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2020/7/3 19:30

ドライヤーがコードレスになるメリットって何? 話題のモデルを使ったら「本当に画期的」と判明

ここ数年、ドライヤーが目覚ましく進化しています。マイナスイオン搭載で髪をサラサラに乾かす、大風量で速乾する、2つの吹き出し口で速乾する、遠赤外線で髪の内側から乾かす、低温で髪を傷めない、センサーで温度や距離を測って適温に調節する……などなど。さて次はどんなドライヤーが出てくるのか楽しみにしていたところ、なんとコードレスのドライヤーが登場しました。韓国メーカー、SS shiny(ダブルエスシャイニー)の「The CORDLESS HAIR DRYER(ザ コードレス ヘアードライヤー)SDJ-001」(実売価格3万2780円)です。

↑見た目はシャンパンゴールドで高級感がありつつ、工具のようなメカっぽさも感じさせます。製品名は、「The CORDLESS HAIR DRYER」とそのまま

 

ドライヤーがコードレスだったら、そりゃ便利にちがいない! と期待しつつ、風量は大丈夫? 何分使えるの? バッテリー搭載で重いんじゃ……? など、気になることが次々と頭に浮かんできてしまいます。そんな疑問を解消すべく、実際に使ってみました。以下でその使用感を紹介していきます。

 

弱冷風なら長時間使えて安全性能も高い

このコードレスドライヤーは、国内大手のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて、目標の1616%を達成したという注目度満点のドライヤー。日本での一般発売は今年2月からですが、第1世代モデルは2018年に香港、台湾などで2万台を販売しており、今回発売するのは第2世代モデルだといいます。最大の特徴はもちろんコードレス。コードレスながら風量は1.44立方メートル/分と一般的なドライヤーと同等です。

↑風の強さは、温風、冷風それぞれ3段階から選択。左側のボタンが温風用、右側が冷風用で、押すたびに強度が変わります。少し分かりにくいですが、今は強温風の状態です

 

続いて使用可能時間について。4900mAhの大容量バッテリーを搭載しているため、もっとも長くて弱冷風で約170分。ただし強温風だと約15分なので、ふつうに髪を乾かそうと思ったら、そんなに長くは持たないと考えたほうがよさそうです。充電台が付属しているので、使い終わったら充電台に戻して即充電が基本。満充電までにかかる時間は約240分(4時間)です。

↑充電は、充電台に乗せるだけでOK

 

↑バッテリー残量は、赤いLEDランプで確認できます。ランプが4つ点灯していれば100%で、3つ点灯で75%、2つ点灯で50%、1つ点灯で25%

 

また同製品は安全面に配慮して、以下の機能が搭載されているといいます。

・過充電保護装置……完全充電完了時に充電を遮断
・過放電保護装置……放電がバッテリーの定電圧の8.5V以下になると電源を遮断
・バッテリーショート防止装置……過電流が発生すると電源が自動オフ
・バッテリー温度感知装置……本体内部のバッテリー温度が約50℃を超える場合、電源が自動オフ

つまり充電台に置きっぱなしにしても過充電にならず、使用後に本体が熱を持った状態で充電台に置いても、冷めるまで充電は開始しないということですね。

 

風が当たる範囲が小さく、風の勢いはやや弱い

ではさっそく使ってみましょう。髪を洗ったあとタオルドライした状態で、いつものように乾かしてみます。なお髪や頭皮からの距離は、5cm推奨とかなり近いですが、温風温度は70℃を超えない低温だというので、髪や頭皮へのダメージは少なそう。なおマイナスイオンなどイオンを放出する機能は搭載されていないようです。

 

まず、持った印象は、ずっしり重いです。重量は約650gだそうで、他社のモデルに比べても重い部類に入るでしょう。ただハンドルとなる部分が2本あるためか、重さの割には安定感はあるように感じます。

↑2本のハンドルのうち、前と後ろのどちらを持つと持ちやすいか、使いながら模索してみるとよさそうです。写真は後ろのハンドルを持った状態

 

いよいよ温風ボタンを3回押し、強モードにして髪に当ててみたところ、なるほど確かにしっかりと風は感じます。髪から5cmとかなり近づけられるため、髪をかきわけ地肌も見えている状態に。しかし、強温風の割には勢いが感じられない……。そこで吹き出し口を改めて確認したところ、吹き出し口が小さい! 髪に当たる範囲も小さいせいか、風量がなかなか実感できませんでした。

↑吹き出し口がぴったり500円玉サイズと小さいうえ、吹き出し口も開放的ではないような……

 

↑風の強さも弱くはありませんが、速乾ドライヤーのようなパワフルさはありません

 

とにかく根元から乾かしていこうと、まずは吹き出し口を地肌に重点的に当ててみました。これも風が熱くならないからできることですね。温度は、強温風で約57℃とのこと。体感としてはぬるいという感覚で、特に夏は快適に使えそう。とはいえ、かなり風がピンポイントであるため、髪をほぐしたり、ドライヤーを振ったり、いろいろと試しながら一生懸命乾かしました。乾燥にかかった時間は、約12分。私は髪が細く、速乾ドライヤーなら5~6分で乾かせるので、これは時間がかかったほうだと思います。

 

12分かかってしまうと、15分という使用可能時間をほとんど消費してしまうことに。また7~8分を過ぎてくると、本体が熱くなってくるのも気になる点です。

↑風が当たっている部分の髪以外は動いていないので、一度に広範囲を乾かすのは難しそう

 

使えば使うほどコードレスのメリットがわかってきた!

しかし! このドライヤーのポイントは速乾性能ではありません。「コードレスで、場所を選ばず使える」という点です。12分間、ひたすら洗面所の鏡の前にいたわけではなく、息子を起こしに行ったり、今日の予定を確認したり、“ながらドライヤー”をしていたのです。これは本当に画期的。日々、パックやコードレス美顔器を使いつつ、さまざまな“ながら美容”はしているものの、まさかドライヤーまでできるようになるとは。結局、髪が完全に乾いたとき私は、リビングのソファに座ってテレビを見ていました(ただし、音声はほとんど聞こえませんでしたが)。

 

実をいうと、初めて「コードレスドライヤーが発売される」と聞いたとき、ドライヤーがコードレスであるメリットってなんだろう? と思ってしまいました。もちろん便利なことは間違いないでしょうが、掃除機のようにあちこちの部屋に移動して使うものではないし、旅行先にもたいてい電源はあるしなぁ……と。

 

しかし実際使ってみて分かりました。コードレスがこんなにも自由なものだということに。「髪は洗面所で乾かすもの」という固定観念から解放され、エアコンの効いたリビングで、テレビを見ながら乾かせるのは実に快適です。またコードを振り回しながらドライヤーを動かすのも、意外に大変だったことにも初めて気づきました。

 

さらにコードレスは、シャンプーした犬をドライするときにも便利。わが家には、もうすぐ4歳になる愛犬(チワプー)がいるのですが、シャンプー後のドライヤーは電源の近くで使うことが大前提になります。しかし愛犬はドライヤーが苦手なので、隙あらば脱走してしまう……。そのたびに捕まえて、また元の場所に戻ってこないといけないわけですが、コードレスなら、ドライヤーを持って追いかけられます(笑)。これは小さいお子さんがいるご家庭にも大きなメリットとなるでしょう。

↑風が強すぎず、音もそんなに大きくないためか、犬も怖がらずにドライヤーの風を浴びていました

 

キャンプや海など、アウトドアでは確実に重宝する

また、思い返せばあのとき使いたかった、というシーンも。筆者の場合、県をまたいだ移動制限が解除されてまもなく、山梨・清里へキャンプに行ったのですが、キャンプ場でドライヤーが使える場所がトイレしかなく、とても使いづらかったのです。あのとき、これがあればよかった……と思いました。これからの季節は、プールや海に行ったときにも便利でしょう。電源のある場所が限られていても、これがあれば好きな場所で髪を乾かせますし、帰りのクルマの中で使ってもいいのですから。

 

使ってみて感じたのは、充電時間や使用時間を考えると、家族で毎日使うのは難しいけれど、コードレスだとありがたいシーンは意外に多いということ。アウトドアに出かける頻度が増えれば購入しようかな、と思える利便性は感じられました。あとは、価格との兼ね合いを含めて検討したいところですね。

 

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