」が、今年の1月に投入したのが「VERTUO(ヴァーチュオ)」。前回はその発表会のレポートをお伝えしましたが、今回はじっくり使った体験レポ―トをお届け。改めて“まったく新しいコーヒーシステム”として話題の「ネスプレッソ ヴァーチュオ」の真価を、その味わいとともにお伝えしていきます!

↑今回使用する「ヴァーチュオ ネクスト」(実売価格2万900円)はホワイト(写真)のほか、チェリーレッドも用意。このほか同2万5300円の「ヴァーチュオ ネクスト プレミアム(クラシックブラック)」と同2万7500円の「ヴァーチュオ ネクスト デラックス(ダーククローム)」もあります

 

マシンが各カプセルのバーコードから最適な淹れ方を読み取って抽出

まずは新システム「ネスプレッソ ヴァーチュオ」について、改めて説明しましょう。カプセルコーヒーで楽しむネスプレッソのコーヒーメーカーはこれまでもありましたが、「ネスプレッソ ヴァーチュオ」は、それとは別の新たな規格を採用。独自の新システムを採用したコーヒーメーカーと専用カプセルによって、驚くべきコーヒー体験を味わえるのです。

 

その大きな特徴のひとつが、専用カプセルのふちに記されたバーコード。ここにカップサイズ、回転数、注入湯量、湯温、蒸らし時間などの情報が書き込まれていて、マシンがこれを読み取ることでカプセルに適した一杯を抽出してくれます。

↑半球状の部分を上にしたとき、カプセルのふちに見えるバーコードに注目。こちらをマシンが読み取って最適な一杯を抽出します

 

抽出に必要な情報はカプセルに入っているため、操作はいたってシンプル。ボタンひとつで扱えるようになっています。なお、好みに調整して飲みたいという人のために、カプセルの種類ごとに抽出量の設定を変更することも可能です。

↑必須ではないものの、専用アプリも用意。ファームウェアのアップデート、カプセルの注文、湯垢洗浄アラートなどの機能が盛り込まれています

 

ボタンがひとつということもあって、デザインはきわめてスタイリッシュ。生活感などは皆無といっていいでしょう。

↑本体は幅14cm、奥行き37.4cm、高さ31.8cm。水タンク容量は約1.1L

 

カプセルのラインナップが全28種類と豊富なのも特徴。カプセルは5つのサイズで分類されていて、大容量のものからアルト(約414ml)、マグ(約230ml)グランルンゴ(約150ml)、ダブル・エスプレッソ(約80ml)、エスプレッソ(約40ml)となっています。

 

28種のカプセルのうち、3つは4月1日に新発売された最新フレーバー。以下では新たに加わったその3種と既存の3種、計6種のカプセルの味を試していきましょう。

↑容量によってコップの大きさも変わるため、トレー部分である「カップサポート」の高さも3種類で変えられます

 

↑今回使うカップは「ヴァーチュオ コーヒーマグカップ」という別売の専用アクセサリーで、3575円。スプーン付きで各2個入りです

 

厚くシルキーなクレマは、ほかのマシンにはない魅力

「ネスプレッソ ヴァーチュオ」の真価は、抽出して飲んで初めて実感できるといっていいでしょう。とにかく一度体験してほしいのは、クレマ(泡)のきめ細かさとボリューム感です。さっそく、朝におすすめというカプセル「ジョルニオ」から抽出していきましょう。カプセルにはそれぞれ「味わいの強さ」という参考スペックがあり、数値は1から13まで幅広く設定されています。「ジョルニオ」の「味わいの強さ」は4となっています。

↑このように本体のヘッドの部分をガパッと開け、カプセルをセット。閉めてボタンを押すだけで抽出がスタートします

 

↑これが唯一のボタン。押すと「フォンッ」という音が鳴り、抽出が始まります。エスプレッソのように気圧をかけるタイプではないので、静かなのもポイント

 

コーヒーを抽出すると、やっぱりクレマの量がまったく違う! ちなみに、ネスプレッソではスプーンを使って豊かなクレマとコーヒーを混ぜ込み、一緒に楽しむ飲み方を“新作法”として定義しています。今回もその新作法で楽しんでいきましょう。

↑見てください、このクレマ! ここまで豊かな泡を生み出せるカプセル式コーヒーメーカーは、ほかにないでしょう

 

↑泡はしっとりエアリー。柔らかなタッチで、コーヒーと一緒に楽しむ“新作法”で飲むと、まろやかなニュアンスが感じられます

 

「ジョルニオ」のコーヒーそのものの味は、フローラルでいて華やか。フルーティというよりも、花に寄った方向性の酸味を豊かに感じ、風味がきわめてエレガントです。コーヒーらしい苦味もしっかりあって、完成度の高さを感じました。

 

「インテンソ」はリッチで上品なビターテイストでミルクが合う!

次に試したのは「味わいの強さ」が9の「インテンソ」。「インテンソ」は深い、濃いという意味なので、よりストロングな味ということでしょうか。

↑「インテンソ」は色からしてビターな印象

 

「インテンソ」を味わってみると、クレマの柔らかさがあるため飲み口はスムースながら、どっしりとした苦味があって、確かに力強い味わいです。深いコクの奥には甘やかな風味も感じ、全体的にリッチで上品なビターテイストだと感じました。

↑左が「インテンソ」で、右が「ジョルニオ」。色味からして前者が深煎り系、後者が酸味系だということがわかります

 

「インテンソ」はミルクにも合いそうだと思い、試してみたところ、やっぱりビンゴ! コーヒーの味が濃いので、ミルクによってコーヒーの味がぼやけることなく、ボディのしっかりしたカフェオレが楽しめました。

 

ちなみに、カフェオレにして楽しむときは、あらかじめカップにミルクを入れてから、そこにコーヒーを抽出する「リヴァーソ」という方法がオススメです。こうすることでクレマとミルクがひとつとなり、いっそうシルキーな泡が楽しめます。

↑ミルクを少量入れてから「インテンソ」を抽出。ふわとろのクレマができました!

 

3つ目に試したのは、青いカプセルの「オダーチオ」。「味わいの強さ」は7で、「ジョルニオ」と「インテンソ」の中間のような味と予想できます。

↑「オダーチオ」を抽出。やはり厚いクレマのボリューム感には目を見張るものがあります

 

実際に試してみると、「オダーチオ」は、ブライトな力強さをもったコクが印象的。重くダークなビター感とは違う、鮮やかなニュアンスです。酸味はほどよくフレッシュなイメージで、全体的に若々しい味わいだと思いました。

 

なお、今回試した「ジョルニオ」「インテンソ」「オダーチオ」はすべて約230mlのマグサイズで、価格は各1箱(10カプセル入り)1026円です。

↑チョコレートをはじめ、お菓子によく合います

 

新作カプセルは、香りは甘いのに甘くないのがユニーク

次は、4月1日発売の新作3種をトライ。これらは「バリスタ・クリエーションズ」というシリーズで、世界中の優秀なバリスタたちの熟練の技とクリエイティビティにインスピレーションを受けたもの。なかでも今回の3種類は、様々なデザートからインスピレーションを受けたといいます。カプセル名も「キャラメル・クッキー」「バニラ・カスタードパイ」「ヘーゼリーノ・マフィン」と、確かにデザートの名前になっていますね。これら3種はすべて約230mlのマグサイズで、1箱(10カプセル入り)1080円です。

 

まずは「キャラメル・クッキー」から飲んでみました。「おぉ~!」というのが第一印象。香りは非常に甘いものの、コーヒー自体に甘味はなく、飲むとしっかりした苦味が広がります。そのギャップが不思議で、極めて新鮮に感じました。

↑「キャラメル・クッキー」は、抽出された瞬間から広がる、キャラメルの甘い香りが魅惑的です

 

続いて「バニラ・カスタードパイ」。キャラメルよりも香ばしさが控えめなぶん、ミルキーな甘味が強い印象。そして、甘い香りが力強さを持っているからか、満足感が高いです。

↑「バニラ・カスタードパイ」。クレマの豊かさは「バリスタ・クリエーションズ」シリーズでも同様です

 

ヘーゼルナッツ風味の香りを加えた「ヘーゼリーノ・マフィン」は、ナッツらしいまろやかな甘さが特徴的。苦味はほかの2つよりも抑え気味な印象で、比較的に明るく軽やかな飲み口です。

↑「ヘーゼリーノ・マフィン」。ヘーゼルナッツ風味の香料を加えています

 

こうした香りを加えたタイプは、一般的に「フレーバーコーヒー」として知られていますが、今回試した3種類はよりリッチな印象。「ヴァーチュオ」ならではの豊かなクレマで飲むと、ワンランク上の味わいになったと感じました。

↑「バリスタ・クリエーションズ」シリーズもお菓子と合います。ただ、甘い香りがぶつかる可能性もあるので、パンなど甘さを抑えたもののほうがより合うと思いました

 

なお、使い終わったカプセルは、ヘッドを開くと自動的に本体中央のカプセルコンテナに落ちるのが便利です。ただ、やや本体に奥行があるので、個人的にはこのカプセルコンテナをなくしてコンパクト化しても良かったのかな、と感じました。

 

とはいえ、スタイリッシュなデザイン、設定不要のワンボタン操作、あふれる香りとシルキーなクレマがのった豊かな味わい、バラエティ豊富なフレーバーなど、どれを取っても、さすが同ブランドが満を持して投入しただけのことはあります。モノとしてもコーヒーの味わいの面でも、ラグジュアリーな気分にさせてくれる一台だと感じました。特に「美味しいコーヒーが気軽に買えなくなった……」と悩んでいる在宅ワーカーの方、本機を使えば、自宅のカフェタイムが一気にグレードアップするはず。賢く気分転換をする意味でも、ぜひ注目してみてください。

 

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