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2020/8/28 19:00

ルンバに魂が宿った!?「ソファを掃除して」が可能になる「史上最大のアップデート」の要点

アイロボット・コーポレーションは8月26日、ソフトウェアのアップデート「iRobot Genius(アイロボット・ジーニアス)ホームインテリジェンス」を発表しました。これにより、iRobot HOMEアプリの仕様、およびロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」の機能が大幅に改良され、様々な機能が自動的に追加されることになります。

 

ロボットに完全に掃除を任せることが可能になる同社史上最大のアップデート

今回のアップデートについて、アイロボットジャパンの代表執行役員社長 挽野 元(ひきの・はじめ)氏は、オンライン発表会で以下のように説明しました。

↑アイロボットジャパンの代表執行役員社長 挽野 元氏

 

「『iRobot Genius』はアイロボット史上、最大のデジタルアップデートです。この『iRobot Genius』は個人のライフスタイルに合わせた掃除が実現することで、煩わしい日々の掃除から解放され、消費者のみなさんにとって、ロボットに完全に掃除を任せることができる、そんな新しい時代の幕開けを意味しています。

 

『iRobot Genius』によって、例えば、AIによって掃除の提案ができたり、あるいはユーザーの掃除のルーティーンをロボットが学習したりします。そして、これらがカンタンにできるように、iRobot HOMEアプリが操作のしやすさに重点を置いたインターフェースに変わっています。アイロボットは『iRobot Genius』を軸に、新しい掃除の時代、本当に掃除を任せられる時代にしっかりとコミットして参ります」

↑iRobot HOMEアプリ画面。従来のインターフェース(左)に比べて、直感的に使えるよう改良されています(右)

 

では一体、iRobot Geniusでどのようなことができるようになるのでしょうか? 挽野氏によると、「ロボットが人間と同じような目線で家を理解し、どこで(Where)、いつ(When)、どうやって(How)掃除するかを、まるで人が行うかのようにロボットがコントロールする」とのこと。具体的には以下の通りです。

 

①Where=掃除する場所の認識

業界初の物体認識清掃(上位機種のルンバ s9+、i7+、i7、ブラーバ ジェット m6 に対応)

iRobot Geniusでは、最先端のロボットAIを採用し、機械学習によってソファやテーブルといった特定の家具を自動的に検出します。これにより「ソファの周りを掃除する」などといったピンポイントでの清掃が可能になりました。

↑スマートスピーカーで「ソファを掃除して」と指定すると、ソファの周囲を掃除してくれます

 

部分清掃エリア(上位機種のルンバ s9+、i7+、i7、ブラーバ ジェット m6 に対応)

また、ユーザーが清掃エリアをアプリ上で手動で指定することも可能です。これにより、汚れやすい場所などを部分的に清掃することが可能になりました。また、「進入禁止エリア」と組み合わせて設定すれば掃除したい箇所としたくない箇所を自在にコントロールすることも可能です。

↑部分清掃エリアを設定するデモ。まずはアプリのマップ上で清掃したい場所を指定

 

↑今回は、デモの進行役の男性のいる場所をルンバがピンポイントで掃除するよう指定。わき目もふらずに到着し、掃除を開始しました

 

②When=掃除するタイミングの指定と提案

お気に入り機能(上位機種のルンバ s9+、i7+、i7、ブラーバ ジェット m6 に対応)

日々の清掃パターンに名前を付けることで、どこを掃除するかを簡単に設定することができます。例えば「夕食後」とお気に入りに登録し、ダイニングテーブルとキッチンを選択。これを起動することで、夕食後にはいつも汚れやすいダイニングテーブルの下とキッチンを、ルンバで掃除したあとブラーバで拭き掃除する、といった清掃が可能になります。これにより、ユーザーの日常に合わせた効率の良い清掃を行います。

↑お気に入り機能のデモ。アプリで「食後」と名付けたお気に入りのボタンを押します

 

↑ブラーバが起動し、設定したキッチンカウンターとダイニングテーブルの掃除を開始しました

 

スケジュールの提案

例えば、金曜日の夜にリビング、あるいは日曜日の夕食後にダイニングとキッチンに掃除機をかけることが多いなど、ロボットが清掃パターンを学習。「これを清掃スケジュールに追加しませんか?」とアプリ上で提案を行います。

↑ロボットがユーザーの清掃パターンを学習して、アプリ上で提案します

 

生活ルーティンの設定

通常のスケジュール機能に加え、市販のコネクテッドデヴァイスやアプリと連携し、日常の行動に紐づけることにより、「家から離れたらブラーバを起動する」といった、実用的なスケジュールが設定できるようになります。現在のところ、Life360という家族の見守りアプリとの連携が可能で、今後、連携するIoT対応機器は順次増やしていく予定とのこと。

 

③How=掃除する方法をAIが提案

進入禁止エリアの提案(上位機種のルンバ s9+、i7+、i7、ブラーバ ジェット m6 に対応)

iRobot Geniusは、ユーザーの好みの設定を知り、よりユーザーに適した清掃方法を判断できるように日々学習を続けます。例えば、配線が多い箇所など、ロボットが停止することの多いエリアを自動で検知し、「このエリアを進入禁止に設定しませんか?」といった提案を行います。

↑問題のあるエリアがあると、進入禁止エリアの提案を行います

 

季節に応じた提案

基本的なスケジュール機能にとどまらず、位置情報によりその地域に即した季節の提案を行います。花粉やアレルギーの季節、ペットの換毛期などをお知らせし、清掃頻度の提案などを行います。この機能はOFFにすることも可能です。

↑花粉の季節は毎日掃除するように促すなど、季節に応じた提案も行います

 

これらすべてのiRobot Geniusの機能は、直感的に操作できるよう、ユーザーインターフェースを一新したiRobot HOMEアプリから操作が可能。また、各機能は、Google アシスタントやAmazon Alexaなどのスマートスピーカーを通して音声でコントロールすることも可能です。なお、機能によって対応する機種は違います(以下の表組参照)。

 

家具を認識して掃除する場所のピンポイント指定が可能、かつ状況に応じた掃除のパターンを登録できるうえ、ユーザーの掃除のやり方を学習し、提案までするとあって、iRobot Geniusの配信による拡張機能には驚くばかりです。イメージとしては、ルンバやブラーバのなかに優秀な執事の魂が宿ったようなもの。

 

特にスマートスピーカーと組み合わせて操作すれば、より完全な「お任せ」感覚が実感できるはず。もうここまでくると、子どものころに夢想した「お掃除はロボットにお任せ」という未来がついに来たか……と感慨深くなりますね。そんな未来への希望が感じられるiRobot Genius、みなさんもぜひ注目してみてください。